ガチャ727回目:光の槍
充電ーっと。
レベル:64
腕力:37769(+37702)
器用:37773(+37706)
頑丈:37757(+37690)
俊敏:37802(+37735)
魔力:38191(+38126)
知力:38107(+38042)
運:42806
『エネルギー残高 38/100』
おー、4万超えたなぁ。
なんて事を考えつつ、いつもの『充電』を済ましていると、ミスティは全て承知の上で聞いてきた。多分、聞いていいのか分からないって顔をしていた2人の代わりになってくれてるんだろう。
「ん。ショウタ、ドロップ出ないね?」
うんうんと頷くテレサとマリーに微笑ましく思いつつも、俺の見解を伝えた。
「ああ。レアⅣは確定らしい。問題は、レアⅢの煙が2つで足りるのかどうかだな」
「私とマリーは、主様の言う煙は見えておりませんが、煙というのはモンスターを倒した際に、たまに見える煙のことなのですか?」
「ああ。俺の見解で言わせてもらうと、まず煙ってのは、モンスターごとに定められた『運』の値を満たしていれば、誰でも見れる代物だ。そしてそれは、モンスターの存在を形作る上で必要不可欠なもので、うちのイリスが巨大化するのにも必要だったりする」
「勉強になりますっ」
「で、雑魚の煙はすぐに霧散するんだけど、レアモンスターの出現条件を何らかの形で満たすと、煙は散らずに時間をかけて再集結を果たし、レアモンスターに進化するわけだ。その際にも、『運』が足りなかったり、他の要素で条件を満たせなかったりしたら、集まった煙もまた消えていっちまうんだけどな」
「これは、今まで主様が辿ってきた道筋の中で、独学で発見したダンジョンのルールなのですね」
「ああ。といっても、これは俺の見解であって、ダンジョンコアに聞いたわけじゃないから確定情報ってほどじゃないんだけどな。それでもまあ、それなりに確度の高いネタだとは思ってるが」
話し終えると、本日何度目かも分からない尊敬と敬愛の入り混じった視線を送られた。ほんとこの子達は、すぐに俺を褒めてくれるんだから……。
もしも半年くらい前の、ガチャを得た前後の俺がこの子達におだてられ、色々と持ち上げられていたら、多分ダメダメになってたかもしれないな。
「おっ、くるか」
そしてようやく2つの煙に動きがあった。
膨大な存在感を放っていた煙は、ゆっくりと1つになり、巨大な存在が世界に誕生しようとしていた。
『ビシッ! ビシビシッ!!』
そこから生まれ落ちたのは、体型はほとんど『レッドコモドドラゴン』を一回り大きくしたようなサイズで、更にその腕には翼と皮膜が存在しており、スキルを見るまでもなく空中戦が得意そうな面をしていた。
『ギャギャア!』
*****
名前:スネークワイバーン(ユニークボス)
レベル:280
腕力:3200
器用:3000
頑丈:1600
俊敏:3300
魔力:2000
知力:1800
運:なし
【Bスキル】剛力Ⅵ、怪力Ⅵ、阿修羅Ⅴ、怪力乱神Ⅳ、俊足Ⅵ、迅速Ⅵ、瞬迅Ⅴ、迅雷Ⅳ、力溜めⅣ
【Pスキル】身体超強化LvMAX、硬化Ⅳ、全属性耐性Lv4、物理耐性Ⅳ、魔法耐性Ⅳ、斬撃耐性Lv5、貫通耐性Lv5、打撃耐性Lv5、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX、姿勢制御LvMAX、摩擦抵抗Ⅲ、重力抵抗Lv4
【PBスキル】破壊の叡智Ⅳ
【Aスキル】毒生成Ⅵ、毒抗体Ⅵ
【Mスキル】浮遊術LvMAX、龍言語Lv3、風の鎧Ⅳ、魔力超回復LvMAX
★【Eスキル】力の波動、高速飛翔、フレイムブレス、サンダーブレス
装備:なし
ドロップ:スネークワイバーンの皮膜、スネークワイバーンの翼、穢れた翼竜の血、スネークワイバーンの逆鱗、ランダムボックス
魔煌石:中
*****
ワイバーン……翼竜って奴か。
スネーク要素はどこかと探したが、尻尾が蛇になってて、頭が不自然にちょっと長い。あとはレッドパイソンみたいな斑模様の肌をしてるくらいかな? これは……『知恵の実』は出なさそうだな。
「エス」
「もうやってるよ」
『ギュアッ! ギュアッ?』
翼竜は飛び立とうと羽ばたくが、身体は一向に浮かばなかった。エスが押さえつけてくれてはいるんだろうけど、それでも圧し潰されず抵抗している辺り、『魔煌石』クラスのモンスターではあるわけか。
『ギュ……ギュアッ!』
飛べないと判断するや否や、翼竜は大きく息を吸い込んだ。そして奴の喉元からは電流が迸る。攻撃の種類を理解し、それに対し防御か回避かの選択に迷っていると、気付いた時にはテレサが割り込んでいた。
「盾よ! 我らを悪しき力から守り給え!」
『バチバチバチッ!』
電撃のブレスがテレサの盾にぶつかり四散した。
「天よ! 悪しきものに神聖なる裁きを! ホーリーレイ!」
『ギギュアッ!?!』
空から飛来した光の槍が奴の両翼を貫き、地面に縫い合わせた。
本体に打ち込めばそれだけで致命傷を与えられただろうし、あわよくば倒せたんじゃないかと思うが……。どうやら、俺の獲物に手を下すつもりはないらしい。
「おー」
「主様、露払いは私が」
「勇者様、どうぞ!」
「ありがとな」
ここまで戦いやすく整えられたらあとはもう倒すだけだ。しかし、コイツは翼竜なんだよな? 細かい事を言えば竜とは別の生き物って感じではあるが、竜が付く以上ある程度竜との関連性はあるはずだろう。『龍脈』スキルはないけども。
だからこそ、あの『竜殺し』が機能するはずだ。
俺は久しぶりに片手武器のみで戦う事を決め、グラムを手にした。
『ギュア……!!』
翼竜もグラムの存在が恐ろしく感じたのか、後ずさりしようとする。しかし、重力の檻と光の槍が邪魔をして、満足に動けないようだった。
「『フルブースト』」
さて、このグラム。『神器』のくせして特にこれといった特徴もなく、無難に強いだけの存在だ。セット効果が発揮されるべき片割れがいないのだから当然と言えば当然だが、グングニルのようなデカいデメリットを抱えつつも、それを上回る圧倒的なメリットが存在しないのが、俺にはどうも不自然でならない。
だから、これを単独で集中して使えば何か答えが見えるんじゃないかと思ったわけだ。
で、結果からいえば……何かあるといえばあるんだが、まだ条件が満たせていないんだろう。コイツに秘められた武技スキルを使うことはできないようだった。
「残念だ」
だが、使わない事にはその条件も見つけられないだろうし、今はこのまま倒してしまおう。
「燃やし尽くせ。『灰燼剣』!!」
『ギュアアアッ……!!』
『滅殺の矢』を覚えたことで、灰燼にする力への理解が深まり、技の威力とコントロール能力が強化されたようだ。今までこの力は、剣に纏わりつかせるには危なすぎて『閃撃』にしてぶっ飛ばしてたくらいなのに、今回はしっかりと剣に定着させる事ができていた。
灰燼も滅殺も、物理的な技というよりも高エネルギー体を操る技だからな。どんなに基礎ステータスを爆盛りしようと力技では引き出せる能力には限界があったのだ。
直接剣に上乗せできるようになった事で、広範囲を焼け野原にすることなく、その威力の全てを余すことなく一撃に回すことができるようになった。これからはこれをメイン武器にしていくか。
【レベルアップ】
【レベルが64から416に上昇しました】
【君主の騎竜が撃破されました】
【以後一ヶ月間、該当ダンジョン第二層の全モンスターのドロップ率が上昇します】
【以後一ヶ月間、該当ダンジョン第二層の採取アイテムの出現率が上昇します】
通知か。
まあ、そうなるよな。
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