ガチャ743回目:思いつきの結果
12月20日は第四巻発売日! そして12月25日は投稿開始2周年!
これらを祝して6日間連続で2話投稿をしていきます!
本日は4日目の2話目です!
騒ぎをミキ義母さんに押し付けて、そのまま『ハートダンジョン』にやって来た俺は、同様に開通作業を行なった。といっても『ハートダンジョン』は一面森であり、四方八方から入れるようになっていては今後何かしらのトラブルが起きてしまうかもしれないので、ここでも一工夫することにした。
ヨウコさんにはちょっと揺れる+騒ぎになるかもしれないと先に警告を出し、元々の設置場所に地下へと続くような階段を形成。その階段を下った先に、ワープゲートのあるホールを設置するという形になった。ホールへと続く階段の様式も『初心者ダンジョン』と同様のものを採用した。これで無用なトラブルは起きにくいだろう。
ちなみに、開通作業の間は待ちの時間になるため、一旦アイラには車で帰ってもらい、そして家からワープゲートを乗り継いで、『家』⇒『アンラッキーホール』⇒『ハートダンジョン』へと転移して合流してもらった。その際、家で酒盛りをしていたテレサとマリーが、『ハートダンジョン』見たさに合流を果たした。
「ここがデートスポットで有名な『ハートダンジョン』ですか」
「花畑に寝転がれば、気持ち良さそうですねー!」
「なあテレサ、マリー。ここでのデートなら、シャルも受け入れてくれるかな?」
「良いかもしれませんねー。シャルさんは、割と乙女なところがありますから」
「主様の御心のままに」
「んじゃ、今度誘うかな」
ゲートが開通したことで、ぶっちゃけ家の庭からほぼ直通で来れるようになったので、いつでも遊びに来れる状態なんだよな。この花畑が気軽に堪能できるのは大きいかも。
「ご主人様。せっかく来たのですから、『金剛外装』を確保しては如何ですか?」
「あー、そっか。そうしようか」
『金剛外装』は能力の割にスキルレアリティが低いから、早めに最大値まで上げておきたいってことになってたんだよな。折角だから確保しておこう。
まあ、その作業をするとしても、この後のイベントが全部終わってからになるだろうけど。
「あ、アマチさん。私も見学してても良いかな」
「良いですよ。あ、でも『黄金鳳蝶』に魅了されないようにマスクだけはしておいてくださいね」
「分かったわ」
流石にヨウコさんまでは仲間判定になってないと思うしな。信頼はしてるけど。
そうしてヨウコさんと嫁達を引き連れて、思い付きで『黄金蟲』を4匹同時に湧かせ、討伐をしてみる。
レベルは『黄金蟲』で16⇒54となり、『黄金鳳蝶』で54⇒78となった。『黄金鳳蝶』はレベル45しかないってのにこの成長率……。
やっぱ黄金シリーズは、経験値がちょっと多めなのかもな。
「今となっては楽な相手だな」
耐久も無く、攻撃するまではただ飛んでぼんやりしている相手だ。『金剛外装Ⅲ』はあれど、『結界破壊』と『一刀両断』で同時に断てば一撃で纏めて屠れてしまう。そうして煙へと変わった『黄金鳳蝶』だったモノの煙は、霧散することなくその場に噴き上がり始めた。
「お?」
1体の時は即座に霧散してたのに、続きがあるって事か。だとしたら、何か条件があるのか?
もしもボス撃破後の鍵所持が条件とかだったりしたら、攻略済みダンジョンでも、またちょっと楽しみが増すんだが……。
そうして見守っていると、4つの煙が2つに合体した。
「おお。やっぱり次がある! アヤネ、カメラを」
「用意してますわー!」
「ナイスー」
そうして待つこと数分。今度は2つの煙が、もう1度合体した。
「!?」
その現象は初めてのことであり、俺の警戒心はすぐさまMAXに移行。嫁達もすぐに呼応し、テレサは俺の前面、マリーは後方に陣取った。
そして、煙が割れる演出と共に、中に潜んでいた怪物がこの世界に誕生した。
*****
名前:ゴールデンタイラントワーム(ユニークボス)
レベル:300
腕力:2800
器用:1800
頑丈:8100
俊敏:800
魔力:5000
知力:400
運:なし
【Uスキル】絶対障壁
【Bスキル】金剛外装Ⅴ、超防壁Ⅴ、剛力Ⅴ、怪力Ⅴ、阿修羅Ⅳ、怪力乱神Ⅲ、金剛力Ⅲ、鉄壁Ⅵ、城壁Ⅵ、金剛体Ⅴ、難攻不落Ⅳ、金剛壁Ⅳ、力溜めⅢ
【Pスキル】身体超強化LvMAX、物理耐性Ⅴ、魔法耐性Ⅴ、体術LvMAX、武闘術LvMAX
【PBスキル】破壊の叡智Ⅳ
【Aスキル】毒抗体Ⅷ、衝撃拡散Ⅲ、光合成Ⅲ、森林浴Ⅴ、穴掘りLvMAX、神通力Ⅲ
【Mスキル】土の鎧Ⅴ、魔力超回復LvMAX
【Sスキル】黄金律
★【Eスキル】神樹の祈り
装備:なし
ドロップ:黄金の種(極大)、黄金の王蜜、黄金神香、ランダムボックス
魔煌石:大
*****
そのモンスターの図体はとんでもなく巨体で、『黄金蟲』を10メートル級の巨体にグレードアップしたかのようだった。
「おいおい、ボスより強いじゃないか」
『……』
鳴き声を上げないタイプか。そして、攻撃をするまではこちらに興味を示さないようだ。まあ、『黄金蟲』も『黄金鳳蝶』もそういうタイプだったし、そういうもんなんだろう。
にしてもこのボスは、姿だけでなく性能までも『黄金蟲』を極限まで進化させたかのような性能をしてるな。てか、いくらなんでも強すぎるだろ。演出からして単純なレアⅢではなくレアⅣ、もしくは段階をすっ飛ばしてレアⅤくらいにはなってるかもな。
「『初心者ダンジョン』や『696ダンジョン』のように、ユニークボスからのドロップアップもそのうち狙いたいなとは思っていたが、まさか初っ端から出会えるとはな」
「流石旦那様ですわ!」
「主様の御技を持ってすれば、このように常軌を逸した進化も呼び寄せられるのですね」
これは、どう考えても防御特化型だよな。
島亀の時はスタンピードだったから即決させたが、今なら時間は無限にある。これは楽しめそうだ!
「な、なんでも良いですからはやく倒してくださいー! こんなに大きいと、一般のお客さんにも見えちゃいますー!!」
「……おっと、それもそうか」
そうだった。一般のお客さんもここにいるんだったな。残念だが、今は即殺する事を考えるか。
「……となると」
普段通り戦闘開始して戦いをおっ始める訳にもいかないよな。正直こいつとわちゃわちゃ戦ってみたい欲はまだあるが、せっかくゲートが開通したのだ。次は夜の閉園後にでも遊びに来た時に挑戦してみよう。
……出現は一度きりとかじゃないことを祈ろう。最悪、フィーバー固定する事で出現しなくなるとかなら、もうその時は『アンラッキーホール』で出現させられるよう管理者レベルを上げるしかないな。
「じゃ、一撃で仕留める。テレサとマリーは、もしコイツが生きてた場合の支援を頼む」
「承知致しましたっ!」
「お任せくださいー!」
まず奴を一撃で倒すには、あの『金剛外装』と『超防壁』が邪魔だ。多分『絶対障壁』とかいう能力も、それ系統の能力だろう。2つのスキルとは別の存在が奴を包み込んでいる。
まるで、今俺がいる場所と、奴が存在している位相が異なっているかのような、妙な感覚だ。通常攻撃はまともに入らないと見て良い。
ただ、それは対抗策を用意していなかった場合の話だ。
「『フルブースト』『結界破壊』『灰燼剣』」
巨神の剣に灰燼の力を乗せ、斜に構える。多分、『結界破壊』で3つの壁は突破できるはずだ。だけど、灰燼だけではコイツを殺しきれない気がする。
……なら追加で技を2つ重ねるだけだ!
イメージしろ。全てを断ち切り、灰燼と化すまで燃やし尽くす、飛ぶ斬撃を!
「……断ち切れ! 『閃断・灰燼』!!」
金色の外装も、半透明な防壁も、世界がブレて見える障壁も、圧倒的巨体を誇る巨虫も、その全てを切り裂く青白い焔の閃撃が空へ向かって飛んでいく。そして空の限界点に激突すると、轟音と共に青白い火花を巻き起こした。
「たーまやー」
【レベルアップ】
【レベルが78から416に上昇しました】
【深緑の黄金が撃破されました】
【以後一ヶ月間、該当ダンジョン第一層の全モンスターのドロップ率が上昇します】
【以後一ヶ月間、該当ダンジョン全層にて、採取アイテムの出現率が上昇します】
通知が鳴り響いた瞬間、足の踏み場もないほどの花畑が足元に広がった。
……もしかして、花畑も採取アイテム扱いされてる? となれば、本来の花畑はどえらい事になってるんじゃ……。
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