ガチャ673回目:1099ダンジョンボス
ガチャでゲットしたスキルについてあらかた説明を終えたところで、煙に動きがあった。ようやくボスのお出ましか。
『ポポ』
『♪』
エンリルとセレンがクリスを呼びに行ってくれたので、俺達は何が出ても構わないように戦闘準備をする。
「兄さん、今回はどうする?」
「流石にボス相手にソロで挑むつもりはない。ただ、今後も同種が出ないとは限らないから戦闘データは欲しい。互いに死なないように立ち回ってくれ」
「了解だ」
「ん。なら私も二丁拳銃で行く?」
「いや、ミスティは念のため後方で対物ライフルを用意しておいて」
「ん。わかった」
ミスティとハイタッチをしていると、クリスがやって来た。
「お待たせしましたわ。わたくしはどうしましょうか」
「クリスは、ひとまず様子見でミスティと一緒に居てくれ。サポートが必要なら頼むし、俺らが楽勝そうなら一撃だけ入れてくれ」
「畏まりましたわ」
さーて、何が来る……?
そう思い身構えていると、大質量の何かが煙の中から誕生し、海の中へと落ちていった。
『ドバシャン!』
あまりの質量に周囲には大量の飛沫が舞い、視界が奪われる。しかしセレンとクリスが協力し、それらを払ってくれた。
一瞬だが見えた姿は、『シーサーペント』のすらりとしたボディとは似ても似つかないゴツゴツした肉体が見えたが……。その存在感の強さは、『アクーパーラ』ですら霞んで見えるほどだったが、逆にオーラの種類は、クピドと同種の神聖な何かを感じさせた。
警戒心を強めていると、海からゆっくりとその主が頭を出してきた。
「「「「!?」」」」
その頭はヘビのそれではなく、肉食の爬虫類のように獰猛で、その眼はギラつき人間への憎しみで染まっていた。
その姿には見覚えがあった。過去に一度、日本で起きた大規模スタンピードにて、『上級ダンジョン』から現れたたった1体の凶悪モンスターが、街を火の海に変えたのだ。
「ドラゴン……!」
『GRAAAAA!!』
ドラゴンが叫ぶと、氷と共に心が壊されるかのような錯覚を覚えた。こんな重圧、一般人が聞いたら発狂しかねんぞ。
*****
名前:シードラゴン(ダンジョンボス)
レベル:540
腕力:8000
器用:7000
頑丈:6000
俊敏:5500
魔力:40000
知力:9000
運:なし
【Uスキル】真鑑定Lv5、気配偽装LvMAX
【Bスキル】超防壁Ⅶ、剛力Ⅶ、怪力Ⅶ、阿修羅Ⅵ、怪力乱神Ⅴ、金剛腕Ⅳ、金剛力Ⅴ、力溜めⅣ
【Pスキル】身体超強化LvMAX、竜鱗Ⅲ、全属性耐性Lv5、物理耐性Ⅶ、魔法耐性Ⅶ、冷気耐性Ⅱ、灼熱耐性Ⅱ、斬撃耐性Lv8、貫通耐性Lv8、打撃耐性Lv8、状態異常耐性Ⅱ、知覚強化Ⅱ、思考加速Ⅱ、自動回復Ⅴ、再生Lv5、体術LvMAX、武闘術Lv5、竜爪術LvMAX、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX、姿勢制御LvMAX、摩擦抵抗Ⅱ、重力抵抗Lv3、空間把握Lv4、水泳LvMAX
【PBスキル】破壊の叡智Ⅴ、魔導の叡智Ⅴ、水の聖印Ⅳ、天の聖印Ⅳ、神の聖印Ⅳ
【Aスキル】予知Ⅱ、毒抗体Ⅳ、暗視Ⅳ、衝撃Ⅳ、鎧通しⅣ、急所突きⅣ、ウェポンブレイクⅢ、アーマーブレイクⅢ、チャージアタックⅦ、ウォークライⅣ、水深圧殺Ⅳ、神通力Ⅴ
【Mスキル】水魔法LvMAX、泡魔法LvMAX、濁流操作LvMAX、氷結魔法LvMAX、海魔法LvMAX、混沌魔法LvMAX、龍言語Lv3、水の鎧Ⅵ、魔力超回復LvMAX
【Sスキル】威圧Ⅳ、強圧Ⅳ、王の威圧Ⅵ、存在圧Ⅳ、魂圧Ⅱ、神意のオーラ
★【Eスキル】パニックシャウト、龍脈徴収、竜の紋章、連続魔法、ドラゴンブレス(水)、大渦巻
装備:なし
ドロップ:黄金のリンゴ酒、黄金のリンゴの種、シードラゴンの血、シードラゴンの牙、シードラゴンの竜骨、ランダムボックス、管理者の鍵(1099)
魔煌石:特大
*****
ああ、流石ドラゴンと言ったところか。
このステータスに未知のスキル群は、間違いなく今まで出会った中でも最上位に君臨するスペックだ。最新ダンジョンのボスを名乗れるだけの実力は持っているな。
てか、ボスのレベルから見ても明らかにこの海底ダンジョン2つはレベルの高いダンジョンだったみたいだな。ちょっと強いだけの強化クラーケン止まりだった『1086海底ダンジョン』のボスとはえらい違いだ。
『GRUUUU……!』
鳴き声からして、今までのモンスターとは迫力が違いすぎるな。
ここにうちの彼女達を連れてこなくて良かったかもしれない。こんな恐怖の象徴である竜と、バッドステータスを誘発するスキルを持つモンスターなんて、お腹の子に良くない影響を与えそうだもんな。
「エスは左、エンキは右! 俺は正面に行く!」
「了解!」
『ゴゴ!』
「ん。私とクリスは援護」
「サポートしますわ!」
さーて、やってやりますかね!
◇◇◇◇◇◇◇◇
「おらっ!」
「はっ!」
『ゴゴ!』
『GRUUU……』
ドラゴンと戦い初めて5分ほど経過した。
そう、何事もなく5分も経過していた。恐らく、俺たちが様子見をしながら戦っているように、ドラゴン側も様子見をしているようだった。モンスター側の『知力』の高さは、そのまま賢さにも直結しているからな。こっちの攻撃に対して防御と反撃はしてくるが、決して深追いはしてこない辺りに、知性の深さと慎重さを感じた。
奴には自動回復系のスキルがあることから、こんなちまちました攻撃では損傷を与えたところですぐに回復されるし、あまり意味はないみたいなんだよな。逆にうちのメンバー内には『回復魔法』を持っているメンバーがいないため、長期戦はあまり望ましくない……。と、思っていたのだが、そこもクリスが解決してくれた。なんと彼女も、『回復魔法LvMAX』を取得しているようなのだった。まあ回復能力は本職であるマリーやテレサの方が効果を発揮しやすいようだが、それでもいるのといないのとでは話が違ってくる。本当にお買い得な存在だった。
「こっちが見極めようとしているように、向こうも見極めようと必死みたいだな」
「誰から潰すべきか、無視すべきかを計算しているんだろう。回復手段があっても油断はできない。あまり時間をかけるのは得策じゃないと思うよ」
「……だな」
向こうには『真鑑定』もあるし、こちらのステータスもある程度筒抜けであるということは確かだ。だからこそドラゴンの足元で戦っている中で、一番注意を向けられているのは俺で、次点でエスなのだろう。
あまり奴に対策を立てられ、本領を発揮されても面倒だ。さっさと倒しにかかるのが得策か……!
「エス、『神降し』の準備だ!」
「了解!」
最悪俺も、グングニルの出し惜しみしてる場合じゃないかもな!
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