ガチャ725回目:普通の階層
深層に向かって駆け抜ける増援が通り過ぎたのを確認し、俺達は軽く雑魚モンスターの相手をし始めた。
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名前:レッドパイソン
レベル:21
腕力:200
器用:200
頑丈:200
俊敏:240
魔力:100
知力:30
運:なし
【Bスキル】剛力、怪力
【Pスキル】鞭術の心得Lv3
★【Eスキル】締め上げる
装備:なし
ドロップ:レッドパイソンの肉、レッドパイソンの斑皮
魔石:小
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ちょっと大きめのニシキヘビではあったが、毒は吐いてこないし厄介なスキルも持ち合わせていない、ちょっとスキルがあるだけのただの蛇だった。
……レベルにしてはちょっとスキルが豊富かもしれんが。その辺も豊穣の由来だったりして? なんせ、『初心者ダンジョン』では問題児が落とす『怪力』もしれっと出すんだもんな。あの頃は1個で数千万に大騒ぎしていたのが懐かしい。
「ん。多分だけど、確率が激渋なんだと思う」
「今の兄さんの前では、激渋設定だろうと、追加で10分の1にされていようと、関係ないだろうけどね」
表情を読んだ双子の会話に、ついていけなかった2人がクエスチョンマークを浮かべた。けど、ある程度のアタリはついているようでもあった。
「もしかして、スキルの事ですかー?」
「ああ、そうだよ」
「なるほどですね。改めて疑問なのですが、主様の『運』はどうなっているのでしょう。今の所、視えたスキルは百発百中ではないですか」
「今日1日だけで、一体どれほどの数のスキルオーブを見たことやら。一生分のスキルを見たような気さえしますねー。……それに、なんだかドロップするスキルが1個多くないですか?」
マリーが頭を抱える仕草をした。
「そういやまだ俺の秘密、何も打ち明けていなかったな。テレサもマリーも、覚悟ができてるなら教えるけど」
その言葉を聞いた2人は心底仰天したようなリアクションを見せた。
「え……ええっ!?」
「も、もうちょっと紆余曲折あるのかと思ってました……」
「まあ、それくらい2人の事は気を許してるって事だよ」
抱いた以上は責任は取るつもりだし、手放すつもりはさらさらないからな。
「勇者様ぁ……!」
「主様……! 本当に、よ、よろしいのですか?」
「ああ」
「ん。そういえば、ショウタの『運』って、今いくつあるの? 沢山溜めこんでるんだよね」
「確かに。どのくらいになったんだい?」
「じゃあとりあえず『運』を伝えとくな。これを知っているなら、俺の秘密の大部分を知ってると言っても過言ではないしな」
双子がうんうんと頷いた。
「俺の『運』は今、41962。約4万2千だぞ」
「「よ……4万ですか!? 4千ではなく!?」」
「おー」
見事にハモったな。
「あとスキルオーブが増えてるのは、この装備のおかげだな」
俺が『倍化の腕輪』の説明をすると2人は再び仰天した。反応が面白いなぁ。
「じゃ、モンスターの様子も知れたし、行動開始だ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうしてそのまま十数分かけて、400体を超える数の蛇を肉と皮にした俺達は、中央の森に再集結していた。
「エス、マリー。ご苦労様」
「はいっ。数は少なかったので、対処は簡単でした!」
「兄さん、お疲れ。ついでにモンスターも捕まえてあるよ」
2人には四層の時と同様に、先行して見張りの対処をお願いしていた。騒ぎとは無縁な階層であると誤認していた連中は、あっさりとマリーの唄で深い眠りに落ち、エスが一纏めにしてくれていた。そして出現した4体のレアモンスターも、一緒に拘束してくれるというオマケ付きだ。
「それにしても兄さん、多めに狩ったね?」
「まあな。他のダンジョンでは同時撃破でレアⅡが出るパターンもあったし、念の為だ」
ここでは100体討伐しても宝箱などは出ず、普通にレアモンスターが出てきてくれていた。そして出現したのが……これか。
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名前:レッドツインパイソン
レベル:88
腕力:880
器用:880
頑丈:880
俊敏:440
魔力:2000
知力:880
運:なし
【Bスキル】剛力Ⅱ、怪力Ⅱ
【Pスキル】身体強化Lv5、鞭術Lv3
【Aスキル】毒生成Ⅱ、毒抗体Ⅱ
★【Eスキル】締め上げる、交咬
装備:なし
ドロップ:レッドパイソンの毒腺、レッドツインパイソンの背骨
魔石:大
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レッドパイソンをちょっと大きくした程度の蛇だが、それでもここまでのサイズになると、アナコンダみたいだな。あと、頭が途中から枝分かれして二つになってる。喧嘩したりしたらどうなるんだろうか。
そんな連中が、エスの風に捕まって身動きがとれないでいる。
「特殊なスキルも技能もないみたいだし、このまま同時に狩るか。エス重ねてくれるか?」
「了解」
そうして一纏めになったところに、『雷鳴の矢』をぶち込んだ。
『スパァンッ!』
いつも通り弾ける音がしたが、エスが空気の膜で遮ってくれる。ホント助かる。
【レベルアップ】
【レベルが42から108に上昇しました】
88でも4体纏めてだったから何とか100を越えてくれたな。
ほい充電ーっと。
レベル:8
腕力:37713(+37702)
器用:37717(+37706)
頑丈:37701(+37690)
俊敏:37746(+37735)
魔力:38135(+38126)
知力:38051(+38042)
運:42094
『エネルギー残高 35/100』
「さーて、どうなるかな」
そうして待つこと数分、煙は4つのまま個別に膨れ上がった。
『シャアアアッ!』
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名前:レッドリザード
レベル:130
腕力:1400
器用:1350
頑丈:1500
俊敏:1000
魔力:1000
知力:900
運:なし
【Bスキル】剛力Ⅳ、怪力Ⅳ、阿修羅Ⅲ、力溜め
【Pスキル】身体強化LvMAX、鞭術Lv8
【Aスキル】毒生成Ⅳ、毒抗体Ⅳ
★【Eスキル】締め上げるⅡ、交咬Ⅱ、ファイアーブレス
装備:なし
ドロップ:レッドリザードの火袋、レッドリザードの骨付き肉
魔石:特大
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デカいトカゲか。だが、何だろうな。
コレで終わりとは思えない雰囲気を感じるな?
とりあえず、このまま4体纏めて葬ってみるか。
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