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数十分間の恐怖


新年号が『令和』となりました。おや、作者にも『れい』が入ってますね。


それは、突然訪れた。



――ドンドンドンドンッ!


「いるなら出てこい!!」



仕事のない日、エルに勉強を教えていた時だった。突然ドアを強く叩く男の人の声がしたのだ。驚いて悲鳴などを上げなかった私とエルは凄いと思う。



「バルオン!いるのだろう!出てこい!」



家名を呼ぶ声がするけれど、あんな風に乱暴にドアを叩く人の場所へと行ったら、何をされるか分からない。

私ゆっくりと、エルの側へと行くと小声で話しかける。



「エル。帰るのを待つからしずかにね」

「うん」



私達は、何度も叩かれるドアの音と呼ぶ声に耐えながら、帰ってくれるのを待った。










数十分たっても終わらないことに、怖さを感じてくる。どれだけの執念があるんだ。なぜ返事がないのに帰らないのか。



「おねぇちゃん……っ、」

「大丈夫、大丈夫」



ゼイラルさんとジャルが来たときは、力強かったエルだったけど、さすがにここまでの恐怖は味わったことがない。震えだしたエルの体をより強く抱き締めた。



「―め―――さい――ニー――――!!!」



ドアを叩く音に混じって、叩く男とは違う声が聞こえた気がする。その声が聞こえてから、ドアを叩く音と声はやんだ。仲間でも来て、何か悪巧みでもしてるんだろうか。

そのときは、全力で魔法を使って――



――ドンドン!!!

「大丈夫か!嬢ちゃん!弟君!」



私の逃走するための考えは途中でやめることになった。



「この声って……エル。たてる?」

「う…ん!」



聞き覚えのある声が何度も必死に声をかけてくるので、私はいまだに恐怖を残したままのエルを立たせてドアへと向かった。本当は部屋に残した方がいいと思うけど、1人は心寂しいから余計に恐怖を倍増させるかもしれないから連れていくのだ。



「――嬢ちゃん!弟君!」

「う、るさいです」



一言目の声が変になっちゃった。私もそれなりに怖かったんだ。



「無事か!」



私の声を聞いて、聞き覚えのある声――ジャルがいまだ必死な声で話しかけてきた。



「ぶじ?いのちはぶじですけど、こころはぶじじゃないです。とりあえず、ジャル。あやまってください」

「すまない!悪かった!」



思っていることをひと思いにいい、『謝ってほしい』というと、心から謝っていると分かる声で、謝ったジャル。



「エル。ドア開けていい?」

「……ジャルが、かわいそうだから、あけてもいい」



ジャルの言葉に心からだということが分かったからエルに開けてもいいかと聞いた。


きっとまだ、さっきまでこのドアを強く叩いていた人は近くにいるはずだから。


エルは『ジャルが可哀想』でと人のせいにしてあけてもいいという。


まだ、エルは恐怖を残しているけど、恐いことが、怖いことを終わらせるために、『ジャルのせい』にしてドアを開けてもいいと言ってくれたのだ。


私はゆっくりとドアを開けた。



「嬢ちゃん!弟君!」

「うっ!」

「ぐぅぅ!」



ジャルは私とエルの姿を確認するとしゃがんで抱きついてきた。そんなことされたら……私達……



「はなしてー!」「はなせー!!」



私はお父さんとお母さんの……を思い出すからすごく嫌で、エルは動くことを制限されるということを嫌がり、怖さなどよりも抱きつかれたことで、ジャルの腕の中で暴れまくった。

ある意味では恐怖を消せて良かったとおもった。けど、早く離れて欲しいから、全力で離れることに専念する。



「な、ちょ!はなす、か、らぁぁぁぁっ!!!」



ジャルは股間を押さえて痛そうにしている。暴れている最中にエルの踏みつけの後に、私が踏みつけてしまったのだ。


私とエルは痛さを知っているからか、



「ごめんなさい!」「ごめんさい!!」



と、すぐに謝った。



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