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学校では怖いと有名なJKヤンキーのアマガミさん。家ではめっちゃ可愛い。  作者: 結乃拓也/ゆのや
第1章 【 ヤンキーとあだ名で呼び合うまで 】
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第99話 『 同棲スタート! 』

 ――バイトを終えて帰宅後。


「ひとまず荷物はリビングに置いておこうか」

「分かった」

「今日は時間が遅いから無理だけど、明日にでもアマガミさんの部屋を用意しないとね」

「いや必要ねぇよ。リビングで十分だから」

「ダメ。女の子なんだから下着とか僕に見せられないものあるでしょ。いいの? リビングで着替えてるのを僕に見られても。僕は殺されたくないから嫌だよ」

「なんで殺すこと前提なんだよ。腹パン一発で許してやる」

「僕は腹パン一発だって喰らいたくないので部屋を用意させてもらいます」


 少し強引に話を進める僕に、アマガミさんはまだ気遣っているように委縮する。

 そんなアマガミさんの手を握り、


「いい、アマガミさん。この家はもうアマガミさんの家でもあるんだから、遠慮なんてしなくていいんだよ」

「居候に遠慮すんなって言われても無理だからな? ……そ、それに、男女が一つ屋根の下で一緒に暮らすとか、今更だけど超恥ずかしくなってきた!」


 本当に今更で、僕は思わず苦笑い。


「もう一回泊ってるんだから、一回も二回もそれ以上も変わらないでしょ」

「じゃあそう言うボッチはどうなんだよ」

「そんなの無茶苦茶緊張してるに決まってるじゃん!」

「やっぱ緊張してんじゃねえか! ほら見たことか! なんだいきなり同棲って! 何のラブコメだよ⁉」

「『学校では怖いヤンキーJKにしつこく絡んだら同棲が始まった件』……ってタイトルならいけそうだね!」

「なにもいけねえよ⁉ マジでありそうなタイトル創んな!」


 いやこのタイトルなら本当に人気出そうじゃない? という思案は置いておいて、僕はアマガミさんに言った。


「さっきも言ったけどさ、もうこのお家はアマガミさんのお家でもあるんだから、遠慮はしないでよ。確かに慣れないこともあるだろうし、不安があることは分かってる。それはこれから少しずつ慣れていこう。二人で一緒にさ」

「……ボッチ」

「大丈夫。アマガミさんはもう一人じゃないよ。これからは僕が一緒に居る。好きなだけ頼ってくれて構わないから」

「……もう、十分頼ってるんだけど」

「本当に? 既読無視したこと暫く根に持つからね」

「あれはマジで悪かったよ。お前に甘えず頑張るって、自分に見栄張ってた。バカで悪ぃ」


 申し訳なさそうに頭を下げるアマガミさんに、僕は微笑を浮べて、


「見栄を張るのは悪いことじゃない。――これまで、よく一人で頑張ったね」

「――ぁ」


 そっと腕を伸ばす。そして彼女の頭を胸に抱き寄せて、母親が子どもをあやすように優しく頭を撫でた。


「頑張った人には、ご褒美をあげないと」

「ご褒美って、これか?」

「違うよ。これは、僕がただこうしたくてやってるだけ。嫌だった?」

「嫌じゃねぇよ。……素直に、なっていいんだよな」

「好きなだけ僕に甘えてよ」

「なら、もっとして欲しい。もっと、頭撫でて欲しい」


 分かりました、と僕は微笑みながら頷く。


「今日はアマガミさんの元気になりそうな夕飯作るよ。どうせ僕と会ってない期間はまともなご飯食べてなかったんでしょ?」

「し、仕方ねーだろ。バイトから帰ってきたら疲れてメシなんか作る気なかったんだから」

「ブラック企業に勤めるOLみたいなこと言わないでよ。はぁ、これは暫く栄養豊富な料理を作ることになりそうだな」

「ゴーヤは無理だからな」

「じゃあ今夜はゴーヤチャンプルにしようか」

「鬼畜か⁉ ご褒美はどこに行ったんだよ⁉」


 腕の中で猛抗議してくるアマガミさんに、僕はくすっと笑いながら、


「冗談だよ。今日は特別。アマガミさんの好きな肉じゃがとハンバーグにしよう」

「ホントかっ⁉」

「ふふっ。たくさん働いてたくさん頑張ったご褒美だよ。今日はお肉いっぱい食べていいよ」


 よっしゃー! と腕の中で歓喜するアマガミさん。

 これからは毎日二人でご飯を食べられるのだと思うと、それは僕にとっても嬉しいことで。


「これから料理。もっと頑張ろ」


 ぽつりと呟きながら、そんな誓いを胸に立てた。


「ボッチボッチ! 肉じゃがはあれだぞ、肉がいっぱいのやつだぞ!」

「分かってるよ。お味噌汁も今日はなめこ汁にしようね」

「よっしゃ! ああヤベェ、これから毎日ボッチのメシが食えるのか。超贅沢じゃねえか」

「先に言っておくけど、毎日アマガミさんの好きなものは作らないからね。ちゃんと栄養バランスの摂れた食事を取ってもらいます」

「分かってるよ。あたしにとってはボッチのメシ自体がご褒美ってもんだ。へへっ、これから超楽しみだ」

「さっきは超緊張してるとか言ってたくせに、調子がいいんだから全く」


 ようやくいつものアマガミさんが見れた気がして、僕は安堵の息を吐く。

 ――こうして、今日から僕とアマガミさんの同棲がスタートしたのだった。


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