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ガチャ039回目:黄金の巨大生物

今日は2話です(2/2)

 2人が後ろに下がったのを確認し、剣を構える。

 まずは……そうだな。普通にやってみるか。


「うおおっ!」


 突撃し、首を狙って横に薙ぐ。いつもなら、それだけで相手の身体は2つに分かたれるが。


『ガインッ!』


「かってぇ!?」


 剣は黄金蟲の身体を切り裂くことなく、金属同士が激突したような衝撃がこの身を襲う。

 奴に剣が当たる瞬間、膜に激突したような感覚があった。その瞬間、奴が纏っていた光の膜が消え、代わりに妙な気配を感じた。恐らく、スキルを使用したのだと思う。

 いくら黄金の鎧を身に纏っていたとしても、俺のこのステータスと武器を相手に、無傷と言うのはおかしい。やはり最初の壁が、『金剛外装』で、今の気配は『金剛力』か『金剛壁』によるものだろう。

 戦闘に直結するスキルである以上、『怪力』と同じく効果時間があるはずだ。それまで耐える!


『シュルルル』


 『黄金蟲』はこちらの攻撃に対し、まるで堪えなかったようだ。ゆっくりとこちらへと顔を向ける。その動作は緩慢だが、図体がデカイ分迫力がある。

 距離を取ろうと足に力を回した瞬間、奴は大きく振りかぶって、頭突きをかまして来た。


『ドガンッ!!』


 想定通りその動きは遅く、回避するのに問題は無かった。だが、その威力が尋常では無かった。

 大地は爆発が起きたかのようにえぐれ、周囲には地割れが起き、更には砕けた岩粒が散弾となって飛び散ったのだ。


「うおっ」


『カンカンカンッ!』


 『剣術』スキルと『身体強化』のおかげか、初見だったがなんとか全て弾くことが出来た。

 けど、この攻撃力は異常だ。例え『怪力Ⅱ』で受け止めたとしても、受け止めきれる自信が無い。


「ショウタさん、大丈夫ですか!?」

「平気だ!」


 これで『敏捷』も高かったらやばかったな。

 さて、接近して危ないのなら、久々に魔法を使ってみるか。


「ファイアーボール」


『ドガッ!』


『シュルッ!?』


 ファイアーボールをぶつけると、嫌がっているのか大きくのけ反った。『知力』が上がった影響か、覚えたての頃よりもだいぶ威力が上がってるみたいだな。それに、ダメージが入ったのか奴の身体には焦げ跡が残っている。


「効果有りか。なら、連発だな!」


『ドカッ! ドガッ!! ドドドドド!!』


『シュルル!!?』


 ファイアーボールを20連発くらいぶち当てると、奴はもうズタボロのようだった。何発かは、途中で発生した黄金の膜に吸われたが、1撃で剥がれるようで気にせず打ち続けた。

 奴も反撃しようともがいたが、絶望的に動きが鈍く、こちらに近付くことすらままならない様子だった。魔法作戦でなんとかコイツの体力を削る事には成功しているが、決定打には程遠い。


「埒が明かないな……」


 トドメをどうするか考えていると、『黄金蟲』から感じていた嫌な気配が霧散した。

 もしかして、効果が切れたのか?


「チャンス! 『怪力Ⅱ』『迅速Ⅱ』使用!」


『斬ッ!』


 黄金蟲の懐に侵入し、スキルによって一気に叩き斬る。

 分断された黄金蟲は、煙を吐き出しながら倒れ伏した。


【レベルアップ】

【レベルが8から40に上昇しました】


「うわ、経験値どんだけあるんだよ」


 今までで一番のレベルアップを噛み締めていると、駆け寄る気配を感じた。


「ショウタさん!」

「やったわね!」

「2人共、ありがとう! おっと、タイマータイマー」


 感慨に耽っている場合では無かった。タイマーを起動し、はしゃぐ彼女達を連れて広場の端まで移動する。


「ショウタさん?」

「何してるのよ?」

「いや、レアモンスターの次が湧くかもしれないから」

「え? レアモンスターの、次……ですか?」

「なにそれ。聞いたことないんだけど」


 やっぱりか。他のダンジョンではないのか? でも、発生したことがないだけで、絶対に無いとは言い切れない以上、警戒するに越したことはない。

 彼女達にはそう説明して、ここで待機してもらうよう説得する。


「ショウタ君、警戒し過ぎじゃない?」

「でも姉さん、今回はショウタさんの狩りを見せてもらう話です。なら、ショウタさんの方針に従いましょう」

「それもそっか。ショウタ君って、毎回警戒してるって事よね」

「そうだよ。……まあ、激戦の後は記憶から吹っ飛ぶけど」

「ふぅん……。あ、煙が消えるわよ」


 アキが言うように、煙は空気中に霧散して行った。時間は……6分かな。やっぱりレベル依存かな?

 強さとしては、倒そうとした場合『マーダーラビット』より厄介だけど、他のレアモンスターと違って逃げようと思えば逃げられるのがありがたいよな。


「さて、ドロップは……。うん、全部出たな」


 『黄金の種』が4つ。『黄金の盃』が1つ。

 スキルオーブ『金剛力』『金剛壁』『金剛外装』が1つずつ。そして『大魔石』だ。


 どうやらスキルオーブは、個別にドロップチャンスがあるらしい。どれか1つなんてケチな仕様じゃ無くて助かった。


「スキルオーブが3つも……」

「すごいです。ショウタさんすごいです!」

「記録は済んだ?」

「勿論です。使われますか?」

「うん、ちゃんと使うよ」


 スキルオーブを使用し、『SP』も全て『運』に割り振る。


*****

名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:40

腕力:235(+192)

器用:242(+199)

頑丈:250(+207)

俊敏:261(+218)

魔力:216(+175)

知力:188(+147)

運:518


スキル:レベルガチャ、鑑定Lv3、鑑定妨害Lv5、自動マッピング、金剛外装、身体強化Lv7、怪力Ⅱ、金剛力、迅速Ⅱ、金剛壁、予知、剣術Lv1、投擲Lv2、炎魔法Lv1、水魔法Lv1、魔力回復Lv1、魔力譲渡

*****


 うん、良い感じだ。しかし、『金剛外装』はその位置に来るのか……。となると、ステータス反映型よりも身体強化に近い性能なんだろうな。

 全身金ピカになるとか? ……それはちょっと勘弁願いたいな。


 まずは、意識のオンオフで切り替わるかから確認するか。


「『金剛外装』起動」


 唱えると、身体全体が、光り輝く膜のようなもので覆われた。

 ……あー、やっぱりこれだったか。『黄金蟲』も、最初はこんな感じで光っていたよな。それにファイアーボールの時も。戦闘中こちらの攻撃に反応して、何度か纏っていたのを見た気がする。でも攻撃を受けるとすぐに消えていた。

 となると、『金剛外装』の効果は……。試してみるか。


「アキ、ちょっとこれ叩いてみて」

「あいよー」


 と言いつつ、アキは見事な回し蹴りをしてきた。


『ガンッ!』


「かっ……たーい!!」

「おいおい、大丈夫か」


 アキの蹴りが当たると同時に、光の膜は消え去っていた。

 アキの蹴りによるダメージも衝撃も、こちらへは何にも伝わる事は無かった。


「なによそれー!? 馬鹿みたいに硬いんですけど!!」

「ふむ……。何でも1発だけ耐えられる無敵の壁のようなものか。たぶんかなりの魔力を消費するんだろうけど、それでも破格の性能だな」


 問題は消費量だな。50か、100か。はたまた200か。

 何度か使えば判明するだろうけど、彼女達の前で倒れたくはない。


「とりあえず、撤収しようか」

「ショウタ君、足が痛いからおぶってー」

「はいはい。じゃ、マキもおいで」

「いいんですか?」


 2人は俺の首元に抱き着き、2人の腰を持ちあげる。子供を抱きかかえるような持ち方を、大人の女性にするのは中々胆力がいるな。ちょっと体勢的に辛いが、試運転がてら『金剛力』を使えばなんの苦もなく持てた。


「きゃっ、ショウタさん力持ちですね!」

「すごいじゃない!」


 あとは素材が詰められた鞄はアキに持たせ、鞄にもリュックにも入りきらなかった『黄金の種』と『黄金の盃』はマキに持ってもらう。


 そうして俺達は、大量の成果と共にダンジョンを脱出した。

読者の皆様へ


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[気になる点] 未確認モンスターのドロップ品を、どうどうと持ったまま帰還するのを受付二人が許すのに違和感が…… いつもの二人の感じだと、トラブルになるからと入れ替えてでも鞄にしまいそうですけどねぇ。 …
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