ガチャ465回目:レアリティ指定のアイテム
1つ目は少し残念な感じに終わったが、アイラが興味を持っていたので彼女に渡しておくことにした。
んじゃ、気を取り直して2つ目のアイテムから早速チェックしよう。
「『真鑑定』『真理の眼』」
名前:剣の砥石(『固有』)
品格:≪固有≫ユニーク
種別:魔導具
説明:『剣』と分類される武器であれば研磨する事ができる。同じ武器なら最大5回まで研磨可能。研磨する度武器レベルが1上昇する。ただし、研磨を重ねるほど、成功率が低下する。失敗すると、確率で武器が破損する。『遺産』以上の武器を研磨すると、砥石は擦り減り最終的に消失する。
★+1 成功率:100% 破損率:0%
★+2 成功率:100% 破損率:0%
★+3 成功率:100% 破損率:0%
★+4 成功率:100% 破損率:0%
★+5 成功率:100% 破損率:0%
「……んん? 書いてることが違くないか?」
全部100%成功するんだけど。
「ねえ、それってもしかしなくても、ショウタ君だからじゃない?」
「え? ……ああ、そういうこと? 持ち主の『運』が反映されるタイプなのか。じゃあ試しに、アキがもってみて」
「うん」
アキの手に渡った『剣の砥石』を視てみる。
★+1 成功率:100% 破損率:0%
★+2 成功率:80% 破損率:20%
★+3 成功率:60% 破損率:40%
★+4 成功率:40% 破損率:60%
★+5 成功率:20% 破損率:80%
「わぁお」
これは酷い。
露骨に成功率が下がったぞ。それに破損率も比例するように上がってる。
多分、表記的に失敗=即破損ではなくて、失敗した後に破損率の計算が行われる仕組みなんだろうけど……。+4や+5となると悲惨だな。普通の人なら+1で満足しておいた方が良いレベルだ。
「『運』が300越えのアキですらこれなら……アヤネ」
「はいですわ!」
★+1 成功率:78% 破損率:25%
★+2 成功率:56% 破損率:50%
★+3 成功率:38% 破損率:70%
★+4 成功率:17% 破損率:100%
★+5 成功率:1% 破損率:100%
「あー……。うん」
『運』10。それはすなわち、一般的に1度も『SP』を振らなかった場合の最高数値なんだが……。それでこれか。
「酷いですわ……」
「やらない方が良いわね」
「しかし、ご主人様であれば武器レベルを確定で+5までできるのはやはり強いですね」
「ショウタさん専用アイテムといっても過言ではありませんねっ」
「現状消耗無しで強化できるのは、俺のメイン武器である『ハイ・ミスリルソード』と、アイラのサブ武器の『ライフスティール』と予備武器の『マインゴーシュ』だな。まあ研磨は、また今度試してみよう」
あんまり時間かけちゃうと、ミスティが部屋で待ちくたびれちゃうだろうし。
「じゃ、最後にこの『伝授の宝珠』だな。『真鑑定』『真理の眼』」
名前:伝授の宝珠(『遺産』)
品格:≪遺産≫レガシー
種別:魔導具
説明:使用者が獲得しているスキルの内、レアリティが『遺産』以下のスキル・武技スキル、いずれか1つを選択すると効果発動。対象のスキルは複製され、伝授の宝珠がそのスキルに置き換わる。複製したスキルオーブは誰でも使用可能。
「うわっ、ぶっ壊れアイテムが来た」
「ショウタさんのBRは、本当に規格外を量産しますね」
「凄いですわ凄いですわー!」
「使うとしたら断然ショウタ君のスキルよね。何が良いのかしら?」
「問題は、『遺産』以上のスキルに使った際に消費するかどうかですね。もし消費しないのであれば、そのスキルが『伝説』以上であるかが判明するということでもあります」
「ああ、それでスキルのレアリティが測定できるのか」
その発想は無かった。
「つっても、折角出てきたアイテムだし選ぶなら慎重にするべきだよな。1個しか複製できないわけだし」
「そうねぇ。人数分なら『弱体化Ⅱ』が結構気になってはいたけど」
「『スキル圧縮Ⅲ』は絶対『伝説』以上ですわよね」
「『アトラスの縮図』は下手すると『幻想』級ですよね」
「他に有用そうなガチャ産のスキルでいうと『魔導の御手』でしょうか。ですがこれも恐らく『伝説』級でしょうね」
「……俺のスキルって、実は推定『伝説』級スキルが結構あったんだな。意識してなかったけど」
「ショウタ君がこの前ゲットした『天罰の剣』。あれはまだ実戦投入してないけど、その有用性と比べても、今挙げたスキルと遜色ないものよ。誰もが大枚叩いてでも手に入れたいスキルが『伝説』級のスキルと言えるわね」
ふむ。
「旦那様、旦那様」
「ん?」
「旦那様なら、また望めばこのアイテムがガチャから出たりするのではありませんこと? ですので、ここは恐れず、推定『伝説』クラスのスキルに試してみませんこと?」
「……それもそうだな。いつまでも怖がってちゃ前に進めないし、ロストしてもリターンはあるか。それじゃ早速……。『魔導の御手』を対象に選んでみるか」
俺は『伝授の宝珠』を胸に押し付け、『魔導の御手』を強くイメージする。
すると、まるでクイズの解答に失敗したかのような『ブッブー』音と共に、『伝授の宝珠』上部にウィンドウが表示された。
『対象のスキルはレアリティ条件に一致しません』
駄目だったか。
そして一番危惧していた『伝授の宝珠』の喪失も免れた様だった。
「セーフ!」
「セーフですわ!」
その後、彼女達が提示していた他のスキルで試してみるも、同様にエラーが鳴り、『レアリティ条件に一致しない』と表示された。恐らく、どれも『伝説』以上のスキルランクなんだろう。となると……。
「他に有用そうなの『予知Ⅳ』くらいか?」
「有用さでいえば、『魔石操作Ⅱ』も割とありだけど、使う相手がいないわね」
「『知覚強化Ⅱ』や『並列処理Ⅲ』も有用ですけど、ショウタさんのように使いこなすとなると……」
「アイラなら使いこなせそうですわね!」
「というわけだが……。アイラ、どっちかいるか?」
「では……。『知覚強化Ⅱ』を、と言いたいところですが、このスキルは確か現在(2/3)でしたよね。ですので、Ⅲに上がった際に試させて頂いてもよろしいですか?」
「……そうだな。Ⅲがそのまま複製されるのか、無印で出るのかは分からないが、前者ならお得だもんな」
そうして、久々に回したガチャの報告会は幕を閉じた。
さて、だいぶ待たせちゃっただろうミスティのところにいくか。怒ってなきゃいいけど……。
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