訪問者に…
翌日。
疲れて眠ってしまったエルは、昨日の食べれなかった分を身体に入れようとご飯いつもより多く食べ、私がエルを学園へと送り届けた。
食べすぎて動けないと言われたときは、いっぱい食べてくれたがこうなっちゃったら……と少し苦笑いしてしまった。
そのあと私はエル達の失踪で心配をかけてしまった人達に、無事に見つかったことを言いに周り、昼食後からの畑仕事に向けズボンとシャツに着替えをしていたその最中。
――コンコン。
と、ドアのノックする音が聞こえたので急いで着替える。
キッチンの窓が少し開いていたので私の足音が聞こえたのか、訪問者が私に話しかけてきた。
「レイヴン。いる?」
この声は。
「ロット?」
「うん」
ロットと話すのは王宮に呼ばれて以来だ。
私は話をするために開けようとしたが、ドア越しにロットと会話する。
「どうしたの?」
「その前に……開けてくれない?会って、話をしたい」
「・・・ちょっと待ってくれたら開けるけど……待てる?」
「待つよ」
待ってくれるというので、私はその場でシャツを脱ぎもう1度着直す。急いできたから裏表逆に着てしまっていたのだ。
ドアを開けようと腕を伸ばしたときに内側にボタンが触れて気がついた。
さすがに裏表が逆の状態で人の前に出るのは恥ずかしすぎる。
私はシャツを直し終え、ズボンもちゃんと履けているかを確認してからドアを開け、ロットと顔をあわせた。
久しぶりに見たロットの顔の位置がまた上に上がっている。つまり背がまだ伸びているのだ。
やっぱり男の子と身長が同じくらいには身長は伸びないか~と思っていた時だった私は、ロットの行動に反応が遅れた。
「レイヴン……」
「!!!」
ロットが私に抱きついている。
突然のことで驚くが、私の顔はロットの服に埋まり喋ることがままならない。甘い匂いのする服だなと思ったが、そんなことをしている場合じゃない。
ふぅーーー。
私は心の中で覚悟を決めた。
一応ロットはこの国の王太子なのだ。ケガをさせることは本来あってはならない。
けど、今は非常事態。本当にケガをしたらなおしてあげればよいと、私は思いっきりロットの足先を踏みつけた。
「んんっ!!」
「いっっ!!!」
痛みの反動でロットが後ろによろけたので、私はロットに背を向け急いで家の中に入り鍵を閉めた。
そして、家の中から大声でロットに、
「いきなりなにするの!!」
と言い放った。
いきなり抱きつかれるのは2度目だ。
もしかしてこの国には知り合いに出会ったら抱きつく風習でもあるのだろうか?だとしたら私の無知が招いたことだから謝るし、私も今度からそれに習って、抱きつくようにする。
でも、抱きつく風習はこの国にはないと断言できる。
もしかして王宮の風習??いや、だとしたら3年前に気づいてるはず……
私はロットがなぜ急に抱きついたのか理解できず、ただただロットが喋り出すのを待った。
痛みが引くまでは無理だと思うけど……
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