落下
話を聞き終えたロットは複雑な顔をしていた。
「そうか……」
「まだ王子のお嫁さんになれるっていう話は続いてるよ」
「王家は別に聖女と結婚するのが絶対ではないけど……はぁ。だから彼女達は身の丈話を散々してたんだ」
「知らなかったの?」
「僕は知らなかったけど、神殿側は知っていたかもしれない」
「そうなんだ」
王家の人って街の噂話が入ってこないんだと思った。
だとしたら今回伝えられたのは良かった?のかもしれない。
「帰ったら陛下…父上に相談しなければ……弟達が心配だから」
「え?ロット。弟いたの?」
ロットにも弟がいただなんて……まったく知らなかった。
「あぁ。知らなかったの?」
「ごめん……国の王様とその次の王様を知っていれば良いかなって……」
「いや。レイヴンらしい」
生活に必要なことしかあんまり学んでこなかったから。
「学園に入ったらその辺をちゃんと学ぶね」
あの学園なら図書館とは違ったことがいっぱい学べそうだし。……人間関係の方は少し辛いけど。だってほとんど貴族の子だから。
「学園?……今の時期に入学するの?」
「うん」
「・・・だったらあと1年待ってから高等部に入った方が……いや。『6年生の間で上位成績優秀者なら高等部からの学費が半分免除される』…それを狙って?」
「よくわかったね」
私の入学時期に疑問を持ったロット。でもすぐに私の考えていたことを言い当てた。
グロウス学園は知識あるものには色々と手助けしてくれる。特待生制度が良い例だ。
「今までの会話から、必要のない所にお金は使いたくないという性格だと理解しているから」
「そんなに話したことないのに…観察力があるんだね」
「……王太子だからね」
「そっか」
王様になるために必要なことなのかもしれないなと思った。
ふと。私は時間が気になり懐中時計を見る。
「あ。そろそろエルを迎えに行かなきゃ」
私としたことが時間を忘れる所だった。
小雨を降らせていた魔法は時間経過でやむから放置しても大丈夫だ。
「僕も帰るかな」
「長靴は置いていってね」
「あぁ」
私とロットは2人でクワを持って、履いていた靴のある場所へと向かう。
あ。屋根が剥がれかけてる。なおさないと雨漏りしちゃう。
剥がれかけていた屋根の存在を知った私は、屋根をなおすため魔法で浮かんですることにした。
「ロット!このクワ持ってて」
「どうしたの?」
「屋根なおしてくるから」
「分かった」
ロットにクワを渡したので魔法で浮かぶようにイメージ――
「浮かん――――っっ!」
――ふわふわと浮かぶイメージをしたはずだった
「――レイヴンっ!!!」
しかし私の体は浮かぶどころか高く舞い上がり、すぐに降下が始まった。
この感覚は、『あの時』の
私はひどく動揺した。
今味わったものが、両親と祖父を失った時に味わった馬車の落下した感覚に似ていた。
私は魔法で着地しなければ地面に叩きつれられるという状況で、魔法を使えなかった。
ただただ目の前が暗くなっていく。
――――ドサッッ。
私は落ちた。
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明日は番外編です。
AM7:00投稿です。




