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最初の食事

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。


地獄にまた、新たな罪人たちの魂が届いた。今日も、魂の倉庫はにぎやかである。


「さて、今日の一皿は……」


ヴィテリウスは長年の勘に任せ、無作為にいくつかの魂を選び取る。その中で一つ、彼の目に留まったのは、ある東洋系の男の魂だった。


「ほう、李偉リ・ウェイ……毛沢東に影響された中国の政治家か。『多子多福』を掲げ、人口増加を推奨した結果、飢餓と苦しみを引き起こした、と」


ヴィテリウスは静かに魂を口に運んだ。


最初に感じたのは、意外にもやさしい甘さだった。だが、その甘みの奥には、ほんのりとした苦味と、なめらかなミルクのような後味が広がる。


「この感じ……どこかで食べたことがあるな」


ヴィテリウスの記憶が、地上の味を手繰り寄せる。——そう、それは「チョコレート」だ。中南米の古代文明が最初に味わい、その後、世界中に広まった甘美な嗜好品。


だが、李偉の魂には、それだけではない。


口の中でとろけるような濃厚な甘さが、さらに広がった。ミルク感が強く、舌にまとわりつくような甘さ。それは、キャラメルシロップのようだった。


「これは……中に詰め物があるのか?いや、層構造か……?」


ヴィテリウスは、魂の断面を観察しながら、几帳面にノートを取っていく。構造、味、質感、そして感情の残滓までも。


全てを食べ終えたあと、ヴィテリウスは満足げにうなずいた。


「李偉の魂……そうだな、ちょうどM&Mチョコに似ている。しかも、中にキャラメルシロップがぎっしり詰まった特別仕様のやつだ」



そしてヴィテリウス出生数の増加を奨励した政治家たちの魂は、キャラメルシロップ入りのM&M'sのチョコレート

のような味がすると結論した。

彼は本の新しいページを開き、タイトルを書き込む。



皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。次のエピソードも近日中にアップロードします。

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