真意。友達とは
15万文字……
ロットがエルを連れてきた後は、エルがさらにロットを嫌いになったこと以外は、いつも通りの生活時間を過ごしたその日の夜。
隣で寝ているエルの寝息が聞こえるのを確認して、私は廊下の縁側に出た。
「・・・」
私はロットがなぜ、私にケガをさせたとエルに言っていたのかを1人考える。
ロットは自ら嘘をエルに言った。それで喜ぶ人はいないのに。
むしろエルがロットに怒りを抱いてしまって、さらに嫌われている。
だとしたら、進んで嫌われにいったともいえる……なんのために?
「・・・」
【お悩みかしら?】
考え事のために1人座り込んでいた私のそばに、ミキオがやってきた。
「ミキオ。エルの側にいなくて良いの?」
【この家の中にいる間は安全だって知っているから大丈夫よ】
ミキオはそういうと私の隣に座った。
【何を悩んでいるの?レイヴンちゃんは】
「ミキオ。夕方にあったロットとエルの会話って覚えてる?」
悩みを打ち明ける前に、私は影から2人の会話を聞いていたであろうミキオに質問した。
【学園であった2人のやりとり……覚えているわ。だってミシュエル君。凄く怒っていたんですもの。『おねぇちゃんにケガさせるなんてやっぱりきんぱつは悪いやつだ!』って】
『やっぱり』って言っていたエルの言葉も気になるけど、私はミキオに勘違いであると伝えた。
「それ。逆なの」
【逆?…そういえば、王子に聞いていたわね。『どういうこと?』って】
「私がロットにケガされさせられたんじゃなくて、私がロットにケガさせたの。私を助けるために」
【レイヴンちゃんを助けるため?。何があったのか教えてくれる?】
私はミキオにロットが来てからあった出来事を全て話した。私が悩んでいることも。
【確かにそれだとレイヴンちゃんが、王子にケガさせたことになるわね・・・。私の考えだけれど、王子はミシュエル君に心配をかけるかもしれないっていう貴方の性格を読んだんじゃない?】
「心配」
確かに私ならエルに心配をかけたくないと無理にでも笑ってエルと接すると思う。
でも、エルの前で心の痛みの感情を隠すことは無理かもしれない。
【落ちたときの衝撃でレイヴンちゃんはとても普通の状態じゃなかったんでしょ?そのままミシュエル君に会ったら、心配されるでしょ?】
「・・・だからロットは自分のせいにして」
エルからの私に対する心配を『私が無理して』ではなく『ロットがケガをさせて』ということにした。
【王子はレイヴンちゃんの良き理解者ね】
「…うん。そうだね」
理解が過ぎるって言葉があるけど、私はその方が今は嬉しいと思っている。
「ロットはいい知り合いだよ」
【え?そこは友達なのじゃないかしら?】
「だって友達になりたいなんて言われてないよ?」
【レイヴンちゃん……友達とは何かを学園で学んできた方が良いわ】
「え……そこまで?」
【えぇ】
ミキオは全否定するようにそうだと答えた。
・・・『友達』って友達になろうよって言ったらなれるんじゃないの?
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