ガチャ805回目:朱雀の試練
「んじゃ、湧かせて行くぞー」
勾玉と殺生石を並べていくと、今度は黄色の殺生石へと変化した。
名称:黄の殺生石(呪)
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種類:アーティファクト
説明:九尾の怨念が籠められた邪悪な石。近寄るだけで気分が悪くなり、手に持つと古傷がゆっくりと開いて行く。
★無数の御使いの魂が宿り、呪われている。
「これで4色目だな」
にしても効果がエグい。古傷て。俺の中で最新の傷は……パンドラ戦の全身大火傷と、『風の大精霊』戦での片耳消失事件か? 冒険者になってこの方、回避に重きを置いてきたのと『金剛外装』を取得したことで、ろくに被弾してない分、どれもこれも致命傷ばかりだな。
全身大火傷の古傷は良いとして、問題は耳だよな。持ってたら耳が取れるのか……? それはちょっと、このダンジョンに来て以来、最大級の恐怖かもしれんな。
そう思っていると煙に反応があった。ようやくモンスターお出ましか。まずは左の煙から出て来た奴だな。
『ガハハハハ!』
*****
名前:輪入道
レベル:175
腕力:2200
器用:1900
頑丈:1700
俊敏:1950
魔力:2500
知力:300
運:なし
【Aスキル】跳躍Lv3、暗視Ⅲ、衝撃Ⅲ、鎧通しⅢ、衝撃拡散Ⅱ、ウェポンブレイクⅡ、アーマーブレイクⅡ、壁走りLv3、チャージアタックⅣ
【Mスキル】念動力LvMAX、魔力回復LvMAX
【Sスキル】威圧Ⅲ、強圧Ⅲ
★【Eスキル】フィアー、魂召喚、炎転輪
装備:なし
ドロップ:輪入道の髭
魔石:極大
*****
これはこれは、有名どころの輪入道か。まさに絵に描いたような輪入道だな。直立した車輪の側面に、脂ぎった禿頭のチョビ髭のおじさんの顔がくっついていて、爆笑しながらも、笑ってるやら怒ってるやらよくわからない表情でこちらを見てきている。
お次は、鰐からの派生の方かな。
『……』
*****
名前:シャドウクロコダイル
レベル:185
腕力:2000
器用:1850
頑丈:1900
俊敏:1300
魔力:500
知力:300
運:なし
【Pスキル】身体強化LvMAX、硬化Ⅲ、物理耐性Ⅱ、魔法耐性Ⅱ、体術LvMAX、槍術LvMAX、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX、姿勢制御Lv3、空間把握Lv3
【Aスキル】影操作Lv2
【Mスキル】魔力回復LvMAX
【Sスキル】威圧Ⅲ、強圧Ⅲ
★【Eスキル】フィアー、捕食、影移り
装備:呪影槍
ドロップ:シャドウクロコダイルのトゲトゲした革
魔石:極大
*****
こっちはまあ、順当進化した感じか。あと喋れないのか喋らないのか、非常に無口だ。槍を構えて、戦いが始まるのを待っている感じだ。
元の性能からアサシン系の奴が来るかと思ってたんだが、純正な戦士系が来るとは、ちょっと想定外だな。
んで最後が……。
*****
名前:黄土の呪いの化身
レベル:338(+78)
腕力:3250(+750)
器用:3250(+750)
頑丈:3445(+795)
俊敏:2600(+600)
魔力:7800(+1800)
知力:5200(+1200)
運:なし
【Pスキル】物理耐性Ⅵ、魔法耐性Ⅵ、斬撃耐性Lv9、貫通耐性Lv9、打撃耐性Lv9
【Mスキル】念動力LvMAX、炎魔法LvMAX、狐魔法Lv9、魔力超回復Lv6
【Sスキル】威圧Ⅲ、強圧Ⅲ
★【Eスキル】呪狐の恨みⅢ
装備:なし
ドロップ:黄の殺生石(虚)、管理者の鍵454(4)
魔石:極大
*****
おー。これは中々、いい感じにレベルが高まってるじゃないか。
これなら前半2種で『弱体化』2つ。狐でガチャ+『弱体化』も行けるんじゃないか?
「皆、できれば壁ギリギリまで下がってて欲しい」
あの『輪入道』は、多分戦闘になればゴロゴロと転がりまくるだろうしな。いつもの距離感だと巻き込まれるというか、ターゲットがブレかねない。
皆が壁際まで下がるのを感知しつつ、改めて正面に並ぶ3体のレアモンスターを見る。どいつもこいつも喋らないから何も始まらないが、多分俺が宣言する事で戦闘開始となるんだろう。これに関しては、第三層でイクサバから説明を受けているという前提のもと成り立ってるよな。いきなり第四層に来ることを想定していないのか、それとも『青龍』の試練をある程度終わらせていないと『朱雀』の試練も始まらないのか。
謎が謎を呼ぶが、今は置いておこう。今回の武器は、そうだな……。『青龍』戦に向けて扱えるステータスを伸ばすと覚悟をある程度は決めたし、ここは初めてのグングニル1本で訓練させてもらうか。
「グングニル」
手元に召喚したグングニルをクルクルと回し、最後は地面に突き立てる。
『バキン』
それにより、本来破壊不可能なはずのダンジョンの地面がひび割れる結果となった。相変わらずバカみたいに重たいが、それに見合うだけの威力が備わっている。こいつの重さにも慣れてきたし、そろそろ本格的に投げる以外でも使いこなしておきたいなと思ってたんだよな。
さあ……やるか!
「全員同時にかかってこい!」
『ガハハハハ!!』
『……!』
『キイィ!』
まず『輪入道』は周辺に大量の鬼火を召喚し、続けて全身に炎を纏って転がり始めた。奴が通った後には火の道が出来上がり、猛々しく燃え上がっている。
「おっ」
それを横に回避すれば、今度は俺の影が不自然に膨れ上がり、そこから漆黒の槍が飛び出してきた。横に飛んで回避しようとするが、その影は俺から伸びてきているものであり、漆黒の槍も猛スピードで追従してきた。地面の上がダメならと空中へと逃れようとするも、昇れば昇るほどに影は大きく広がり、槍も長大なものへと変質して行く。
「ちっ!」
バランスを崩しながらやむなくグングニルで切り払うと、槍はあっさりと切断され、再び影に戻っていった。影を切ったことで俺に実害は……無さそうだな。
「次は」
『キィ!!』
「だよなあ!」
狐から放たれたブレスもどきが視界を埋め尽くす。空中でのアンバランスな体勢。踏ん張りも効かないその状態では、回避も満足な防御もできないだろう。俺でなければ。
『虚空歩』で空気を足場とし、『姿勢制御』『重力抵抗』『空間把握』で傾いた身体を完全に制御し、最後に『次元跳躍』で地上へと舞い戻る。
「うん、スキル運用も良い感じだな。けど、攻撃の密度が全然足りない。せっかく3体も同時に相手してやってるんだ、もっと本気で来い!」
『ガハハハ!!』
『……!!』
『キイイッ!!』
とりあえず……制限時間にはまだ余裕があるし、小1時間くらい戦ってみるかね。
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