ガチャ759回目:ギミックラッシュ
「それじゃ、まずは集めた宝箱から見て行くか」
とりあえず、鍵の有効期限が1時間を切った緑から……。
名前:緑のマーマンの宝箱
品格:『遺産』
種別:モンスタードロップ
説明:グリーンマーマンが描かれた緑色の宝箱。対応する鍵が無ければ開けることは不可能。825ダンジョンにしか存在できないモノであり、持ち帰ろうとしても崩壊してしまう。
★対応する鍵:緑のマーマンの鍵
ふむ。こっちも持ち帰り不可なのか。
それじゃさっそくパカリと。選択肢もなく開いたそこには――。
「ん? なんだこれ」
「紙切れ、ですか?」
「裏表特に何も書かれていませんね」
「『真鑑定』も弾かれますねー」
「ダンジョンから出てくるもので、『真鑑定』が通らないものなんて、本当に僅かな物だけど……」
「とりあえず、他の箱も開けてみるか」
そうして赤、紫、白の箱と開けていくが、やはりそこに入っていたのは紙切れだった。
「?? よく分かりませんねー」
「もしかして、ハズレってことかしら?」
「あんな鍵まで掛けておいて、それはあまりにも……」
「少しばかり、タチが悪いですわ。ショウタ様、手掛かりとなりそうなものは無くなってしまいましたが、どうしますか?」
「まあ焦るな。こういう時は、大体こうすれば解決するって相場が決まってるんだ」
そう言って俺は、4つの紙片を重ねて置いた。すると、10秒ほど経過したあたりで紙片は輝き始め、光が収まったところには1枚の地図のようなものへと変質していた。
……ふぅ、焦った。しばらく変わらなかったから、空振りしたかと思ったじゃないか。
名前:マーマンの宝の地図
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種別:アーティファクト
説明:マーマンが隠し持つ財宝の在り処が示された秘密の地図。この地図を持つものだけが財宝がある場所へと辿り着ける。
「なるほど、そう来たか」
地図はこの第二層のものであり、その中心地には×印が刻まれていた。そしてその地図を『解析の魔眼』で見てみれば、マップの中央に向けてか細い魔力の糸が伸びていた。
つまり、これがあれば秘密のエリアに入り込めるという寸法らしい。
「味な真似をしてくれるじゃないか」
「勇者様、それはもしかして……」
「ああ。『豊壌ダンジョン』でもあった入場チケットだな」
「さすが主様です。ヒントも無しにその秘密に辿り着けるだなんて」
「本当にね。あたし達だけじゃその答えに辿り着けなかったかもしれないわ」
「まあこれについては以前、合体するアイテムを見たことがあったからね」
自信満々に言い切ったくせにしばらく反応がなかったから、冷や汗が出る寸前でもあったが。
「それでも、今回のように『真鑑定』で内容が視えなかったわけではないのでしょう? であるならば、それを結び付けることができたショウタ様は凄いと思いますわ」
皆うんうんと頷いている。
「もう、皆持ち上げ過ぎだって」
まるで接待されているような気分だ。
でもまあ、彼女達の表情を見れば、それが嘘でも虚飾でもなく、心の底から思ってくれていることがわかる。これは演技だとしたら大したもんだが、俺の『直感』が真実だと、そう言ってる。
「それじゃ、軽く休息も取れたし、このまま現地に向かおう」
「「「「はいっ!」」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そしてマップが指し示した場所に到着し、全員が俺にしがみついた状態で隠しエリアへと入場する。すると目の前に突如として小さな島が現れ、その中心部にはぽっかりと口を開けた洞窟があった。
魔力の糸はその洞窟の内部へと伸びていたため、慎重に進んでいく。薄明るい洞窟を進んでいくと、その先にはあまりに不自然な真っ平な壁があった。
「行き止まりか? ……いや」
足元や今まで通ってきた洞窟の壁はゴツゴツとしていたのに対し、ここだけツルっとした壁が広がっているのだ。こんな不自然なもの、何もないわけがない。皆で手分けして何かないかと探していると、シャルが何かを見つけた。
「ショウタ、ここ見て」
「ん……? 切れ込みか?」
壁の中心の高さ120センチメートルのところに、横向きの切れ込みがあった。そして切れ込みを囲い込むようにして、薄っすらと丸い線が引かれている。直接ソレを視ても、何も直接的な情報は得られなかったが、それはとあるものを彷彿とさせた。
そう、自販機とかにある、コインの投入口だ。そして俺の手元には、それに使えそうなものがある。
「ショウタ、それって」
「ああ。昨日シャルと2人でゲットしたアレだ」
名前:謎のコイン
品格:『遺産』
種別:トレジャーアイテム
説明:特に絵柄などもない丸いだけのコイン。キチン製。特定の場所でのみ使用可能。
一緒に出てきた硬貨は、本当に向こう側で使っていた貨幣で間違いないみたいだが、これは本当に謎だったんだよな。ただ、トロフィーや鍵の代わりに入手できたアイテムである以上、ダンジョンのギミックで使うのは間違い無いだろうとも予想はしていた。
ここで使用するものではなかったとしたら……まぁ、その時はまた手に入れれば良い。
『ガチャン。ガチャガチャ』
コインを投入すると、機械の駆動音のような物が壁の中から聞こえてきた。そしてコインの投入口とその周辺の壁がぐるんと回転し、台座が出てきた。
何かを乗せるための物のようだが、それは『解析の魔眼』が捉えていた。
「次は、地図みたいだな」
『マーマンの宝の地図』を台座に置くと、台座と地図は輝き、今度は真っ黒な錠前へと変化する。
「分かりやすくて良いね」
『黒のマーマンの鍵』を差し込み、ガチャリと回す。すると壁に四角い切れ込みが入り、その部分だけが沈んでいく。
壁の向こう側には通路があり、その先には光が差し込む空間があった。その空間の小部屋には、筋骨隆々のゴツい『マーマン』が待ち構えているのだった。
「……ついにご対面か」
恐らくあれが、このダンジョンのボスだろうな。
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