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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第二十一章 新婚旅行

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ガチャ761回目:見様見真似

 互いに武器を構え機を伺う。相手のステータスはバランス型だが、スキルは攻撃寄りだ。近距離でのインファイトを好むだろうし、あまり遠くから見つめ合っていても意味は無さそうだ。

 そう思い一歩大きく踏み込むと、重心が傾いたその瞬間を狙って『マーマンキング』が『縮地』で距離を詰めてきた。


『UUM!』

「来い!」


 即座に迎え撃とうとすると、相手の圧が何倍にも膨れ上がった。


『ゾアッ!』


「フルブースト!」


 こちらも相手に合わせてフルブーストを実行する。すると、こちらへと迫って来ていた槍が突如として4つに増殖した。


「!?」


 錯覚や幻かと危惧したが、その圧力は紛れもない本物。その全てに必殺の威力が秘められているのを肌で感じた。


『UMM!!』

「絡め取れ、蛇腹剣!」


 その全てに実体があるというのなら、絡みついて1つに纏めてしまえばいい。武技スキルの発動中であっても、穂先ではなく柄の部分に絡まるのであれば、損耗は防げるはず。神話武器であろうとレプリカならば、負けることはそうそうないはずだ。

 そんな割と無茶な考え方ではあったが、蛇腹剣の品格は『遺産(レガシー)』だったおかげもあってか、武技スキルの発動を中断させる事に成功。その隙をついて、蛇腹剣を引っ張り奴の腕をグラムで斬り裂いた。


『斬ッ!』


『UMM……!』

「ちょっと浅いか」


 腕を切り落とすつもりだったのだが、奴は得物を手放す事で事なきを得たようだった。まあそれでも痛々しいくらいには深く切れたが。

 そして蛇腹剣によって一纏めにされていた増殖した槍は、いつの間にか元の1本に戻っていた。

 武技スキルによってはそんな芸当も可能なのかと思うと、素直に参考になるな。などと考えていると、『マーマンキング』は次の手に移った。


『UMMM!!』

「お、『海魔法』か」


 俺を囲うようにして四方から幾重もの津波が押し寄せて来た。


『UUMM!!』


 対応策として咄嗟にバブルアーマーを展開すると、奴はその隙を狙っていたかのように波に乗って突撃を仕掛けて来た。無手で何ができるのかと思ったが、奴の手元には先ほどと同様の槍が存在しており、蛇腹剣の中にあった槍は忽然と姿を消していた。


「どんな手品だ!?」


『ガインッ!』


 槍をグラムで受け止めた瞬間、バブルアーマーが弾け飛んだ。まるで、魔法の効果を強制的に解除されたような感覚だった。

 けど、フルブーストの効果は切れていない。ということは、水系の魔法にのみ作用する効果があるのか?


「その武器の特性か? 面白い事をするじゃないか!」

『UUMM!』


 そこからは、奴と何度も切り結んだ。『水渡り』は水ならなんでも足場にできてしまう。ということはつまり、荒れ狂う波すら足場になるという事だ。

 俺たちは小部屋の中で暴れる波を足場に何度もぶつかり合った。


『UUM!』

「ははっ!」

『UUMM!!』

「そらよっ!」


 そうして短くも濃密な剣と槍の応酬の後、先にフルブーストを使った『マーマンキング』の強化効果が消え、目に見えて動きが鈍った。

 その瞬間を狙い撃ち、俺はとある技の発動を意識しながら、渾身の一撃を叩き込む。


「おおおっ!!」


『斬ッ!!』


 敵を斬る音が、二重に聴こえた気がした。

 俺はただ全力で、グラムを使って袈裟斬りにしただけだが、それっぽいものはできたみたいだな。敵の胴体には、明らかに俺が放った袈裟斬りとは異なる切り傷があり、その2つの痕からとめどない量の血と煙が吹き出した。

 奴が使っていた『四天滅殺』という武技スキルを、真似て使えないだろうかと思って試してみたんだが……。どうやらイメージだけである程度再現できてしまったらしい。俺の戦闘センスがずば抜けて高い……なんて訳無いから、今回の件がきっかけになっただけで、必要な条件となるスキルとかが揃っていたから、見様見真似で再現できたんだと思う。


「楽しかったぞ、『マーマンキング』」

『UU、MM……』


 『マーマンキング』は槍を支えになんとか片膝を突き、俺を見上げた。そしてその姿勢のまま、奴はゆっくりと煙になって消えていった。


【レベルアップ】

【レベルが88から370に上昇しました】


【ダンジョンボス・マーマンキングを屈服させました】

【特殊条件達成】

【おめでとうございます】

(ディア)スキル:水神の加護を獲得しました】


【管理者の鍵(825)を獲得しました】


「おお!?」


 ダンジョンボスの屈服、そういうのもあるのか。

 ……そういや、今まで倒した相手は、別に屈服させるとかそういうのはなくて、なんとかギリギリ倒すことが多かったもんな。あと、流れ作業で討伐しまくっていた『ヒュージープリズムスライム』は、そもそも感情とかそういうの無さそうだし。

 ああでも、アズは屈服させてたか。それができたからこそ『テイム』が通っていた訳だし。にしても屈服なぁ……。結構、その条件を通すのは厳しそうだぞ?

 だって、言語を話せるタイプで、かつ知能があるタイプじゃないと、屈服には至らなさそうだもんな。スライムやパンドラみたいな無機質系はまず不可能だろう。思い返してみれば、『初心者ダンジョン』のボスは一応動物型だったし、ワンチャンあったかもな。

 亀は屈服耐性高そうだし、ドラゴンはプライドが滅茶苦茶高そうだ。うん。


「おっと、ドロップしてたのか」


 俺は足元に転がるレプリカと、スキルオーブや宝箱を拾い上げ、後ろを振り返る。


「主様!」

「勇者様ー!」


 テレサとマリーが目を輝かせながら駆け寄ってくる。そしてそれに遅れるようにして、クリスとシャルもやって来た。


「ショウタ様、お疲れ様でした」

「ショウタ、カッコよかったよ!」

「ああ、ありがとうな」


 さて、少し休んだらコアルームに行くとしますかね。……あ、そうだ。アズに権限が渡せるか試すんだったな。あまりにいい戦いができたから、ちょっと忘れてた。

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