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ガチャ701回目:第二変身先

「初めまして救世主殿。私はこの『588ダンジョン』にて支部長を勤めさせていただいておりますヘンリーと申します」

「よろしくお願いします」

「兄さん、おかしな計器類は無さそうだよ」

「おう、サンキュー」


 俺達は今、このダンジョン協会588支部内にある支部長室に案内されていた。とは言っても、ここはもう敵地に近い位置にあるため、変身は解いていないし警戒も解かない。失礼かもしれないけど、計器のチェックは当然の義務だ。

 向こうもその辺は理解してくれているみたいだ。まあ今回の作戦についても、詳細を把握しているのはこの支部長と一部の職員だけだからな。


「救世主殿、こちらが例のリストです。どうか役立てて下さい」

「助かります」


 早速資料に目を通す。そこには、この近辺を根城にして行動している()()()()()2人組や3人組の顔写真が並んでいた。性別の違うものに変身はできるけど、慣れないうちはやめておいた方がいいだろうし、なるべく男2の女3になるよう選ぶとして……。


「ふーむ……。都合の良さそうなのはこれと、このペアかな」

「ん。この中ではコイツだけはそこそこの階級にいたはず。丁度いいね」

「兄さんに以前渡した連中の組織リストにいた奴だよ。覚えがないかい?」

「あー、そういえば見たことがあるような」


 ……ないような?

 ううん、記憶が曖昧だ。


「勇者様、これは写真経由でも変身ができるのですか?」

「いや、そんな高性能じゃないよ。だから()()調()()する」


 連中の配下にもまともな人員はもしかしたらいるのかもしれないが、あんなのと関わってる時点でそいつが悪い。だから一切の容赦はしない。ボコって捕えて、潜入帰還が満了するまでは身動きをできなくする。


「悪人に対して躊躇わないその姿勢、素晴らしいです」

「はは、ありがとう」

「では救世主殿、かのダンジョンについてご説明をしても宜しいでしょうか」


 ああ、征服王のダンジョンか。ある程度の話は作戦を立てる上で聞いてはいるけど、改めて現地の人から詳細を聞いておいて損はないかな。


「はい、お願いします」

「まず、征服王が支配するダンジョンのナンバリングはNo.100。最初期に出現したエンドナンバーです。そしてかのダンジョンの通名は、奴が支配するまでは『豊穣のダンジョン』と呼ばれていました」

「へぇ、豊穣か」


 色々と自生してそうだな。イリスが喜びそうだ。

 ちなみに今は『王の庭』と呼ばれてるらしい。

 ……そっちで呼びたくはないな。


「かのダンジョン一帯は、常に征服王の配下が入場を規制しており、部外者が入るのは不可能とされていました。特にここ最近は何かを警戒していたのか、厳重な警備体制が敷かれていたのですが……。そちらもつい今朝方になって解除されたようです。私共としては、誰を警戒しているのか露骨すぎて面白かったのですが、流石に維持が難しいと判断したのでしょう」


 まあ、あいつらが分かりやすく警戒心をむき出しにしている間も、俺は目立つようにカスミ達とデートを繰り返し、終いには大規模な結婚式を挙げたからな。警戒するのも馬鹿らしいと思ったんだろう。

 もしくは、昔から何かとやられっぱなしだった日本人だからと、反撃はないと高を括ってたり、なめくさってるのかもしれないが。


「以前までの管理体制へと戻ったので、入場するための規制は元通りとなりました。現状ですと、奴らの関係者から許可証を手に入れるか、幹部クラスのメンバーが同行しなければ入れません」

「スマートに入るなら許可証をもらう必要はあるだろうけど、奴の庭でそんなのんびりする訳にはいかないな」

「だね。許可証ルートだとどうしたって監視はつくだろうし、そうなっては自由に動けなくなる。監視の目を潰してから動き始めてもすぐにバレてしまうだろう。兄さんが本気を出せば、その制限時間中になんとかできるかもしれないけど……」

「そこまで器用じゃないって」


 まあ、今回はのんびり攻略するいつものスタンスと違って、攻略データとも呼べるマップ機能を全開にして戦う。だから流れとしては……。

 第一段階で鍵が入手しやすそうな階層を探して可能な限り鍵を集める。

 第二段階でボスをぶちのめして権利を確保。

 最終段階で征服王に勝負を挑む。

 ある程度答えが見えている状態での探索だから、早ければ数日で権利の確保までいけるかもしれない。


「ああそうだ、『豊穣ダンジョン』って何階層まであるんですか? エスも第五層までしか把握してないみたいで」

「はい。噂では第七層まであるとされているのですが、幹部でも入れるのは第五層までのようです」

「なるほど」


 奴は話を聞く限りだと、ダンジョン内で獲得できる増強アイテムの増減やら位置変更とかをやってるっぽいんだよな。鍵の入手数は想定では1個だけなのにそれができてるって事は、多分6層か7層に『知恵の実』相当の何かがあるとみるべきだな。

 それで誰にも大事なそれを触れさせないように完全封鎖してると見た。ただ、権限レベルや『知恵の実』が1つでは、モンスターの出現変更機能まではできないだろうし、物理的に封鎖しているだけでモンスターそのものは出現し続けている可能性が高い。

 だから1~5層でできる限りの事をした後は、ボスに挑まず奴の秘密を暴いてみるのも手か?

 俺は今考えた内容をエスとミスティにだけ伝わるようボカしながら伝えた。


「ん。ショウタの前で、次の階層の入口を隠すなんて無意味」

「そこまで進行してたらこっちの侵入が発覚するのも時間の問題だろうしね。なら、逆にこっちから存在を教えて混乱させるのか。面白いね」

「主様がお望みとあらば、私はどこまでもお供致します」

「勇者様にどこまでもついていきますっ!」

「ああ、よろしく頼むな。それじゃあまずは、このリストにある連中を探し出そうか」

「「OK」」

「「はいっ!」」


 リストにはよく出没する場所が記載されてるけど、運よく出会えるかな? ……いや、運が絡むのならば、遭遇はほぼ確定かもしれないな。

読者の皆様へ


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