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耕して耕して


「レイヴンはこれから何かしようとしていたの?」



気持ちも落ち着いてきたのか失踪の件が解決した後ロットが、何かするのかと聞いてきたので、



「畑仕事だよ」

「畑……あ。だからズボンを履いてたんだね」

「そ。ワンピースだと色々動きにくいから」



ワンピースの方が動きやすそうだけど、裾が地面について立つ時に踏んだりして転んだりする。それを気にしなくていいズボンの方が動きやすいのだ。



「……ズボンの姿も似合ってる」

「畑仕事に似合うも似合わないも関係ないけどね」



私が重要視してるのは『動きやすさ』と『風通り』が良いやつっていうのだけだから、例え似合ってなくてもいいの。



「そう……だな……。僕も手伝っていい?」

「えっ?ロットが?」

「うん。僕が」

「服、汚れるよ?」



いや。服が汚れる以前にロットは王太子だ。やらせてもいいのだろうか……

でも、前に食器洗いもやってるしロット自身がやりたいと言うのなら…大丈夫だね。うん。

怒られるのは、きっとロットだし。



「大丈夫。グロウス学園の制服は汚れがついても水洗いで落ちやすい繊維を使ってあるから」

「詳しいね」

「制服をそうしようと発案したのは、王族だから」

「そうなんだ……なら、お願いしようかな?」



こうして私はロット共に畑仕事をすることになったので、ドアを開けた。



――ガチャッ。



畑に入る前にロットに、おばあちゃんの履いていた畑仕事用の靴を履かせた。



「これは……?」



あ。そっか。この国にはない靴の素材で出来てたんだった。



「ゴム?で作った長靴って靴なんだって」

「ゴム……」

「木から採れる樹液で作ってあって、水を弾くんだって」

「確かに。隙間がないね」

「でもずっと履いてると汗ばんでくるから……そこだけが畑仕事やるときに嫌いなとこ。中洗うとそのあと乾きづらいし」



魔法使って洗いたいけど、中がどうなってるのかちゃんと見えないから手でやってる。

それに前に1足全部魔法で出来ると思ってやったら、乾かすときに乾きすぎたみたいでひび割れして、穴が開いちゃったりかけたりした、嫌な思い出があった。



「隙間がないとそうなるんだ……」

「畑と雨の日には役立つよ」

「そのゴムの木は…この敷地にあるの?」

「ないよ。ジメジメしてるとこじゃないと育たないんだって」

「湖や川のほとりならあるかな?」

「知らない。この長靴はおばあちゃんの国から持ってきてたやつだから」

「そっか…」



ゴムの木はこの国にはないとおばあちゃんは言っていた。

でも、無いだけで育てられるかもしれないとも言っていたことを一応ロットに伝えておいた。



「それじゃあ、ロット。このクワで耕して……出来る?」



王家……というか貴族全般で畑仕事してる人があまりいないからな出来なくても仕方ない。



「意味ややることは分かるんだけど、やったことはないから、出来れば手本を見せてほしい」

「まずは――」



私は肥料を撒きながら耕し方をロットに教えていく。


――ゴロゴロ、コロコロ、サラサラと耕していく……


耕して……


耕して。。。



「そろそろやってみてくれない?」

「あ。すまない。勇ましくて……」



勇ましいって……



「畑耕してるだけなのに、勇ましいなんて言われるとは思わなかったけど、褒め言葉だよね?」

「もちろん」

「ならいいや」



そしてようやくロットが耕し始めた。


うん。なかなか筋が良い。続けてやっていけば私より上手くなりそう。



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100話越えると投稿するときの表示が二ページ目に行くんですね。

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