表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
738/1094

ガチャ692回目:プラチナの中身は

「んじゃ、お次は『アクーパーラ』いくかー」

「神話に登場する名を冠したボスですか……」

「あれ、私達のチームじゃ絶対勝てないね」

「相手の攻撃もさることながら、防御力が抜きんでています」

「しかも、殻に籠ったら無限回復しちゃうんでしょ? ムリかなー」

「むしろ、遭遇しちゃったら殻に籠らせてる内に、マップ転移で逃げるが勝ちね☆」


 ああ、そういう使い方もできるのか。その発想は無かったな。

 逃走手段の1つとして利用できるのなら、やっぱりイズミに秘宝効果付きの『アトラスの縮図』を渡せたのは幸運だったな。


【武器】

【防具】


「分かりやすくも悩ましい選択肢だ。けど、防具一式じゃないんだな」

「ボスなんて何度も挑戦できる相手じゃないし、1回のチャンスでセット装備の一部位が出るなんておかしな話よね。となれば、単品での完結型かしら?」

「盾とかになるんでしょうか?」

「悩ましいところですが、今までの傾向からして選択肢の上側が当たり枠であることが多かったですわ。そんな防具を差し置いての武器。とっても気になりますわね」

「ふふ、そうですねお嬢様。ご主人様、どうなさいますか?」

「そうだなー……」


 防御型モンスターの防具も気になるが、それを超える当たり武器がどんなものか……。やっぱそっちだよな。


「んじゃ武器でっと。……暗闇の中身は~」


 中身を引きずり出し、出て来たソレに全員の視線が集まった。


 名称:砕骨爆身

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:大槌

 武器レベル:64

 説明:骨を砕き、身を爆発させる処刑武器。補助スキルに『力溜めⅤ』『ウェポンブレイクⅣ』『アーマーブレイクⅣ』が備わっている。武技スキル『粉骨爆身』が使用可能。


「うっわ、引くほど強い……」

「うわー、トゲトゲ鈍器だぁー……」

「『狂化乱舞』のスキルがついてなくてほっとしました」

「それがついていたら、別の意味で『伝説(レジェンダリー)』の武器になっていましたね」

「とっても強そうですけど、旦那様の戦闘スタイルには合いませんわね?」

「『巨神の剣』と『グングニル』みたいに、片手で持てなくもないけど……。両手持ちして振り回すのもなんか違うな。楽しそうではあるけどな」


 てか、大槌なんて武器をメインにしてる子、うちにもカスミのチームにもいないんだよな。まあ二つ名的に、マリーは持っててもおかしくないけど……。なんたって、『撃滅聖女』だもんな。俺的には『ほろ酔い聖女』だけど。

 けど、彼女にあげるほど俺に貢献があった訳じゃないし、それをしちゃうとあの4人にもよくない気がする。だからといってお蔵入りするのも勿体ない。ならここは……。


「レンカ、武器チェンジしてみない?」

「え、ボク?」

「相手によっては接近して殴るのが難しい敵だっているだろ? 今回俺が戦った相手だって、直接殴ったら拳が壊れかねない相手だったしな。それに、直接ぶん殴る気持ち良さと、これで爆殺する爽快感は、それほど大きな違いもないと思うんだよな」


 近接格闘の経験はそんなにないけど、あながち間違っていない気がする。


「うーん、お兄さんがそういうなら、使ってみようかな。今までなら、雑魚相手だといくらでも殴りかかれたけど、最近では特殊な能力を持ったレアモンスターを相手する機会が増えて来て、近付く事すら難しい事が増えたんだよねー。だから、直接殴れる相手って、実はそんなにいなかったんだー」

「そうですわね。最近のレンカは、戦闘に参加できなくて、少しつまらなさそうでしたわ」


 イリーナの言葉を聞いて、リーダーとサブリーダーであるカスミとハルがハッとした。


「レンカが前で戦うのが好きなのは知ってたのに、窮屈な思いをさせてごめんね」

「……そこは私の指示でもあるけど、最近のレンカのポジション、後ろの方に距離を置かせることが多かったわね。ごめんなさい」

「いいよいいよー。ぶん殴ってスッキリもしたいけど、それで怪我して心配かけたくもないしねー」

「レンカ殿。某、武器全般の扱いは心得ています。信じてついて来てくださるのであれば、スキルがなくとも前線で活躍出来るくらいの練度にまで高める事はできるかと」

「うん、勿論信じてるよー! よろしくねハヅキー!」


 うん、何か綺麗にまとまったな。

 んじゃ最後は、『シードラゴン』の宝箱だ!


「プラチナかー。何が来るかな?」

「ん。『幻想(ファンタズマ)』くるかな?」

「プリズムじゃないけど、ドラゴンだものね」

「楽しみね!」


【神器】

【秘宝】


「おお、来てくれたか。『秘宝』も気になるといえば気になるけど、ここで『神器』を無視するほど『秘宝』に飢えてるわけじゃないしな」

「ん。この流れで選択しないはない」

「問題は武器種だよね」

「あと、扱いやすさですわ!」

「『グングニル』みたいに、ピーキーじゃなきゃ良いんだけど」

「あはは。でも神話上に出てくる武器なんて、大抵がピーキーな活躍と性能のお話ばかりだけど」

「ショウタさんが大変な目に合わないことを祈ってます……」

「マキせんぱーい。それ、フラグですかー?☆」

「イズミほどじゃないにしても、マキお姉ちゃんも『運』が高めだし、フラグなんて成立しないと思う。……思いたいなぁ」

「カスミ、そこで急に自信なくすのはやめなさい」


 皆楽しそうに盛り上がってるなぁ。まあ、『幻想(ファンタズマ)』武器の『神器』だしな。しかし、ドラゴン繋がりでの武器って、割と限られるようで幅広い逸話が多いから、予想はできないよな。『グングニル』だって、出現した場所は洞窟の中だったし、逸話と入手場所はあまり関係ないのかも。


「さーて、何が出るかなっと」


 眩く輝くプラチナの光を開け、その中に広がる暗闇に手を突っ込む。そして握ったそれは、俺に凄まじい高揚感を与えた。

 ゆっくりとそれを引き上げ、その全貌を顕わにさせると、出てきたのは黒い刀身を持つ長剣だった。


 名称:竜殺剣・グラム【神器】(弱体)

 品格:≪幻想≫ファンタズマ

 種別:神器【長剣】

 武器レベル:60(80)

 説明:神話に登場する神器武装を具現化したもの。十全に使い熟すには持ち主にも相応の素養が求められる。絶大な力を授けるとされるが、もう一振りが揃わないと本来の性能が発揮されない。機能の一部が封印されている。

 神器スキル【竜殺宣誓】:戦闘中30000の魔力を消費することで発動。本来クリティカルが発生しないドラゴン族に対して、一定時間低確率でクリティカルが発生するようになる。


「お……おぉ?」


 待望の片手剣タイプと思いきや、こいつの説明文を見る限り、本来は双剣タイプで、セット対象となる相方がいないと本来の力が発揮されないタイプなのか。

 そのせいで弱体化のあおりを受けて、武器レベルが60にまで下がってしまっている。けど、品格は『幻想(ファンタズマ)』だから、ちょっとやそっとじゃ破損しないだろうし、60でも十分メイン武器に入れるくらいには強いだろう。

 あと、機能の一部が封印されているのは、『神器』だとお馴染みの効果なのかな? スキルの『宣誓』も、俺が使えば低確率じゃなくて確定になりそうな気がするし、普通に有用スキルだろう。まあ、この一定時間ってのがどれくらいの長さかにもよるんだが、3万も消費させておいて数秒で切れるとは思いたくはないな。


「ちょっと弱くなってても、十分すぎる性能よね!」

「危険な負担が無くてよかったです」

「とーっても、カッコイイですわ!」

「ん! 黒い剣、超カッコイイ!」

「今後は『グラム』と蛇腹剣の二刀流ですか。……ありですね」

「なんと美しい……」

「うん、黒い刀身がとっても綺麗ね……!」

「……」


 なんて、性能が弱くなってることを気にしてるのは俺くらいの物で、皆は安全な武器の登場に一安心してるみたいだな。まあ、俺も『グングニル』みたいなちょっと扱いに困る武器が量産されても困るし、多少弱いくらいどうってことないか。

 さて、ようやくアイテムの確認も終わったし、あとは会議の時間までのんびりしますかね。今日も報告する事が山ほどあるなぁ……。

読者の皆様へ


この作品が、面白かった!続きが気になる!と思っていただけた方は、

ブックマーク登録や、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★へと評価して下さると励みになります。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版第四巻 12月20日より好評発売中!
レベルガチャ1巻表紙絵 2巻表紙 3巻表紙絵 レベルガチャ4巻
コミカライズ第二巻 12/15より発売決定!予約受付中!!
コミカライズ1巻 コミカライズ第二巻
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ