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伝説の鬼ごっこ

作者: 岩崎星空羅

「ふわぁぁぁ」

んー。今日もいい天気♪

初めまして!高川日菜です☆道栄高校に通うごく一般の高校1年生です。

学校でも、イジメはあるけど私はいじめられてないし、毎日楽しいです♪

…でも、私のかよう学校の七不思議…。ひとつだけ怖いのがあるの。

部活の先輩に聞いた怖い七不思議…。

職員室がある校舎の2Fトイレにある窓側から数えて2番目の鏡に時々映る鬼の面。

その鬼を見ると、食い殺されるっていう話…。

先生も数人いなくなったっていう話しだし…、職員室のトイレには入らないようにしてたんだけどね…。

最近鬼が消えたらしいって…。それで私たち1年生が利用するトイレの鏡に出てくるようになったとか…。

男子トイレか女子トイレかは明確じゃないんだけど、最近学校を辞めたという高2の英語担当の先生が消息不明になったんだって…。

先輩たちがいる2Fのトイレにわざわざいくこともないし、もう高校生だから七不思議なんて通用しないから、別に気にしてなかったんだけどね?

最近、隣のクラスの女の子が消えちゃったの…。

幼馴染の、沢崎隼人に聞いたら、授業中にトイレに出たまま帰ったこないから心配したんだけどサボったんじゃないかってことで片付けられたんだけどやっぱり…まだ帰ってこないの。



「…オハヨー!」

「はよ。朝からハイテンションかよ、ついてけねぇ。」

隼人と一緒に登校している。友達がいないんじゃないかって思われるかもしれないけど

この辺の地域に友達がいないの。だから、仕方なく隼人と。

…でも隼人怖いって言われてるけど(女子の間じゃ)、もしかしたら…。

前中学のときに、痴漢にあったんだ、夜。そのことを親に打ち明けられずに困ってたら、隼人が聞いてくれたの。それでちゃんと…つかまったの、痴漢が。

帰り道とか部活でも待っててくれるし…。ちょっぴりかっこいいかもね。



◇◇◇

「ひ、日菜!!た、た…大変なことが…。」

帰り道隼人を待っていたら、猛烈な速さで隼人が帰ってきた挙句何かを言う。

「ど、どしたの?お、落ち着いて!」

「今日、岡田が帰ってきた…。でもなんだか変で、自分の席に座ってぶつぶつ唱えてる。で、あいつと仲良かったやつが心配で声をかけたらしいんだけどよ?そしたらそいつがおかしくなって…。で、岡田は普通に戻ったってわけ。で、仲良かった井川が変になったからそいつには近づくなよ?」

途中から変になってるよ、隼人?

岡田って言うのは、隼人のクラスメートで鬼に食われたっていう子。でも戻ってきたんだったら安心♪

「…近づくなよ!?」

「う、うん。」

ようやく落ち着いた隼人とスクバを持って学校を出る。

ココから悲劇なの…。


電車に乗っていると、なんと井川さんがいたわ。おとなしそうに電車の席に座っている。そしてなんだか不気味な真っ黒な本を片手に隼人の言ったとおりにぶつぶつと何かを呟いてるの。

井川さんに気づいた隼人は私に小声で言った。

「絶対近づくな?移動しようぜ、車両。」

「分かった…。」

でも、なんとなくかわいそう。でも、好奇心をもって近づいたら隼人に…。

私たちは2両ほどはなれた車両へと移動した。

ちょっと安心して隼人と話していると…。

なぜかさっき座っていた位置と同じ位置に井川さんが―――――――。

普通、移動してきたときはドアの重い感じの音がなるじゃない?その音が聞こえずに気が付いたら…。

しゃべっている隼人の横腹を軽くつつく。そして目線で合図して井川さんの存在を知らせる。

隼人に手を軽く引かれる。移動をしようとしたその瞬間。

―――――――私たちの最寄の駅まできた…。

「降りよっか。」

そういって降りた。

プシューといってドアが閉まる。よかった、これで井川さ―――――――。

たまたま後ろを振り返ると井川さんがいた。

相変わらず不気味な本を手に持ち、ぶつぶつ何かを唱えながら―――――――。

本気で怖くなった私は、歩くペースを速める。それに、気が付いてくれた隼人も早めてくれるんだけど…。

井川さんと距離が開かない―――――――。

私は催眠術にかかったかのように、ひたすら歩いた。

あと少しで家だってところまで必死に。

家の前に着いた私たちはくるりと後ろを振り返る。

そこにさっきまでいたはずの井川さんの姿は見当たらなかった。

「よかったな。」

そういって、私の頭をぽんぽんとなでる隼人。

なんだかカップルっぽくて恥ずかしい。

「また明日も一緒に行ってくれるよね?」

無性に井川さんへの恐怖が募った私は、聞いた。

「もちろんだよ。お前が変なやつにかかわらないためにな。」



翌朝、隼人と一緒に登校した私が最初に見たものは、ぶつぶつと何かを唱える沙織ちゃんだった。

人だかりに聞くと、どうやら昨日井川さんに追いかけられたらしい。

それから学校では変らしい。

話しかけると染る…。

怖い、未知のウイルスが近くに潜む恐怖…。どうしよう…。

「絶対に、沙織に近づかないこと!」

沙織ちゃんたちといつも一緒にいた人たちが声を荒げる。

何で―――――――?そんな簡単に友情捨てれるなんて…。

そして、沙織ちゃんを囲んでいた人たちの一人が呟いた。

「まるで…鬼ごっこみたい…。」

オニゴッコ―――――――。小さい頃やった鬼ごっこを思い出す。

必死に鬼にならないように逃げたっけ?で、鬼は必死に人を追いかけたっけ。

本当だ、まるで鬼ごっこ…。

それで、この変な七不思議は、鬼ごっこと呼ばれた。

多分、鬼は影でにやりと笑っていたんだろう。

私には―――――――恐ろしくて笑えないことを笑う鬼たち―――――――。

岡田さん、井川さん、沙織…。

何を考えてるの?


◇◇

家に帰り携帯電話を開くとメールが10通近く入っていた。

多分迷惑メールだと思い開くとチェーンメール式のメールがたくさん入っていた。

件名はすべて『鬼ごっこのこと』だった。

内容は、

『鬼ごっこのことについて♪みんなが恐怖の鬼ごっこ。何回でも鬼になっちゃうらしいよ!!!これゎ要注意ねッ!それから、鬼の目当ては鬼を増やすこと☆だから、気をつけよう!鬼は人間を食べたいからしもべを作ってるらしいんだ!だから、物欲に負けるなぁ!by優実  −みんなに回してこの報告を広めようぜぃ!−』

…優実…。同じクラスの優実はこういうオカルトが大好きっ子少女。すぐに調べるの。

多分今回も自分の時間や身を削って調べたんだろうな…。

でも、最後の『物欲に負けるなぁぁ!』ってどういうことだろう…。

とにかく、優実の言うとおりに女子数人に回した。


「ねね、今度はるるかだって!」

…るるかちゃん?物欲って言うより、金欲に負けそうな女。正直言ってかかわりがたい人物。

名前が可愛いんだけど、ちょっと性格は危ないって感じの子。

でもその、るるかちゃんがまさか…。


今日はたまたま隼人と帰れない日…。なんだかさびしいな。

と思いながら電車に揺られる。

意外に人影はなくて静まり返る車内。

やっと最寄り駅到着!って思うと…目の前にはるるかちゃん…。

「…ナマイキヨ。ソロソロキエテ。ニンゲンナンテムダヨ。」

片言の日本語を連発するるるかちゃん。

最後に行った人間なんか無駄よっていう…言葉が怖い。耳から離れない…。

「…オニニナッテミナイ?タノシイワ。」

「な、ならないよ!!目、覚ましてよ!るるかちゃん!!!」

すると、私の声がこだまする。

…あたりを見渡すといつもは並に人がいるはずのホームに人が見当たらない。私とるるかちゃんだけ。それに、電車が来ない。

ハッとして前を振り返ると、包丁を振りかぶったるるかちゃん。

「ちょ、やめてよ!」

後ろに下がる。包丁から目が離せない。右手に包丁を持ったるるかちゃんの左手には不気味な本…。

ダンッ

フェンスにぶつかった。もう後ろには下がれない。かと言って包丁から目を放した隙にやられそうで怖い。

「鬼になったら殺さないわ。」

「…―――――――――え??」

相変わらず無表情で話し続けるるるかちゃん。

「だから、あなたが鬼になったら殺さない。」

究極の選択ね。

だから、みんな鬼になってたんだ…。

「は、隼人ー!!!!!!」

叫ぶ、ただただ叫ぶ。隼人が助けに来てくれるんじゃないかって信じてる。

「じゃあ引き換え条件。」

「―――――――――え?」

「沢崎君にあんたの想いを伝えると死ぬって言うのは?ただし、想いを伝えずに一生生きていようって言うのはなし。一週間以内に告白する立ったらよし。」

それを聞いて納得…。隼人…。

「分かった。鬼にはならない。その代わりその約束守ってよ。」

こくんと、うなずく。

私、鬼と契約したんだ…。怖いよ。一週間で死ぬなんて…。


◇◇

少しでも生きていたいから私はあの日から一週間たった日、自分が死ぬ日に隼人に告白することにした。

「…隼人?」

そういうと、隼人は姿を現した。

「…ゴメン。。」

一週間ずっと悩んで書いた手紙を隼人に向かって投げつける。そして猛ダッシュで逃げる。

「ちょ、待てよ…!」

後ろから隼人が追ってくるのが分かる。

これも…鬼ごっこなのかなぁ?

鬼ごっこの期間も少なかったなぁ。一度くらい好きって言ってもらいたかったな。。

走っていると後ろから隼人に追いつかれた。そして、思いっきり抱きつかれた。

「ちょ、隼人!?」

「すまん…。」

そういって、私の背中に激痛が走った。


隼人が日菜を殺したのだ―――――――――。


向こうで声がする。

「鬼さんだぁれ?」

一人が答える。

「はぁやぁと♪」

その声を聞けなかった一人の幼女が、隼人という鬼につかまった。

そしてまた誰かが聞く。

「鬼さんだぁれ?」

すると、にっこり笑った幼女が笑みを浮かべて言う。その手にはもちろん黒い本。

「ワタシダヨ」

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― 新着の感想 ―
[一言] ホラーとか、ぶっちゃけ苦手なんですけど、続きが気になって読みきりました! 怖かったです。 これからも頑張って下さいね!
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