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学校では怖いと有名なJKヤンキーのアマガミさん。家ではめっちゃ可愛い。  作者: 結乃拓也/ゆのや
第1章 【 ヤンキーとあだ名で呼び合うまで 】
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第39話 『 また、いつも通りの日常 』

「はい。アマガミさん」

「今日も作ってきてくれたのか」


 いつものお昼休み。体育館裏の人気の少ない日陰で今日も僕らは共にお昼を食べてた。

 そして本日も手製のお弁当を渡すと、アマガミさんはそれを受け取りながらも渋い顔を作る。


「なんか最近は毎日弁当作ってきてもらってる気がするな。申し訳ねぇ」

「僕が好きでやってることだから気にしないで」


 僕はどうやらアマガミさんが美味しそうにものを食べている顔が好きらしい。だからついつい彼女の分のお弁当まで用意してしまう。


「ボッチの作るメシは美味いからなぁ。断ろうにも断れねぇ」

「えへへ。アマガミさんがそう思ってくれるなら頑張って作る甲斐があるよ」

「……新妻の感想なんだよなぁ」


 こうでもしないとアマガミさんの昼食は総菜パンになってしまう。勿論、それが好物だからという理由なら心配はしないのだけれど、アマガミさんがそれを選ぶ理由は『お腹が膨れるから』という理由なので、僕としても彼女の健康が心配になってしまってついお弁当を用意してしまうのだ。

 アマガミさんは受け取った弁当箱を開くと、早速箸を進める。


「もぐもぐ。相変わらず美味いなぁ。今日は特にこのハンバーグが美味だ」

「あ、それ今日の自信作なんだ。豆腐を使ってるからヘルシーだし健康的でしょ」

「女子力高っ! お前ホントに男子高校生かよ。てか料理する時点でそこら辺のJKより女子だな」

「料理するの好きだからね。それに、やっぱり自分の作ったものを美味しいって喜んでもらえるのは嬉しいから」

「そ、そうか。なら全部食べないとなっ」


 アマガミさんは何故か頬を赤らめて、もぐもぐと箸を進めるスピードを速める。


「くぁぁぁ。ホントに美味ぇ。……今更だけど、今日の弁当なんか気合入ってんな。米もただの白米じゃなく五目だし」

「今日は金曜日だからね。少し気合入れてみました」

「なんだその主婦みたいな気合の入れ方は。べつに普通でいいのに」


 でも美味しい、と感想をこぼしながら食べるアマガミさん。そういう可愛い所が僕のやる気を促すことを彼女は知らない。


「……ふふ」

「んだよ。なんで笑った?」

「なんでもないよ。やっぱり気合入れて正解だったなって思っただけ」

「なんだそれ。意味分かんねぇ」


 鼻に皺を寄せるアマガミさんに僕は可笑しそうにくすくすと笑う。


「そうだ。今日ボッチの家に行っていいか。またあのゲームやりたい」

「もちろん!」

「うおっ。急に大声出すなよ。ビビるだろ」

「ご、ごめんね」


 思わず嬉しくなって過剰に反応してしまった。

 僕はぺこりと頭を下げつつ、アマガミさんがまた僕の家に遊びに来てくれることが嬉しくて自然と口許が緩んでしまう。


「なら今日の夕飯は何にしよっか。アマガミさん何が食べたい?」

「…………」

「? どうしたのアマガミさん。そんな理解不能みたいな顔して」

「事実その通りなんだよ。なんでさも当然のようにお前ん家で夕飯食べる予定なんだ」


 普通にゲームしに行くだけ、と眉根を寄せるアマガミさん。


「ボッチはあれか。世話焼き好きなのか?」

「……そういう訳ではないと思うけど」

「でもあたしに弁当作ってきたりとか、今みたくゲームしに行くだけなのに夕飯まで食べさせようとしてるよな。友達っつー関係の割には待遇が手厚過ぎる!」


 ビシッと指さしながら何故か怒られる僕。


「あ、アマガミさんが嫌なら止めるけど……」

「嫌とは言ってない! ありがた過ぎて理解できないんだよ!」

「嬉しいならそれでいいんじゃないかな?」


 別段深い理由もないし、僕としては好きでやってることだ。それでアマガミさんも喜んでくれているなら互いにwinn―winnだと思うんだけど。


「ボッチはお人好しが過ぎるっ」

「まぁ、アマガミさんのこと好きだからね」

「~~~~っ⁉ と、友達として好きってことだよな! 分かってるからな!」

「痛い痛い⁉ なんで急に叩くのさ⁉」


 突然顔を真っ赤にしたアマガミさんに腕をバシバシと叩かれる。流石男子数人を一人でなぎ倒しただけあって、一発一発の攻撃力がヒロインの域を超えている。腕の骨が軋む威力なんて女子が出していけない威力だよね?

 数秒経ってようやく叩くのを止めたアマガミさんは、どっと疲れたように嘆息して、


「……ボッチは無自覚で好きっていう奴だから気を付けないと」


 何やら恨めしそうに呟いているけど、痛みに呻く僕には聞こえなかった。


「はぁ。もういい。夕飯も食べていけばいいんだろ」

「うん。せっかくだから食べていってよ。アマガミさんの好きなもの作るよ」

「……なら唐揚げが食べたい」

「腕に寄りを掛けて作るね!」

「そんな気合入れんで作らなくていいわ。……たくっ。ボッチは本当に変わってんな」


 両脇を引き締める僕に、アマガミさんは呆れたように苦笑を浮かべる。


「ま、あたしもボッチのそういうとこ好きだけど」


 僕とアマガミさんの日常はこうして穏やかに過ぎて、そして少しずつ絆を深めていく。


「あ、家に帰る前にスーパーに寄っていいかな。食材買わないと」

「いいよ。ならあたしは菓子でも買おうかな」

「夕飯前にお菓子はダメだよ」

「オカンかっ」

「しっかりご飯食べて、アマガミさんには健康でいてもらわないと」

「完全にオカンだ⁉ ボッチがあたしにご飯を食べさせる理由が分かった気がする⁉」

「野菜もしっかり食べてね」

「……ダメだ。もうボッチがオカンにしか見えねぇ。こんなオカンにしか見えない男子高校生なんて見たことねぇ」

「ほら、お弁当もちゃんと食べないとっ」

「もう狙ってやってるだろ⁉」

「あ、バレた?」

「本当に狙ってやってのかよ⁉」


 これが僕とアマガミさんの日常。

 そして、僕らの日常はこれからもっと賑やかになっていくのだった。

どこで一章区切るか悩んでる。

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