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学校では怖いと有名なJKヤンキーのアマガミさん。家ではめっちゃ可愛い。  作者: 結乃拓也/ゆのや
第1章 【 ヤンキーとあだ名で呼び合うまで 】
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第73話 『 アマガミさん拗ねる‼ 』

「くっそ。誰がやれっぱなしで終わるかっ」

「…………」

「くっそ⁉ 吹っ飛ばしてもぷくぷく浮いて戻って来やがる⁉ 丸っこいだけでちっとも強くなさそうなのに! なんで倒せねえんだ⁉」

「……アマガミさん。カ〇ビィを舐めちゃいけないよ」

「なんだその動き⁉ うぎゃあああ!」


 アマガミさんの使用しているキャラが盛大に吹っ飛ぶ。それと同時にゲーム画面には『GAMESET‼』の文字が浮かび上がった。

 10度目の僕の勝利画面に、アマガミさんは握っていたコントローラーの手をぷるぷる震わせると、その場で泣きじゃくる子どもみたく暴れ始めた。


「だああああ! 何回やってもボッチに勝てねえ! 強すぎるだろ⁉」

「経験の差があるから仕方がないよ。でもアマガミさんも確実に上手くなってきてるよ」

「お世辞なんていらねぇ! あたしはゲームでボッチに勝ちたいんだ!」


 実は、アマガミさんが今日僕の家に遊びに来た理由がこれだった。

 あまり自分の事を評価するのは好きじゃないんだけど、ゲームの腕はそれなりに達者な方だと自覚している。そして、どうやらアマガミさんはそんな僕にゲームで勝ちたいらしい。

「どうして勝ちたいの?」と聞けば、「だって強い奴倒すのって最高に気持ちいいだろ」とのこと。

 流石は狂狼のアマガミといったところか。強者を前に飢えているらしい。

 そして今は、『大激闘! スマッシュアタッカーズ』で対戦の真っ最中。ちなみに、僕の10戦10勝中だ。


「ムリだぁぁ。ボッチ強すぎ」

「狂狼のアマガミが弱音を吐くなんて似合わないよ。ほら、僕に勝つんでしょ?」

「どうせ勝っても第二形態があるんだろ」

「どこのボスだよ。ないよそんなの。僕には第一形態しかありません」


 ほら、と手を伸ばして起き上がらせようとするも、負けが続いて拗ねてしまったアマガミさんはぷいっとそっぽを向いてしまった。


「拗ねちゃった。もう、それじゃあゲーム変える?」

「変えても負ける未来しか見えない」

「じゃあこのゲーム続ける?」

「やだ。これ以上惨敗したら心が折れそう」


 これは重症だなぁ。


「じゃあゲームは一旦止めて、気分転換に本でも読む?」

「……やだ。ゲームしたい」

「なら対戦ものは止めて、RPG系のゲームやろうか」

「……うん」


 拗ねたアマガミさんがようやく頷いて、のそのそと起き上がる。彼女を打ちのめした奴が言っていいことではないけど、しょんぼりとしているアマガミさん可愛いな。

 すっかり静かになってしまったアマガミさんの機嫌を取り戻すべくゲームソフトを変えていると、不意に服を引っ張られる感覚があった。

 振り返ってみれば、アマガミさんは僕のシャツを摘みながら、口許を袖で隠しながら潤んだ瞳だけ僕に向けていて。


「……いつか絶対。ボッチにゲームで勝ってみせるからな」

「――ふふっ。うん。楽しみにしてるね」


 諦めの悪いアマガミさんからの宣戦布告を、僕は微笑みを浮かべながら受け取ったのだった。



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