幕間☆彼のココロのヒトカケラ
初めて会った時、なんて自然体な子なんだと思った。
言葉を濁さず、はっきりと言ってくる君に、人として僕は惹かれた。
小さな体で働いてると聞いたときも、驚いたけれど何故かしっくりとしていた。
一生懸命にでも、嫌々というわけでもなく君は一生懸命に仕事をする。
僕にやり方を教えてくれながら。
僕は君ともう少し仲良くなりたいと思って引き止めた。
振り返った拍子に帽子が舞い、君の顔がはっかりと見えたその時。
名も呼ばせてくれない君に、僕は一目惚れしたんだ。
家である王宮に帰ったあとも、ココロは君の事でいっぱいだった。
だから、王宮で再会した時凄く嬉しかった。
でも、僕には『王子』という壁がある。
僕が『王子』知った君も驚いていて、やっぱり『王太子殿下』と呼ばれた。
だけど君は、僕が名で呼んでくれと頼んだら『王太子様』とか『殿下』を付けずにただ、僕が教えた名前を呼んでくれた。
君が王宮にいる理由が分かったとき、それを理由仲良くしようと考えた。
でも、僕の護衛が思い出させてくれた。
今、君に関わると『母上』である『王妃』が君の自由を奪うと。
母上は『『恋愛』をさせてあげたいの』と言うけれど、僕はその母上のやり方が好きではなかった。
だから、僕は君を諦めるしかないと思った。
君はあの場所で働いている時、生き生きとしていた。
でも、この王宮で見る君の雰囲気はとてもあの時とは違う。
僕は君の自由を奪うものは、限りなくゼロにしたい。
だから僕は君から離れる。
その前に君の名を呼ばせて。
少しだけ触れさせて。
そう願った僕に戸惑いながらも、名を呼ばせてくれて、手に触れさせてくれた。
忘れないように。少しだけぎゅっと力を込めた。
痛かったらごめん。
そうして僕は君の前から去った――――
――――でも、もしも叶うのならば君と『恋愛』をしてみたい




