辛い食事1回
これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
地獄にはまた、罪深き人間たちの魂の新たな貨物が届いた。
ヴィテリウスはいつものように、無作為に籠いっぱいの魂を選び、自宅へと持ち帰る。
本日の一皿に選ばれたのは――
ビフ・バッフォードという名の男の魂だった。
ビフは、生前に動物を虐待していた者だった。
彼は、自分の飼っていた子犬を、何の罪もないにもかかわらず日常的に叩き、蹴り、苦しめていた。
その結果、彼の魂は地獄へと落ちた。
ヴィテリウスは静かに、ビフの魂にかぶりついた。
その魂は、非常に柔らかく、滑らかな食感を持っていた。
まるで、丁寧に焼き上げられたバーベキューステーキのようだった。
歯が簡単に沈み込み、ほとんど抵抗を感じさせないほどジューシーで柔らかい。
さらに、その肉のような魂は非常に辛いソースで覆われていた。
その刺激が舌を突き刺す。
「……これは、間違いない」
ヴィテリウスはすぐにその風味を思い出した。
ハバネロソース。メキシコ発祥の、家庭的でありながら強烈な辛味を持つ伝統的な調味料である。
彼はすぐにノートを取り出し、記録を始めた。
《ケース24:ビフ・バッフォード──ハバネロ・バーベキュー型》
主な罪種:動物への執拗な虐待
味の印象:ジューシーな牛肉ステーキ、柔らかく、スパイシー
ソースの種類:ハバネロ(メキシコ家庭風)
感情の残滓:支配欲と幼稚な怒り
総合評価:★★☆☆☆(強い味だが、胸焼けを誘う後味)
この一皿が終わる頃、ヴィテリウスは深いため息をひとつついた。
「……こういう魂は、胃にも心にも重い」
地獄のグルメガイドは、今日もまた一歩、完成に近づいていく。
このエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードはすぐにアップロードします。