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好物はじゃがいも


いつも朝ごはんを作り始める時間まで一時間以上もあり、夜の寒さも少し残し陽が顔を出しきった、早朝。



――ザッ、ザッ、ザッ。

「ん、!んしっ!んっしょっ!」



一昨日(おととい)まで育っていた作物は、エルと2人がかりで全て収穫し終えており、今日は次の作物を植えるために、土に肥やしを混ぜながら家の裏にある畑を1人で耕していた。

そんなに広い訳じゃないから大丈夫だし、魔法で重いものを軽して~って重いクワを持てるようにしたから、疲れてない。


平民でも自分で作るのは花くらいだけど、おばあちゃんとおじいちゃんは何かを育てるのが好きで、家の周りはほとんど一度、掘り返したあとがある。

つまり、農民のように食べ物を育てていたのを私が2代目となって、畑を継いでいる!あ、『引き』継いでいる。



――ガタン。ギーッ。

「おねぇちゃん…おはよぅ」



エルと2人で寝ている部屋の窓が開いて、台に乗っていてようやく窓から顔を見せることの出来る高さになった、寝起きのエルが顔を出だした。



「うん。おはよう、エル。起こしちゃったよね?」

「うん。でも、おねぇちゃんならいい。かおあらってくる」



可愛い事を言って顔を洗いに行ったエル。『おねぇちゃんならいい』と言ったんだよ!寝起きのエルが!可愛すぎて興奮し過ぎたせいで、土まみれの手で顔を触ってしまった……私も後で顔を洗わなきゃ。



「おねぇちゃん!ぼくもてつだいたい!」

「いうとおもった。なら、暗い色の土に、そこのふくろに入った明るい土を、同じくらいにまいてくれる?」



暗い土は耕してない土、明るい土は肥やし。



「わかった!」



エルは肥やしを両手に溢さないくらいの量を取ると、土に撒いていく。

最初の頃は土遊びをやめられなかったエルだけど、大好きな『じゃがいも』が育つと聞いて遊ぶことをやめ、丁寧にやるようになった。


この国は季節が2つしかないから、作物が育てやすいっておばあちゃんはいっていた。

おばあちゃんの国では4つの季節があるらしいし、その季節だけのハナもいっぱいあるんだって。

大人になったら、エルと2人で行こうと約束してる。



「おねぇちゃん!こやしなーい!」

「……分かった!今、持ってくるから待って!」

「うん!」



どうやらエルは『肥やし』という単語を覚えていたようだ。そうだったね。じゃがいもが好きだから、それに関わることは好きなもののためってことで覚えるよね。うん。


それをどうして他のことを覚えるためにも使えないのかな?はぁ。でもいずれは直ると思うしいっか。



「はい、エル。まくのよろしく」

「はーい!」



作物を植えるところを踏まないようにして、肥やしを撒くためにいったり来たりを繰り返すエルと、土を耕す私の行動は、エルのお腹が空いたお腹の音で終わりとなった。


頑張ったエルに、ポテトサラダを作ってあげた。

エルは喜んで、どのおかずよりも先にパクパク食べ始めるのを見て、私も作って良かったとおもった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



今日は、えいぷりるふーる

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