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無料ガチャ047回目:アキとマキの放送チャンネル01

12月20日は第四巻発売日! そして12月25日は投稿開始2周年!

これらを祝して6日間連続で2話投稿をしていきます!

本日は5日目の2話目です!

 アキとマキは、Sランクになったショウタが国民に受け入れてもらうためにと、色々と試行錯誤していた。このチャンネルもその内の1つで、ここでは彼に関する差し障りのない情報などを世界に発信する為に開設された、ネット用の放送チャンネルだ。

 ここの放送内容は多岐に渡り、大体以下のような構成が主だった。

・ショウタが引き起こした内容を分かりやすく解説

・攻略したダンジョンの情報を解説

・ショウタの為に作る料理を撮影

・エンキ達家族を紹介


 などなど。

 不定期ではあるがそれなりの頻度で生放送をしていた。

 そして現在、このチャンネルはとある放送の予定時刻が着々と迫っており、生配信のコメント欄では、放送開始を待ち望む者達で溢れかえっていた。


『今来た。協会から発表があったけど……あまりにも突飛な内容で、よく分からんかったから来てみたぞ。しかしすごい人数だな』

『それはここにいる奴ら全員がそうだろw』

『こっちの冒険者専用アクセスページからでも、待機人数1万人超えてるしな』

『一般の方の数字を見たか? 通達から30分も経ってないのに、既に50万超えてたぞ』

『冒険者の人口って最近増えたばかりだからそこまでなのは理解できるけど、あの2人は一般受けも良いからなー』

『わかる。綺麗だもんな』

『あの可愛さで人妻だからな。もうなんかずるい』

『この調子じゃ、始まる頃には一般の方はミリオン超えてるかもな』

『そこらのテレビより視聴されてるんじゃねえか?』

『そりゃそうだろ』

『なんならこの件も記者会見案件だろうに』

『あの人のことだから、めんどくさがりそうだ』

『てか、ダンジョンを支配するまでは分かるけど、改造ってなんだよ』

『それな。ダンジョンの壁って破壊不可能じゃなかったっけ?』

『でもよ、この前『初心者ダンジョン』の入り口の壁が壊れて、新しい通路ができてたぞ』

『いや、なんでもあれもあの人の仕業らしいぞ。なんせ、あの人の妻達や支部長がその場にいたんだからな』

『マジか』

『え、じゃあ『ハートダンジョン』の地下洞窟も!?』

『その直後に通達が来て満開化したそうじゃないか。またあの人で確定だろ』

『まあそんなことができるの、あの人くらいのもんか』

『納得』

『改造だか改築だかなんでも良いけど、あの人ついにダンジョンの運営側に回ったのか』

『でもあの人のことだし、すぐにどっかのダンジョン潜りそうだよな』

『それはそう』

『あの人達の手で合計10個のダンジョンが大人しくさせられたけど、全体で見ればまだ110分の1だもんな』

『あー……。まあ、全部で1100個あるもんな』

『まだまだ先は長いぜ』

『で、今回の改造は、そんなあの人の軌跡の一部は拝めるわけだ』

『書いてる内容の通りだったらな。とりあえず、放送内で言及されるまでは信じないぞ』

『どうせすぐ掌返しすることになるだろw』

『あ』

『ん?』

『おいおいおい、ゲスト情報更新されたぞ!』

『おお? こりゃあ……』

『アズ様だ!』

『アズ様きちゃー!!!』

『キタ―――(゚∀゚)――――』



◇◇◇◇◇◇◇◇



「皆様こんにちはー。今日もショウタ君のやらかしニュースをお届けするよー。司会はあたし、アキとっ」

「マキです。そして今日はゲストが来てますっ」

『ご機嫌よう。妾の事はもう知っておるとは思うが、マスターのペットの魔王アスモデウス。今はただのアズよ』


 アズが自己紹介と共に画面に映ると、ただでさえ流れの早かったコメントが、濁流に流されたかのように高速でスクロールされていった。

 彼女達が持つネットチャンネルでは、不定期ではあるがそれなりの頻度で生放送をしていたため、固定のファンが多くいるのだが、今回の視聴人数は今までの比ではなかった。


『ほう……これが放送というものか。このコメントの数だけ、妾達は見られておるとな?』

「その通りです。やっぱりアズさんは大人気ですね」

「アズが出た途端、コメントがドバッと流れたもんねー」

『ふんっ、マスター以外にモテたところでどうということはない』


 そういうアズだったが、その尻尾は嬉しそうにブンブンしていた。それはアキもマキにも見えていたし、なんならカメラからも丸見えだった。


『なんだこの魔王、可愛すぎか』

『ツンデレ頂きましたー!!』

『これが元ダンジョンボスの姿か』

『ダンジョン最高かよ……』

『俺もテイムしたい』

『むしろされたい』

『いや踏まれたい』


「さーて、コメントも盛り上がったところで、本題に入るわよー!」

「今日は、本日協会より発表された『アンラッキーホール』改装に関するお話ですっ」

『ふん、妾は後ろで見ておる。これで十分約束は果たしたはずじゃ』


 そう言ってアズは2人の後方へと下がっていった。そしてどこからともなく自分用の魔王の椅子を取り出し、腰をかける。

 その姿に、視聴者が再び熱狂した。


『ふつくしい……』

『まさに女王』

『これが魔王の覇気か』

『そこにいるだけで存在感すごい』

『2人だけだといつもはフワフワしてるのに、急に空気が……』

『てかあの椅子カッケェな!?』


 などと好評だったが、これは打ち合わせ通りであった。アズは記者会見では魔王らしさを前面に出し、一人称も雰囲気も魔王ムーブで最後まで押し切っていた。

 なんでも、この世界に来る前はあんな感じで部下の前では魔王をしていたらしい。ちなみにそんな感想を漏らす俺は、画角の外側で、アグニを撫でながら彼女達の様子をのんびり眺めていた。


「と言うわけで、協会の説明通り、『アンラッキーホール』はショウタ君の手で生まれ変わったわ」

「掲示板でも話題でしたが、『初心者ダンジョン』と『ハートダンジョン』の第一層入り口付近に、『アンラッキーホール』への直通ゲートを設置してあります。各支部では、端末を通した整理券を配布しています。それが無ければ勝手に通行することはできませんのでご容赦ください」

「ここまでは皆大丈夫かなー?」


 高速で流れるコメント()()()目を通した姉妹は、満足そうに頷く。


「それじゃ、質問があれば順番に答えていくよー。冒険者の皆、なんでも言ってねー」

「……では、一番多い質問から。ダンジョン内部は完全に一新されています。モンスターは出ませんし、一般の方が入られても一切の危険がありません」

「次はー……これね。参加費ってやつね。これに関しては申し訳ないけど、協会が運営をするにあたって僅かばかり頂くことになったわ。観戦する場合、冒険者も一般人も、大人2000円、子供1000円ね。逆に参加する側は、対応する魔石さえ持って来てくれれば何も必要ないわ。ただ、本物ではないとしても命を賭けて戦う必要があるから、強敵に挑む場合はそれ相応の覚悟と、所属支部長の許可がいるわね」


 これに関して、俺はお金に困ってないしタダでいいと思ってたのだが、支部長達全員からダメ出しを喰らった。商売にする気がなくとも、エンターテイメントになる以上、テレビとかネットとかでも再利用可能なコンテンツになりうるため、利権が関わってくる。そのため、そこは少しでももらっておけと説得された。

 まあ、お金のことに関しては俺は素人なので受け入れるしかなかったが、なるべく安くしてあげて欲しいとは伝えていた。元手なんて0だからな。

 ……まあ、今時の水族館や動物園よりはお手軽な料金設定だと思う。なんなら、『ハートダンジョン』のデートコースより安い。

 ちなみに会場の席数は決まっている為、予約が必須となっている。なるべく大きめの会場にしたつもりだが、それでも一瞬で埋まってしまうだろうな。


「次の質問は……はい、こちら、もしも負けてしまった場合ですね。中に入った人、もしくは出現したモンスター、どちらかが死亡した場合、その瞬間戦いが始まる直前まで時間が巻き戻ります。ですので、敵対対象がいなくなったモンスターが観客席に襲いかかるなんて真似は絶対にありません。そこは、今までのショウタさんの実績で信じていただけると幸いです」

「次は……うん。わかるよーその気持ち。基本的にこのダンジョンは年末年始を除いた平日土日関係なくオープンにする予定だけど、営業時間は朝の9時から夜の18時までとするわ。そして、戦う場所は全部で8つ用意しているのだけど、その内1つは観戦ができない個室タイプになっているわ。手の内を見せたくないって人は、そこを予約するようになさい。ただし、職員は同伴するからそこんとこはよろしくね」


 矢継ぎ早に飛んでくる質問に、姉妹は1つ1つ丁寧に答えていく。そんな中、つまらなさそうな顔でその光景を眺めていたアズが口を開けた。


『ようは、マスターがかつて戦って来た強敵達との戦いを、安全に追体験できるシステムだ。奮って参加するといい』


 アズが補足してくれたように、例の改造ダンジョンのコンセプトは、俺がかつて戦って来た強敵とバトルできるというものだった。ただ、コンセプト通りにできたはできたんだが、能力不足で弱い奴らしかいないのが残念なんだよな。

 特に『魔煌石』持ちと、ボスモンスター。それからやっぱり、ユニークボスも出現させられないようだった。どうにもこいつはダンジョン専用モンスターとして存在が定着しているらしく、俺が今回用意したようなお遊びで気軽に呼び出すことができないらしい。そしてそれは、管理者レベルが上がっても変わらないとアズが言っていた。

 そこはかなり残念だった。いや、ホントに。

 まあでも、イリスの件もあることだし、アズでも知らないようなことがダンジョンには眠っている可能性はある。ワンチャンそこに賭けるしかないか……?


「ふふ、ありがとうございますアズさん」

「一言でまとめられたわね。とにかく、明日はそれの開会式! 明日は特別にショウタ君が遊ぶから、直接でもテレビでも、好きな方で見てあげてねー!」


 そうして幕を閉じた2人の放送は、歴代最大級の同時視聴数を叩きだしたのだった。



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イブですがメリクリ! >奮って参加するが良い! そしてボス達にぼっこぼこにされまくる一般モブ達が激増するんですねわかります(笑)
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