成長期
ロットと畑仕事してから数時間。
「ふぅ……これは全身運動だね」
「うん。そろそろ何か飲んだ方がいいけど……水しかないけどいい?」
「もらうよ」
「待ってて」
私は家の中へと戻り井戸から水を汲みコップに注ぐと、そのまま畑へ……ではなく、部屋の窓から渡すことにする。
「ロット~!水~!」
「あぁ!」
ロットは受け取った水を一気に飲み干すと、
「もう少し耕してくる」
「うん?ありがとう」
と言って畑へと戻っていく。
私はそんなロットの行動にありがたくもあり、進んでやるほど耕やすのにハマったのかと思った。
畑へ戻った私は、水撒きの準備をする。と言っても範囲を確認するだけだけど。
「ロット。そろそろいいよ」
「分かった」
ロットから耕したゾーンから抜け出すのを見てから私は魔法で水を撒こうとするが、少し恥ずかしい。
「小さな雲海降れ降れあめちゃん」
ぽつぽつと畑の場所だけに少雨が降る。
それを横に来て見ていたロットの表情は、唖然。理由は分かってる。
「・・・そんな唖然としないでよ」
「すまない。その、言い方が、珍しかったから、つい……」
「これが1番イメージしやすかったの。雨降れってイメージしたらこの辺一帯に降っちゃうから大変だったし」
「それは……大丈夫なの?」
ロットは心配?してくれた。
いや。言葉は心配してたけど、表情はすっごい驚いてたから心配していたとハッキリと言えない。
「最近イメージが安定しないけど、成長期には良くあることだって、本に書いてあったから大丈夫だよ」
そう言った私の言葉にロットがかえしてきた答えで、何故ロットが驚いてたのかが分かった。
「確かに僕も安定しない時期はあったが、魔法の使用範囲が縮小ではなく拡大することがあるのは聖女だけだと……レイヴン。君は聖女適正試験を受けなかった?」
「・・・」
ロットの知識には聖女だけが成長期に魔法の使用範囲が拡大すると知っていたから驚いていたのだ。図書館の本にはそこまで詳しくは書いてなかったから知らなかった。
しかし。本人の前で何故聖女適正試験を受けなかった理由を言って良いのかなと少し迷ったけど、ロット自身が1番良く理解してると思いハッキリと言うことにした。
「あれは王子のお嫁さんを決めるものでしょ?
私が行ったときも聖女の確認する人より、子供を王子に売り込むために行った人の方が多かったし……それに聖女になったら生活を神殿でしなくちゃいけなくなるし。私にとっては全然メリットなんてほとんどなかったよ。だから私は、行ったけど受けなかった」
聖女じゃなかったときのお金が貰える以外はね。
「……行ったのに受けなかったの?」
「うん」
「それはどういうこと?出来れば教えて欲しいんだど――」
私は質問され続けると思い、あの日のことを全て話した。
……ちゃんと最初からお金目当てだったということも伝えたよ?
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