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出来上がった靴

あらすじに1話あたりの文字説明追加。


キーワードに『王族・貴族・平民』を追加。


ナディが店の奥から、エルの靴を持って戻って来て最初に発した言葉は、スンさんとバンナさんに関しての謝罪だった。



「妻と娘がすまない」

「大丈夫です」



今はもう店の奥から言い争う声はしない。ここはお店だからナディさんに怒られて、2人とも家に帰ったのかもしれない。



「あのふたりなかわるいの?」



エルはナディさんに2人が仲が悪いのかと問うが、仲が悪いようには見えなかった。



「いや。そうじゃない。あれも一種のコミュニケーションだ」

「へぇー。あ!それぼくのくつ?」



エルは納得したのだろう。ナディさんが手に持っている青色の靴に視線を移した。



「あぁ。履いてみてくれ」

「おねぇちゃん!」

「はいて良いって」

「うん!」



ナディさんの言葉にエルは、私の腕を引っ張ると本当に履いてもいいのかと確認を求めた。

いいと言うことを伝えるとエルは今はいていたサイズの合っていない靴を脱ぐと、ナディさんから手渡された青色の靴を床におき、ベルトを緩めてからしめて、履いた。



「わー!ぴったり!」



エルはジャンプしたり、私の周りを走り回ったりと履き心地を確かめてる。私の周りを走ったのは、商品が並んでいて倒したらいけないと理解してるから。エルもエルで、普通の4才児ではない。



「よかったね。エル」

「うん!ありがとー!おじちゃん!」

「ありがとうございます」

「あぁ」



エルは私の言葉を聞いて、靴を作ってくれたナディさんにお礼を言った。私も言っておく。



「さ。そろそろ陽が暮れる。帰った方がいい」

「はい。そうします」



陽が暮れるのも計算して来たから大丈夫だけど、早く帰れるなら早く帰った方がより安全だよね。



「エル。くつはいていく?」

「うん!まえみたいになくしたくない!」



私はエルの意思を確認して、元々履いていた靴を鞄の中にしまう。



「そうだね。それじゃあ、ナディさん。さようなら」

「バイバーイ!」

「あぁ待て、レイヴン。これ」

「これは?」

「帰ってから読め。……字は読めるよな?」

「はい」

「じゃあな」



ナディさんから折り畳まれた髪を貰った。読めってことはなにか書いてあるんだろうけど、今は帰る方が重要だから、紙は鞄にしまう。

別れの言葉を告げると、私達は店の外へと出ていった。


水色の空に夕焼けのオレンジ色が、空を彩ってる。



「おそら、きれいだね。おねぇちゃん」

「うん。そうだね」



私とエルは手を繋ぎ、シャローヌを後にする。と、私はある馬車に目がいった。



「あれって……」

「どうしたの?おねぇちゃん」

「ううん。なんでもないよ。行こ」



私が見たのは、この国の紋章が入った馬車だった。紋章の入った馬車に乗れるのは、王族と呼ばれる人たちだけ。

つまり、あの中にはこの国の偉い人が乗っている、もしくは待たせてるってことだ。


私とエルは馬車の横を通りすぎるように、道を通った。狭い道じゃないから馬車までは距離があったけど、人通りが少なくて馬車と私達だけって感じだった。



――ガタッゴド!



通りすぎる瞬間、馬車の中から何かをぶつける音がした。……大丈夫かな?とは思ったけど、歩くスピードは落とさずにその場所から去り、家へと帰った。



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