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ガチャ745回目:開会式①

12月20日は第四巻発売日! そして12月25日は投稿開始2周年!

これらを祝して6日間連続で2話投稿をしていきます!

本日は6日目の1話目です!

「あー、緊張して来た」


 本日はダンジョン改装による開会式当日。

 この企画自体ほぼ思いつきというか、どうせなら自分で楽しむだけじゃなくて一般公開したら他の人の為にもなるんじゃないか? なーんて軽く考えていたのだが、あれよこれよという間に段々と大ごとになって行って……。そして、昨日のアキやマキの放送を生で見ていたら、考えの甘さを思い知らされた。

 まさか冒険者と一般の人を混ぜたら、200万超えの人々が放送を見にやってくるとは思わなかった。それだけ注目されているという事なんだろうけど、よく2人はあんな大勢の人の前で、あんなふうに喋れるなぁと感心したものだ。

 嫁自慢はこの辺にしておいて、そろそろ現実に戻ってくるか。


『マスター、緊張してるの?』

「ほどほどにな」

『ふーん?』


 俺の隣には、このダンジョン機能をもたらした存在として、アズが並んで立っていた。一般の人はまだ入場していないので、今のアズはシラフモードだ。


『でもマスター、楽しそうだわ』

「ま、思ってたよりも好感触だったからな。この人数は想定外だったけど」

「旦那様、ファイトですわー!」


 観客席に備え付けられた関係者席からアヤネの声援が届く。まだ始まってないけど、応援は嬉しいので手を振って応える。今回、冒険者8・一般2の割合で観客席の予約をしたら、開始数分でどちらも一杯になってしまったそうだ。

 テンション高めに応援してくれるアヤネを見ていると、なんだか無性に抱きしめたくなったが、戦いの場はそれなりに広く作ってあるから、観客席まで距離がある。走っていくのもなんだかなーと思ったところで、アズからダンジョン改造をした特典を教えてもらったのを思い出した。


「テレポート」


 ぼそりと呟けば、アヤネが目の前に現れた。いや、正確に言えば俺は彼女の元へと転移して来た形になるか。この『ダンジョン内転移システム』、通称テレポートは、完全支配した後に改造機能を使って1から造り直したダンジョンでのみ使用できるそうだ。しかも、リキャストなし・コストなし・即時発動という優れものだ。


「アヤネー」

「にゃっ。えへへ、旦那様~」


 猫語が出たアヤネを可愛がっていると、隣から袖を引っ張られた。


「ショウくん。私も良いかしら」

「喜んで」


 結婚式後、完全に身内になった事で、物理的にも詰まりつつあったサクヤさんとの関係は更に近付くことになった。その結果が、この呼び名だ。こうも甘ったるい感じで呼ばれると少しむず痒いけど、サクヤさんが楽しそうなので良しとするとしよう。

 結局そのまま、観客席にいた他の嫁達とも1人ずつハグをして、丁度終わる頃に外に並んでいた観客達が流れ込んできたので、テレポートで持ち場に戻った。

 ちなみに、彼らを案内しているのは新たに建て直された『ダンジョン協会777支部』の受付嬢と、警備員達。ずっとこのダンジョンで警備員をしていたダイモンさんも、続投する形となりその中にいた。

 約半年前に話したっきりしばらく彼とは会わなかったが、久々に会ってもあの人は変わりないようで、やっぱり程々にサボっていたらしい。けど、俺の改造計画によって今後は仕事が忙しくなると愚痴られてしまった。ダイモンさんらしいなと、その場に居合わせたアキと笑い合ったんだよな。


「……うん。聞いていた通り満席だな」


 感慨深く思っていると、魔王モードになったアズが尊大なポーズをしていた。アズとしてはカッコ付けてるつもりなんだろうし、観客も盛り上がって入るけど、慣れてしまった俺からしてみればただのバストアピールにしか見えないんだよな……。

 呼吸するだけでめっちゃ揺れてる。


『マスター。妾としては、もう少し会場を大きくしても良かったのではないかと思うのだが』

「一応ここは、『極大魔石』用に用意したフィールドだ。モンスターのサイズによっては狭く感じるかもしれないが、あまり広げすぎても遠すぎて観客が観れないんじゃ意味がないからな」


 一応ダンジョンは基となるエネルギーさえあれば無限に空間を広げられるそうなのだが、このダンジョンにはそれほどの余剰は存在しないようだった。これは俺の勝手な予想だが、『レベルガチャ』を実装するにあたって、余剰エネルギーが全部そっちに持っていかれてしまったのかもしれない。

 だから、最初からここは狭めの一層しかなかったのかもな~。

 などと考えているうちに、観客の収容が終わったらしい。ここの職員さんからOKが出た。んじゃ、始めますかね。


「えー、皆さんこんにちは。本日は『アンラッキーホール』改め、『バトルアリーナ』へようこそおいでくださいました。ここの概要は、予約した皆さんならすでにご存知の上かと思いますが、改めて説明を。ここでは改造者である俺が過去に戦ったことのあるモンスターに、誰でも挑戦できるという設計です。そして、魔石のサイズが大きくなるほど、モンスターも巨大化する傾向にあります。そのため、この7番フィールドと1つ前の6番フィールド、それから観客なしの8番フィールドは『特大魔石』と『極大魔石』専用としています。1番から5番は『極小魔石』『小魔石』『中魔石』『大魔石』のどれでも戦える、といった具合ですね」


 空気感から殆どの人が飲み込んだであろうタイミングを予測し、続きを語る。


「それで、本来であれば1度の戦いで出せるのは魔石1のモンスター1想定ではあったのですが、せっかく『バトルアリーナ』と銘打ったのですから、ちょっと緊急で設計を弄って、3体まで同時に湧かせられるようにしてみました。設計上問題はないとは思いますが、まあ今日は開会式ですし、例え変なことになったとしても俺が責任持って全部倒しますので、余興と思っていただければと思います」


 多分問題ないと思うんだけど、この仕組みを組み込んだのついさっきだからな。実験できてないから、本番で試そう。それでもしも変な挙動をするようなら、一般開放は1体までとして、複数体は今後じっくり再調整を掛ければいい。

 そもそもの話、『決闘』も『裏決闘』も、多対1を想定した決闘の名に恥じる卑怯スキルだからな。多対多は想定されてない可能性が高く、ちゃんと機能してるか謎なのだ。


「ではさっそく始めていきたいと思います。まずは『特大魔石』を中央に置きまして、次に魔石の上に表示されるリストから呼び出したいモンスターを選択します。最初は……」


 インパクト重視で行くか。


「出てこい。『ジャイアントロックゴーレム』!」


 俺を吹き飛ばし、ホームランをかまして来た因縁の相手だ。

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