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学校では怖いと有名なJKヤンキーのアマガミさん。家ではめっちゃ可愛い。  作者: 結乃拓也/ゆのや
第1章 【 ヤンキーとあだ名で呼び合うまで 】
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第15話 『 アマガミさんと海斗 』

 どうやら運は俺に味方してくれたらしい。


「――なぁ、昨日の話もう聞いたか」

「聞いた聞いた。公園のやつだろ」

「最近ちょっと違うのかなと思ったけど、やっぱ不良じゃんアイツ」


 昨日。俺がたまたま現場に居合わせてしまった天刈と他校の不良グループの喧嘩。

 それは俺が種撒くことなく校内に蔓延していた。おそらく、俺と同じようにたまたま現場に居合わせたやつがネタにしようと周りに言いふらしたのだろう。

 これは絶好のチャンスだ。

 俺は意を決して席を立つと、今日は珍しく智景と会話をしていない天刈の元へ足を運んだ。

 天刈も向かってくる俺の気配に気づいたのか、怪訝に眉間に皺を寄せる。

 俺はそんな彼女の正面に立ち、


「なぁアマガミ――」

「あたしをそのあだ名で呼ぶんじゃねえ」


 こえぇぇぇ⁉

 苗字ではなくあだ名で呼んでしまった俺に、天刈は鬼神のごとく形相で睨みつけてきた。

 俺は顔面を真っ青にしながら「わりぃ」と謝罪を入れ、


「その、ちょっと話があるんだが」

「あたしはお前と話すことなんかなにもねぇ」


 コイツ、智景以外だと超ツンツンしてんな。

 こんな女よく手懐けたよ智景。すげぇよホント。

 いや、今は友達を感心している場合じゃない。


「そこをなんとか頼む。大事な話なんだ」

「はぁ? なんだ大事な話って。告白とかなら先に断っておくけど」

「ハッ。誰がお前みたいな女好きになるか……」

「殺すぞ?」

「……す、好きにならないかはともかく。た、タイプじゃなくもないなぁ」


 さっきから超怖いんですけど⁉ 心臓がもたないんだけどぉ⁉


「まぁお前みたいなキザ男こっちから願いさげだが」

「――ッ‼ こ、こぉの女ッ」


 さっきから人の神経を逆撫でることばかりするのは何なんだ? 煽りの天才なのか?

 俺は必死に怒りを堪えながら、一度平常心を取り戻す為に深呼吸を繰り返す。

 すぅ、すぅ、と息を吐き終えると、


「告白とかじゃない。もっと言えば、昨日のことだ」

「っ! ……お前まさか」


 俺の言葉に天刈が何か察したような反応を示した。

 睨んでくる天刈に、俺は視線を一瞬だけ智景の方に向ける。それに釣られて彼女も智景に一瞥をくれると、全てを察したように強く舌打ちした。


「――チッ。場所変えんぞ」

「あぁ。俺も、ここじゃ話しにくい」


 智景にはこの話は聞かれたくないからな。そしてそれは天刈にとっても同じことだろう。

 ようやく互いの利害が一致すると、天刈は気怠そうに椅子から腰を上げた。


「おいボッチ」

「なに、アマガミさん」

「次の授業サボる。センコーには適当な言い訳付けといてくれ」

「悪いけど。俺の分も頼むわ」

「わ、分かった」


 ぎこちなく頷いた智景を礼を言って、俺と天刈は教室を抜けた。

 その間際。智景から送られる憂い気な視線は、果たして俺になのか。あるいは天刈に向けられているものか。俺は考えたくなかった。

 


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