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寄るな危険




【レイヴン!!!】

「イズミ……」

【うぅ……ごめん!ごべんね!だすげられなぐでぇ~~】



私の影から出てきたイズミは私の膝の上に乗り、前足を胸元に起き泣きついてきた。

突然の号泣を見せられたことで少し気が紛れたのか震えは収まりを見せた。


イズミはこの数年で『さん付け』が取れていた。



【ほんどはね、ぐすっ、助けだかった……でも、王子がいて……出来ながった】

「ロットがいて?」



どうしてロットがいたら出てこれないのだろう…?という疑問はすぐにイズミから話された。



【うん……オレ達『影』は王族の魔力が、2人以上混じると変化しちゃうんだ】

「変化?」

【魔力が未熟な王子に魔力を貰ったら、魔物になっちゃうから……】

「え?」

【触れられただけでも駄目だから出てこれなかったんだっ!】



魔物になる?それは凄くまずいことだ。イズミ達影はその危険性の中で動いていたということになる。


でも……ロットも知っていたはずだ。私に影がついていることを。



「ロットはその事知らないの?」

【あ……】



イズミは今気付いたという反応を見せた。



【で、でも!誤って触られたら危なかったし!】

「まぁそうだね」

【だよねっ!】



誤って触られたら危ないのは分かったから同意した。でも。



「でもなんでそれをもっと早く教えてくれなかったのかな?イズミ」



私はイズミを少し問い詰めるように聞いた。



【え…っと。ほ、ほら!レイヴン、王子とか王様に会わないでしょ?だから言わなくても、会う前に言えば良いかなって!】

「またまた会ったら危ないよね?」

【う……】

「それこそ誤って触られるんじゃない?」

【……ごめんなさい……反省してます……】

「他に隠し事は?」

【ないです】



イズミは反省し、隠し事は他にないという。



「ロットがいつ戻ってくるか分からないから、すぐに影に戻ってほしいけど……もう少し抱かせて?」

【もちろん!どうぞっ】



私はロットがエルを連れてくるまでイズミを抱きしめた。



【あ。来た!】



イズミのその言葉はロットとエルが来たことを意味した。


エルが私を呼びながら駆け寄ってくる間にイズミは、



【じゃ!オレ入るね!】

「うん」



影の中へと入っていった。



「おねぇちゃん!!」

「エ――」

「きんぱつになにされたの!?ケガは?!なおしたっ?もういたくない?」



エルと名前を呼ぼうとした私の言葉は発せられることなく、エルの泣いてはいないが、涙ながらの問いかけを受けた。



「えっと……エルは、ロットに何言われたの?」

「おねぇちゃん待ってたら、きんぱつきて。きんぱつがおねぇちゃんをケガさせたって……だからおねぇちゃんが来れないのはきんぱつのせいだって」



むしろケガをさせたのは私の方なのにと混乱しかけた。

そこに少し遅れてやって来たロット。



「レイヴン。ミシュエル君は無事に送り届けたから」

「ロット。どういうこと?」

「……またね」



私の問いかけに答えることなく、なんの説明もせず、ロットは転移の魔法で去っていってしまった。


話す時間くらいはあったはずなのに……



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