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学校では怖いと有名なJKヤンキーのアマガミさん。家ではめっちゃ可愛い。  作者: 結乃拓也/ゆのや
第1章 【 ヤンキーとあだ名で呼び合うまで 】
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第55話 『 可愛いストレス解消法 』

「だああぁぁ。今日はめっちゃ疲れた」

「あはは。お疲れ様」


 放課後。やけに疲労したアマガミさんと帰路に着く僕。

 笑いながら労いの言葉をおくれば、アマガミさんはむっとした表情で僕を睨んできた。


「もとはと言えばこの疲労はボッチのせいだぞ。結局昼飯アイツを同席させやがって」

「これも慣れだよ。アマガミさんもそろそろ僕以外の友達を作るべきだと思ったんだ」

「あたしはボッチ以外要らないって言ってるのに」


 それは僕としても非常に嬉しいし、そのむくれ顔もめっちゃ可愛いけども。


「でも、同性の友達がいた方がアマガミさんにもいい事あると思うよ。実際、今日萌佳さんと話したことがきっかけで少しだけクラスの空気が変わったんだから」


 クラスの学級委員長二人に絡まれるヤンキーという図が珍しかったのか、クラスの皆が抱くアマガミさんへの印象が変わったように見られた。そこには図らずも萌佳さんを助けたと功績も加わっているかもしれないけど。


「どうせなら僕だけじゃなく他の友達も作ってみようよ。存外悪くないよ、教室で話せる人がいるっていうのは」

「なんだよ偉そうに。ボッチは嫌じゃねえのか。あたしが白縫と仲良くなって、一緒にいる時間が減ったら」

「そりゃ寂しいに決まってるよ。でも、それ以上に嬉しさが勝るかな」

「なんでだよ?」


 僕の言葉に無理解を示すように首を捻るアマガミさん。


 ――だって、いつも一人で退屈そうに教室に居たアマガミさんが、誰かと楽しそうに話してるなら、それは僕にとってすごく嬉しいものだから。


 けれどその想いを吐露することはない。そっと胸の内に秘めて、アマガミさんには「内緒」と悪戯な微笑みを浮かべる。


「なんだよボッチのケチ。それに薄情な奴だ。言っとくけど、あたしはボッチが他の誰かと仲良くしてるの見るの嫌だからな。男でも。女は特にだ」

「アマガミさん。意外と嫉妬深いね」

「自分のお気に入り取られてムカつかない奴はいねぇ。覚えておくことだなっ」

「あてっ」


 アマガミさんが僕の額にデコピンを入れる。

 それから彼女は一瞬躊躇うような仕草をみせたあと、覚悟を決めたようにそっと手を伸ばして、僕の袖を指で抓んだ。


「……今日は、その、色々あってストレス溜まってるんだ。だから、ボッチで解消させてくれ」

「僕なんかがアマガミさんのストレス解消できる?」

「何もしなくていいよ。ただ、こうさせてほしい」


 そう言うと、袖を抓む指がぎゅっと強く握られた。

 僕はそれに思わず微笑がこぼれてしまい。


「こんなのでよければいくらでも」

「そ、そうか。なら、家に着くまで、このままでいさせてくれ」


 袖から伝わってくる彼女の緊張と精一杯の甘えたがり。それは言葉には形容できぬほど胸に嬉しさを込み上がらせてくる。


「今日の夕飯は頑張ったご褒美にアマガミさんの好きなものにしよっか」

「いいのか!」

「もちろん。何が食べたい?」

「じゃあハンバーグが食べたい! あれだぞ。デミグラスじゃなくて、和風ハンバーグな!」

「了解しました。それじゃあ、食材買って帰ろうか」

「おうっ。へへ。楽しみだなボッチの手作りハンバーグ。これだけで頑張った甲斐があるってもんだ」

「これからも頑張ってね」

「それは保証しかねる!」

「……あはは。ま、ゆっくりやっていこうよ」


 夕景に染まる帰路で、僕とアマガミさんはまた少しだけ心の距離を縮めながら歩いていく。


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