ガチャ760回目:話の分かる男
まだ距離はあってステータスは視えないが、あの『マーマン』はそれなりのレベルは持っていそうだ。
骨のありそうな相手にウズウズしていると、周りから視線を感じて振り返る。
「ん? どうした?」
「あ、えっと……。本当に迷うことなく正解を引き当てていくからビックリしちゃって」
「冷静になって考えればコインや鍵はここが使い所だというのは分かるのですが、ほぼ迷う事なく一発で当てられるのは、どれほど鋭い『直感』を持っているのかと、感心してしまいましたわ」
「勇者様の発想力は、ダンジョンを作った者と感性が近いのかもしれないですねー」
「主様、素敵です……」
「あー……」
そんなにすごいか? 皆はやたらと持ち上げがちだから、本当にすごいのかそうではないのか、最近はもうよく分からないんだよな。
とは思いつつも、とりあえず1人1人ハグをして心を落ち着かせる事にした。彼女達もそうだが、俺も心が浮ついていたら足元が掬われかねんからな。
念のためマップを起動すれば、マップ外マップの隠しエリアの中で、先ほど通ってきた島の外観と洞窟の通路、目の前の広間が映し出されていた。
そこにはしっかりと赤丸が表示されており、その周囲にはモンスターの反応はなかった。完全にあの一体のみだな。だが、油断は禁物だ。種族を代表する系のモンスターは、何かしらの強力なスキルだったり、同族を集合させるスキルを抱えがちだからな。
「よし、行くか」
「「「「はい!」」」」
そうしてゆっくりと近付き、『真鑑定』の射程ギリギリまで到達後、相手の情報を覗き見た。
*****
名前:マーマンキング(ダンジョンボス)
レベル:245
腕力:2400
器用:2400
頑丈:2400
俊敏:2400
魔力:7200
知力:2400
運:なし
【Uスキル】真鑑定Lv5
【Bスキル】超防壁Ⅲ、剛力Ⅴ、怪力Ⅴ、阿修羅Ⅳ、怪力乱神Ⅲ、俊足Ⅳ、迅速Ⅳ、瞬迅Ⅲ、迅雷Ⅱ、金剛脚、力溜めⅢ
【Pスキル】身体超強化LvMAX、硬化Ⅲ、物理耐性Ⅴ、魔法耐性Ⅴ、体術LvMAX、武闘術LvMAX、神槍術LvMAX、水泳LvMAX
【PBスキル】統率Ⅴ、破壊の叡智Ⅳ、水の聖印Ⅲ
【Aスキル】鎧通しⅢ、急所突きⅢ、縮地Ⅱ、水渡り、水害揺籃Ⅲ
【Mスキル】水魔法LvMAX、泡魔法LvMAX、海魔法Lv5、水の鎧Ⅴ、濁流の鎧Ⅲ、魔力超回復LvMAX
【Sスキル】王の威圧Ⅴ、水神の加護
★【Eスキル】眷属召喚Ⅲ、言語理解
武技スキル:激流槍、濁流槍、四天滅殺
装備:ポセイドンの槍
ドロップ:ランダムな装備、ランダムボックス
魔煌石:大
*****
おぉ。水系の魔法を取得してはいるけど、この構成は間違いなく前衛型だ。それにモンスターで見るのは初めてだが『縮地』を持っている!
これは、正直『テイム』すればかなりの大戦力になってはくれるだろうけど、俺としては正面から打ち破って撃破したい。コイツも、お情けで生きながらえるより、そちらを望みそうだしな。勝手な感想だけど。
「……」
さて、コイツとは1対1。誰にも邪魔されずに正々堂々と戦いたい。『眷属召喚』をしてくるようなら彼女達に任せるとして、『言語理解』が気になるな。喋れはしないけど分かるって事なら、ワンチャンあるか?
だが一応念のためだ。開戦前に確認しておこう。
「皆。『泡魔法』の取得状況を教えてくれ」
「ごめんショウタ、あたしは持ってない」
「申し訳ありません、主様。私も持っていません」
「私は持ってますー。レベルは2ですけど」
「わたくしはMAXですわ」
「了解、クリスは流石だな。じゃあ3人はここの在庫から取って良いから、全員MAXにしておいてくれ。多分必要になるから」
「あ、ありがとう!」
「感謝します!」
「取得しました!」
奴は『海魔法』を持ってる。もしこんな狭い空間でそれを使われたら、水中戦に切り替わるだろう。となれば、彼女達は呼吸できない状態に陥ってしまう。ステータスの恩恵で長時間息を止めて活動することはできるだろうけど、だからって苦しい思いをさせたくはないしな。
「それで、皆には悪いけど、俺は奴とタイマンがしたい。邪魔しないでくれると助かる。でも雑魚が湧いたら倒してほしい」
「畏まりましたわ」
「主様の御心のままに」
「撮影係、頑張りますー!」
「了解、雑魚は任せて!」
よし、これで問題はないだろう。久々の物理型のボスだ。レベルが低いのは少し残念だが、修行相手としては十分すぎる強さを持っている。この前出会った『ゴールデンタイラントワーム』は、修行するまでもなく本気の一撃でワンパンしちゃったからな……。それにユニークボスだから『アンラッキーホール』では出現させられないし、不完全燃焼だったんだ。
「お前で鬱憤を晴らさせてもらうとしよう」
そうして持って行く武器について色々と検討したが、ひとまずグラムと蛇腹剣の二刀流で行くことにした。巨神の剣はリーチも威力もあるが速度戦では付いていけないし、同じ槍のグングニルでは武器のスペックが大きすぎる。
相手の槍も神話に出てくる物ではあるが、はっきりとレプリカって書いてるしな。となれば、品格は最高でも『伝説』、よくて『遺産』、悪くて『固有』だろう。それ相手にグングニルはちょっと大人気が無さすぎる。
「『マーマンキング』、俺の言葉は理解できるな?」
『……UUM!』
声を張り上げると、相手からも図体に似合った滅茶苦茶野太い声が聞こえて来た。通常の『マーマン』は人間の上半身に魚の下半身というキメラめいた構造をしているが、この『マーマンキング』は人間とほぼ同様の身体と骨格を持っていた。
二本足で立っているが、人間と違うのはその全身を魚の鱗のようなものと、腕や背中にヒレがついている点。それから顔が魚であることくらいか。
サイズは2メートル弱。傍から見れば、筋肉ムキムキマッチョマンの変態全裸男だった。幸いにも股間部分はツルっとしているので、映像的にも問題は無さそうだな。
「俺はお前と1対1で勝負がしたい。受けて貰えるか?」
奴は俺の背後にいる子達を一瞥し、頷くと槍を構えた。
『……UUM!!』
どうやら、了承してくれたらしい。
話が分かる奴は好きだぞ。
「よし。……なら、正々堂々と勝負だ!」
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