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ガチャ287回目:作戦準備

「皆、お待たせ」


 エンキの防壁から顔を出すと、全員が正装に着替え、準備はバッチリのようだった。


「ひとまず、迎え打つ形がベストかな?」

「そうですね……。相手次第では、こちらから打って出るのも手かと。本来なら水中での戦いは事前の準備と高度な練度を必要としますが、私達にはあのスキルがありますので」

「『泡魔法』だな」

「はい。正面の軍団は、今の所まっすぐこちらへと向かって来てはいますが、転進なり分散なりされては厄介ですからね。モンスターが広がるのはなるべく避けねばなりません」


 自然環境にモンスターが紛れ込むのは厄介だもんな。

 一番最初に起きたスタンピード騒動でも、山とか人気のない場所にモンスターが流れていないか、半年以上かけて捜索してた様子をTVで見た。それが海の中となれば、もう大変なんてレベルじゃない。


「そこを注意するのは分かったんだけど、別の疑問が出るな。なんであいつらは真っ直ぐこっちに向かってきてくれてるんだ? 俺達としては都合が良いけど」

「スタンピードで出現したモンスターは、基本的に一番近い位置にいる人間を目指して行動するようです。ですので、今回奴らが出現した場所から見て、この島が一番距離的に近いという意味でもありますね」

「なるほど」


 スタンピードにはそんな仕組みがあったのか。

 つまりそれは、スタンピード開始直後に近くを漁船なんかが通ってたら、目も当てられないことになっていたという事か。


「ご主人様、モンスターの群れが見えてきましたよ」


 アイラが指し示す先には、『知覚強化』なしでも視える距離にまでモンスターが近付いていた。無数のモンスターの影と共に、いくつかのモンスターが顔を出している。そのほとんどが魚型のモンスターで、おっさん顔のアレとは違って普通に魚だった。アレらが全部おっさん顔だったら、恐怖映像だったな。

 いや、今の光景が既に、一般人からすれば恐怖の対象か。


「エンリル、もう一度『視界共有』する。今度は奴らの姿をしっかり確認しておきたい」

『ポポ!』


 エンリルが飛び立ち、その視界を借りる。すると『Ⅱ』になった恩恵が早速現れた。

 今までは、2つの視点のカメラを同時に視聴する事を強要されていたが、意識的に片方をオフにしたり、画面比率を変えられるようになっていた。しかもこの、1カメ2カメと切り替えられる感覚……。まだ()()()()()()()()()()()()

 試してみる価値があるな。


「アイラ」

「こちらに」

「『視界共有』『鷹の目』」

「これは!?」


 やはりか。

 どうやら、3カメも可能になったらしい。俺の視界に、アイラから見たカメラも追加された。更に『鷹の目』によるダメ押しで、6カメにすることも出来た。


「エンリルの視界ですか!」


 さらに驚くべきことに、『視界共有』で繋がっている者同士で視界のやり取りが出来るようになっていた。不要な視界をオフに出来る機能だけでもありがたいのに。

 到着よりも先に、アイラの知識でスタンピードの全貌を暴けるのは大きい。


「アイラ、魚影で見る限りで、知ってるモンスターはいるか?」

「……はい。小型は『キラーフィッシュ』。肉食の獰猛な魚です。レベルは25ほどでスキルはなし。中型は2種類。数が多い魚っぽい見た目の方は『グレイトシャーク』。レベルは50前後のサメですがスキルはいくつかあったかと。人間の上半身を持つのは『マーマン』。槍の近接と『水魔法』を得意とするレアモンスターです」

「なるほど……。んじゃ、この奥に見えるデカいのは?」

「……確証が持てません。ですがあのサイズと威圧感、間違いなくレベル100を超えているかと。こちらもレアモンスターの可能性が高いです」

「スタンピードって、レアモンスターも出るのか……」


 まあそれもそうなのか。

 例のクソデカスライムだって、疑似的なスタンピードを起こした結果出現するようなものだし……。それに昔のスタンピードでは、『上級ダンジョン』から数匹のドラゴンが出たって話も聞く。ドラゴンなんて神話の生き物が通常モンスターとして出るなんて考えにくいし、なんらかのレアモンスターやスタンピード専用モンスターが出現したっておかしな話じゃない。


「ピィィィィ!!」


 再び口笛を吹いてエンリルを呼び戻す。

 激突まで、あと5分といった所か。


『ポポポ!』

「アイラ、情報助かった。とにかく、魚とサメは上陸しないって考えで良いのかな」

「そのはずですね。ですが、ここを目指しているのも所詮はスタンピードの最初の設定上そう動いているだけに過ぎないので、あまり悠長にしていると逃がしてしまう可能性があります。到着次第殲滅を優先した方が良いかと」


 なら、これから乱戦になる恐れがあるし、今の内に皆に指示を出しておくか。


「よし。まずアキとマキは武技スキルを駆使しつつ、遠距離から攻撃。アヤネは大規模魔法を集団のど真ん中に打ち込みまくれ。エンキはモンスターの上陸阻止、エンリルは空中から雷撃中心に攻撃。イリスは水中にダイブして手当たり次第に喰え!」

「「「はい!」」」

『ゴゴ!』

『ポポ!』

『プルル!』

「ご主人様、私は?」

「好きに動け」

「承知しました」


 さーて、戦争開始だ!

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