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聞いた話に唖然とした。


私に踏まれた足の痛みが引いたのか、ロットがしゃべりだした。思ったよりも早かった。やっぱり身体強化をかけてないと、女の力じゃそこまでの痛みは与えられないみたい。



「レイヴン……その。すまない」

「何に対して?」



自覚はあるから謝ってるんだろうけど、ロットが反省してる部分ははっきりさせておかないと。



「いきなり抱きついたことに対して」

「風習ではないんだよね?」

「風習?」



抱きついたのは風習ではなく、ロットの意思でしたことだと分かった。風習だったら謝まるんじゃなくて、説明するもんね。



「何でもない。それで?何で急に抱きついたのか。教えてくれる?」

「……今日いや、さっきか。学園で聞いたんだ」

「何を?」



抱きついた理由はグロウス学園で聞いたからだと言うロット。

私はロットが聞いた話に唖然とした。



「下級生で特待生の()()()()が失踪したって」



グロウス学園の上級生にまで話が届くのが早すぎだという驚きと、なぜ『エル達』が『私』個人になったのかという驚きがあったのだ。



「僕の知り合いの中に『特待生』で『姉』のいる『下級生』は1人だけいた。だから詳しく話を聞いてみたら、やっぱりミシュエル君の姉であるレイヴンの事だと確信した。見つかった後だと知った時、レイヴンの捜索に協力出来たかもしれないと、そう思うと悔して。……せめて無事なことを確認したいと、理事長に一言つげて学園からここまで飛んできた」



つまりロットは私が心配で転移の魔法まで使って会いに来た。と。それにシンデレルに一言って……何て言ってきたのか気になるし、シンデレルから何か手紙が届きそうで。下手したら来そう……


それにしても……転移の魔法まで使われるほどロットと親しくなったつもりはなかったんだけど・・・

貴族以外の知り合いだったから気になったのかもしれない。



「それで、レイヴンの顔を見たら無事でよかったと、ちゃんと実感したくて……抱きついてしまって…。本当は顔を見るだけにしようと思ったんだ」

「そっか。でも急に抱きつくのはやめて」

「すまない」



急に抱きつられると、あの日の悪夢がよみがえってくるので絶対にやめてほしい。

そろそろ畑仕事をしたいから話を終わらせるため、反省をしているような雰囲気を纏ったロットに、私は本当のことを教えた。

もちろん嘘のないように。



「それと。ロット。その話は違うから」

「……違う?」

「私じゃなくて、エルとその友達がいなくなったの。私は捜索に加わって、見つけたのが私」

「……レイヴンじゃなかったんだね」

「そう」



私の言った本当のことにロットは安心したと言うと思ったが、そんなことはなかった。



「…ミシュエル君が無事で良かった」



ロットは失踪したのが私じゃないと知って最初に発したのは、エルの心配だった。

私だけを心配したんじゃなくて、『失踪した子』を心配していたのだと思うと民想いの王太子だなと、将来王になるにふさわしいと尊敬念をロットに少し抱いた。



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