ガチャ669回目:木っ端微塵
アイテム回収をしてくれていた子達を労っていると、エスが第二陣を発見した。
「兄さん、次が来たよ」
「次はー……大型か?」
「ん。今回も3体いるみたい」
「その奥には第三陣も来てるようだ。合流もすぐじゃないかな?」
「なら、大型を引き寄せつつ、小型から先に処理しようか」
……あ、新技思いついちゃった。
「クリス、降りてきてー」
「はい、ショウタ様」
「小型連中が来たらさー。ごにょごにょ」
「分かりましたわ。お任せください」
「ありがとなー」
「お役に立てるよう頑張りますわ」
いやー、普通はできないことでも、クリスがいるおかげでできることがめちゃくちゃ増えるな。水のある環境下では、クリスの存在で戦いやすさに天地の違いがあるぞ。
「ってわけで、大型も小型も俺がやるから、2人はそのまま待機で」
「了解した」
「ん。了解」
さーて、最初に来る大型は何かなーっと。
……ん? 海から顔を出したのは、見慣れたモンスターだった。色違いだけど。
「もしかして、ここも『クラーケン』か? 色が違うせいで不味そうにしか見えないけど」
「ん。前回もそうだった。エスが倒してドロップは何もなかったから、食べられるのか不明」
「あはは。でも、アレの切り身なんて、食べる気は起きないよ……」
「それはそれとして、こいつらは通常個体と行動パターンが違うのか? 湾内に入ってきてるから、『鑑定』の射程内に入ってきてるな」
*****
名前:ブルークラーケン
レベル:230
腕力:2450
器用:2650
頑丈:1800
俊敏:800
魔力:9999
知力:2600
運:なし
【Bスキル】剛力Ⅴ、怪力Ⅴ、阿修羅Ⅳ、怪力乱神Ⅱ、鉄壁Ⅴ、城壁Ⅴ、金剛体Ⅳ
【Pスキル】身体超強化Lv3、水耐性Lv5、物理耐性Ⅲ、貫通耐性Lv2、自動回復Ⅲ、再生Lv3、体術Lv6、格闘術Lv6、弁天術Lv2
【PBスキル】破壊の叡智Ⅲ、水の聖印Ⅱ
【Aスキル】気配感知、危険感知、反響定位、粘液生成、暗視Ⅲ、衝撃Ⅲ
【Mスキル】水魔法Lv4、濁流操作Lv4、海魔法Lv3、宵闇魔法Lv4、混沌魔法Lv4、魔力回復Lv5
★【Eスキル】墨弾、超速再生、超軟体
装備:なし
ドロップ:ブルークラーケンのゲソ、ランダムボックス
魔石:極大
*****
レベルとステータスは少し伸びたが、スキルに変化はなしと。にしても青い『クラーケン』か。通常のカラーは普通のイカと同じで白色だったから食べる気にはなれたが、コレはどうなんだ?
「基本は同じではあるんだけど、通常の『クラーケン』とは墨の吐き方が違うね」
「ふうん? イリス……は、そんな気分じゃないか」
『プルー……』
食後のリラックスタイムのようで、新たな食べ物の登場など微塵も気にしていない様子だった。俺らからしてみればあれを食べ物と判ずるのは厳しいものがあるけど、イリスには『悪食LvMAX』があるからな。
そう思ってると、青ゲソ集団は大きく息を吸い込むような挙動をした。
『『『ボボボボボボ!!』』』
奴らはまるでマシンガンのように『墨弾』を連射してきた。なるほど、通常個体は単発型だったが、そこが違うのか。数は多いが1発1発の威力が控えめなら、防ぐのは容易だが……。ここは一つ、『聖魔法Lv4』で覚えた魔法でも使ってみるか。
「サンクチュアリ!」
大剣を突き立てると、正面に光の壁が発生した。壁に激突した『墨弾』は、まるで穢れが祓われた邪気のように塵へと変わっていき、その衝撃が壁を越えてくることはなかった。
『『『ボボボボボボ!!』』』
「懲りないなぁ」
連中は構わず墨を吐き続けているが、その全てが光の壁の前で霧散して行く。
この魔法は発動時にはそれなりに『魔力』を持っていかれたが、維持する分には自動回復分でなんとでもなりそうだな。
雑魚が来るまではこのまま放置しとこう。
「ん。ショウタすごい」
「第三陣が来るまでキープかい?」
「その予定だが、もうすぐ来るだろ」
そう話しているうちに、青ゲソの側面辺りをいくつもの影が通過してきた。現れたのは……タコだった。
うーん、ここはマジで海産物ダンジョンなのか?
青ゲソは違うけども。
*****
名前:シーモンク
レベル:84
腕力:1200
器用:1000
頑丈:1200
俊敏:1000
魔力:300
知力:100
運:なし
【Bスキル】剛力Ⅲ、怪力Ⅲ
【Pスキル】身体強化Lv4、体術Lv4、格闘術Lv4、姿勢制御Lv1、水泳Lv2
【PBスキル】破壊の叡智
装備:なし
ドロップ:シーモンクの活き締め
魔石:大
*****
スキルからして、触手を使った格闘タイプか。普通のタコは足先がシュッとしてるのに、こっちは太い。攻撃能力としては強そうに見えるけど、イリスにしてみれば食いごたえがありそうだとか言いそうだな。
普通に正面から叩けばちょっと大変そうではあるが、今回はまとめて排除させてもらおう。
俺は双剣を抜き放ち、合図を送る。
「クリス!」
「行きますわ。『メイルシュトローム』!」
湾内の海水が渦を巻き、侵入していた全てのモンスターがそこに飲み込まれていく。しばらくすると海が爆発し、モンスターは空中に向けて弾き飛ばされ、無防備な格好で投げ出された。
本来は雑魚モンスターだけ飛ばしてもらう予定だったが、青ゲソも混じってるが、仕方ない。
全力で行くか!
「フルブースト! 『閃撃・無刃衝』!」
『斬ッ!!』
一体の巨大な相手に対して使えば細切れにする『無刃剣』を、『閃撃』にして飛ばす。そうすることで、空中に打ち上がったモンスター全てをバラバラに切り裂くことができた。
【レベルアップ】
【レベルが101から341に上昇しました】
第二陣こと『ブルークラーケン』3体。そして第三陣こと『シーモンク』68体。
まとめて殲滅成功だ。
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