ガチャ683回目:アイテム修復
ドロップアイテムの多さに眩暈がしたが、共有したい情報はそれだけじゃないんだよな。
「帰った時に軽く報告はしたけど、この際だから今回のスタンピードで回したガチャで出た、特殊なアイテムも出しておくな」
そうして並んだのは以下のアイテム達だ。
『神秘の果実【耐性スキルセット】』
『伝授の宝珠(『遺産』)』
『マジックバッグ』
『巨神の剣』
『アルケミストラボ』
『白夜鋼』
『神鉄』
『アイテム探知機』
『アイテム修復機』
そして改めて、『マジックバッグ』と『巨神の剣』については、分かっている情報を全員に共有しておく。
「神々しい素材に、ヘンテコな装置に、武器まで……。ここのところのガチャは、本当に、色んなものを出すわね~」
「回が進むごとに、びっくり箱になってきてますわ!」
「ん。色々と出て飽きない」
「……ショウタさん。もしかしてですけど、この修復機を使えば、例の破損した兜を修理できるのではないでしょうか」
「ああー。そういえばそうだな」
以前補修しても、魔鉄だったせいかパンドラ戦ですぐ再破損しちゃって、それ以降は頭だけ何もつけてなかったんだよな。頭なんて心臓と同じくらい大事なところだし、更には急所となりうる箇所が密集している弱点てんこ盛りな部位とも言える。
けど、弱点である反面感知できる器官の密集箇所でもあるから、ステータスが上がった今となっては一番警戒が働く分、被弾が少ない場所とも言える。だからまあ、危ないっちゃ危ないけど嫌な予感が働く相手が来そうもないという安心感もあって、今回の騒動では実質ノーガードだったんだよなぁ。
「『天翼の兜』が修復できるならそれに越したことはないが、素材はこの……『神鉄』だろうか?」
とりあえず、順番に見ていくか。
名称:アイテム修復機
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種別:魔導具
説明:破損したアイテムをセットし、いずれかのエネルギーか、対応する素材をセットすることで、破損箇所を完璧に修復できる神の贈与品。
★対象エネルギー:魔石エネルギー、充電エネルギー、スキルエネルギー
名称:神鉄
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種別:素材
説明:神の力を宿した神聖な鉱物。天界で作られる武具にはかならず使用されているほどポピュラーな素材だが、地上での入手は困難を極める。
名称:白夜鋼
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種別:素材
説明:白と黒の2色と、2種の力がバランスよく配合された特殊な鋼。天界と魔界、2つの力を宿した稀有な武具にのみ組み込む事で真価を発揮する。しかし、どちらか片方の側に性能が偏ると途端に性能が低減する。
うーん、見事に全部『伝説』だな。
そんで、またしてもエネルギーを要するタイプか。これも事前に、スキルオーブの分解機が出た事で、基本的な消費ポイントシリーズが揃った影響か。
んで名前の通り修理に使えそうなのは『神鉄』か。ここで使うのは勿体ない気もするけど、使うあてなんてこれくらいしかないしな。このタイミングで来た以上、使わないといけない感じもするし、遠慮なく修理するか。
「えっと、ここに入れればいいのかな?」
『アイテム修復機』の上部には投入口と思われるお椀型の装置がアリ、その内側は宝箱や魔法の鞄でよく見る暗闇だった。そこに兜と『神鉄』を入れ、ひとまず余りがちな『魔石エネルギー』を使ってみるか。
『魔石変換器』をジョイントしてっと。
【ピピピッ】
【『遺産』装備の投入を確認】
【十分な量の基盤素材を検知】
【完璧な修繕が可能】
「おお」
【修理に必要とするエネルギーの使用割合を選択してください】
【0%】
【消費ポイント:500】
その文面と共に、目の前につまみ付きのシークバーが出現した。
「ん?」
どういうことだ?
いや待て、説明文にもあったな。『エネルギー』か『素材』って。
ということは、素材が無くてもエネルギーで代用可能だし、エネルギーの使用割合を増やせばその分素材の使用量も減るって事か。それでも0%でも500ポイントが最初から選択されているのは、必要経費というか、修理を行使するために必要なエネルギーってところか。
「で、どうしようか」
「希少なLRから出てきた素材ですし、全部使ってしまうのは躊躇われますね」
「今後、他の何かに使うかもしれないもんね」
「ですけど、今回の修理で全て丸々使うかも怪しいところですわよね」
「代用可能なポイントがある以上、一旦5割の状態でどの程度使用するか確認しては?」
「だな」
つまみを操作し、50%のところまで移動させると消費エネルギーが爆上がりした。
【消費ポイント:240500】
「エグいくらい使うな」
んじゃ、25%くらいなら……。
【消費ポイント:60500】
「んん?」
100%なら?
【消費ポイント:1920500】
「oh……」
「つまり、足掛けとなる素材が少ないほど、消費ポイントが高くなるという事でしょうか」
「中々えぐい仕様だな。それでもポイントはあるにはあるが、つい最近他にも使用用途が出て来ちゃったしな」
「新しい管理のためですわね!」
「それに、ポイントの加算は容易とはいえ、魔石は補充用にも販売用にも幅広く使えますからね」
「協会のダンジョンゴミの処分に協力するって名目で投入素材を集めるのにも、限度があるからね☆」
『ゴ~』
「だな。エンキ達のおやつにもなるもんな」
といっても、彼らの好物の魔力は相変わらず俺からの直接供給なので、魔石おやつは味変要素でしかないんだが。
それじゃ……。全部は使わず、かといって素材を浪費するのも考え物だし、最初に選択した50%で良いかな。
そうしてポイントを使用して修理を実行した結果、『天翼の兜』は新品のような輝きを取り戻し、『神鉄』は半分ほどの大きさになって戻ってくるのだった。
「さーて、確認するアイテムは山ほどあるが……次は何から確認しようかね」
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