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学校では怖いと有名なJKヤンキーのアマガミさん。家ではめっちゃ可愛い。  作者: 結乃拓也/ゆのや
第1章 【 ヤンキーとあだ名で呼び合うまで 】
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第84話 『 やっぱりキミの隣がいい 』

 その後、海斗くんたちと寄り道をしてから家に帰宅した僕は、アマガミさんと約束していた時刻より早く自宅に着いた。


「ただいまー」


 玄関先で帰宅した事を報告するように声を上げると、僕の部屋の扉が開く音がした。

 それから僕が靴を脱ぐと同時、階段から僕が帰って来るのを待っていたアマガミさんが降りてきた。


「おかえりー。思ったより早く帰って来たな」

「うん。カラオケ行こうかって話もあったんだけど、そっちは断ってきたよ」


 階段先でアマガミさんと合流し、そのままリビングに向かっていく。


「なんだぁボッチ。そんなに早くあたしに会いたかったのか?」

「当然でしょ」

「そ、そこを素直に頷かれると聞いたこっちが恥ずかしくなるだろがっ」


 照れたアマガミさんが行き場のない感情を僕に向けて発散。腕をぽこぽこと叩いてくる。

 今日は珍しく攻撃が痛くないのでやられながら彼女との会話を続ける。


「何してたの?」

「漫画本呼んでた。連撃の巨人」

「ゲームじゃなかったんだね」

「ゲームにするか悩んだけどなー。でもクーラーの効いた部屋でくつろぐっつったらやっぱ漫画だろ」

「あはは。その気持ち分かるな」


 どうやら僕が帰って来るまでの待ち時間を相当有意義に過ごしていたみたいだ。

 それならば憂いは杞憂だったようで、僕はほっと安堵の息を吐く。


「あれかな。もうちょっと帰って来るの遅い方がよかった?」


 なんとなくそんな気がして聞いてみると、アマガミさんは「あぁ?」と不機嫌そうに顔をしかめた。


「んな訳ねぇだろ。結局何するにしたって、ボッチがいないと落ち着かねえからな。漫画本呼んでる時だって、早く帰ってこいってずっと思ってわ」

「ふふっ。僕って思ったよりアマガミさんに必要とされてるみたいだね」

「う、うるせえ! 家主がいないと落ち着かないって話だよっ」

「あだっ⁉」


 照れたアマガミさんに今度は思いっ切り殴られた。結構痛くて腕がじんじんとする。

 まぁそれも照れ隠しだと分かると、可愛くて仕方がなくて痛みなんてすぐに忘れてしまった。


「チッ。ムカつくニヤケ面しやがって」

「アマガミさんに必要とされてることが嬉しいからね。だからつい笑っちゃうんだ」

「くっそぉ~。ならめちゃくちゃコキ使ってやろうかな」

「どんな風にコキ使うの?」


 興味が湧いてあえて否定はせず追求してみれば、その返答は想定していなかったのかアマガミさんが「ええと」と分かりやすく狼狽えた。

 それから彼女は精一杯考えたあと、


「じゃ、じゃああたしに美味いメシを作れ!」

「それなら今日はアマガミさんの好きなもの作ってあげるね。ちょうど明日から夏休みだし、少し豪勢にしようか」

「……ええと。あ、あと肩も揉め!」

「お安い御用です」

「え、ええと。ええと。……あ、あたしとゲームしろ!」

「何時間でも付き合うよ」

「全部受け入れるなよ⁉」


 全ての要求に首肯すると、アマガミさんは頭を乱暴に掻きながらツッコんだ。

 それからやれやれとため息を吐くと、


「はぁ。世話好きにもほどがある。どんだけ甘えさせ上手なんだボッチは」

「どの要求も僕にとっては朝飯だもん。というかいつもやってない?」

「そうだったな! ……いや待て。肩揉みはやってもらったことはない!」

「じゃあしてあげるよ」

「いやいいよ⁉」


 してもらいたいのかと思ったけど、どうやら違うらしく全力で拒否された。


「なんで?」

「なんで残念そうなんだよ⁉ 普通友達の肩揉むのなんて嫌だろ⁉」

「僕は別になんとも思わないよ」

「お前ってやっぱ超変わってんな⁉」

「むっ。失礼な。僕だってアマガミさんの肩じゃなかったら揉みません! 僕が全力で奉仕したいのはアマガミさんだけです!」

「もうそこまで来ると友達じゃなくて子分だよ⁉」

「アマガミさんの隣にいられるのなら、僕は子分でも召使でもなんでもいいよ!」

「どんだけあたしの傍にいたいんだ⁉ つかなんで下僕みたいな扱いされそうなのに、そんなキラキラとした目でいられるんだよ⁉ ドMかよ⁉」

「ドMじゃありません。ただの世話焼き好きの男子高校生です」

「ホントッにお前って超変わってんな⁉」


 ついに自分が世話焼きと認めた僕に、アマガミさんが大仰に呆れる。

 やっぱりアマガミさんといる時間は楽しくて心地いい。何時間でも話していたくなるし、傍に居たいと思う。

 こんな他愛もない会話を弾ませながら、僕は改めて彼女と共にいる時間の楽しさを噛みしめるのだった。



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