ガチャ1192回目:クレーター攻略
昨日はレアモンスターとしかまともに戦わなかったけど、雑魚連中も影からの攻撃手段を持ってるのはちょっと意外だったな。まあ、昨日は確認よりも即殺を選択したし、見る暇がなかったといえばその通りなんだが。
そんな事を考えつつ、迫りくる黒虎達を相手に接近戦で相手をする。ただし武器は短剣や長剣ではなく、弓だった。
『グルルル』
『ガア!』
「見えてるって、ほんと楽だな~」
両手を使った掴みかかりや、爪を用いた斬り裂き攻撃を至近距離で躱し、死角から襲い掛かる影を伸ばした鋭い攻撃もジャンプで回避する。そして間髪入れずに相手の眉間や胸に矢を放っては次の獲物に狙いを定め、その数を減らしていく。
「先手必勝で行くかと思いきや、まさかそのまま突撃して1体ずつ相手するなんて~☆」
「さすが兄上。某も試してみたくなります」
「もうハズキ。お兄ちゃんから変な影響受けないでよね」
「流石にあの動きができるのはお兄さんくらいだよ~」
「やるならせめてカスミちゃんと2人で挑んでね」
「わ、私も!? イクサバならあれできそう?」
『我は主君のように身軽には動けませぬから、被弾は避けられぬかと』
「お腹周りは重点的に護りの加護を与えますから、安心して挑んでくださいね」
「イリーナが護ってくれるなら……」
なんか、俺が虎と戦っている内にカスミとハヅキが2人で、別のクレーターにいる虎達に挑む事になってるな。まあ、本人たちがやる気なら止めはしないけど……。
【レベルアップ】
【レベルが54から55に上昇しました】
「行くのは良いけど、この闇の根源の調査が終わってからにしてくれな?」
「「「「「「はーい」」」」」」
さてと。まずはあのヘドロみたいな影をなんとかするか。
「浄化」
あ、ちょっと縮んだ。効果があると見て良いな。
「ショウタ様。わたくしも試して見て良いですか?」
「イリーナも『聖魔法』使えるようになったの?」
「はい。おかげさまで」
「じゃ、やってみようか」
そうして2人がかりで浄化を掛け続けていると、中央にある存在が見えて来た。
名称:汚染された地神塔
品格:なし
種類:ダンジョン構造物
説明:■▼◆▲▼■◆◆▼▲■▼■
説明文が文字化けしてら。そんで、この地神塔が影の発生源とみて間違いないな。さっき浄化して消し去ったヘドロのような影が、この塔から再び滲み出て来ている。
影の方は……ううん、影に溶けたモンスター同様、情報が視えないな。けど、あれに触れるのはよろしくない。彼女達は当然として、俺ですら命の危険に晒されるだろう。
世界が暗闇に支配されている時、マップで読み取れなかった場所は、きっとこのヘドロが充満してたんだろうな。それに飛び込んだら死ぬと本能的に直観が理解してくれてたんだろう。
「イクサバ」
『はっ』
「あれをぶっ壊してみてくれ」
『委細承知』
「イリーナは引き続き浄化で塔の影を消し去り続けてくれ。あれがあるとたぶん攻撃が通らない」
「畏まりましたわ」
前に出たイクサバは愛刀に手を添えると、鞘が燃え上がった。そして火の粉が蝶の形となってイクサバの全身を包む。
あの刀……獄炎蝶を手に入れたとき、イクサバは本来のスキルを喪っていた。その為、入手した直後の『妖怪ダンジョン』ではその真価を発揮する事はなかったが、今の彼には『完全耐性【炎】』がある。これで彼の身体が、自らの炎に焼かれる事は無くなった訳だ。
世界に光が取り戻されたとはいえ、今の太陽の輝きは本来の1/5程度。その為、炎による輝きもかなり抑えられているはずなのだが、獄炎蝶は爛々と輝いて見えた。
『『火の秘伝・二式』』
お。
『『真・火燕』!!』
『斬ッ!!』
燃え上がる鞘の内部で爆発が起こり、その勢いで刀を振り抜いた。その刀から高速で燃え盛るツバメが飛び出し、地神塔を斬り裂いていた。今回は横から眺めていたからこそ見えたものだが、正面からだとその神速の抜刀術はハッキリ知覚できなかっただろうな。
『ドドドドッ!』
斬り裂かれた地神塔は内部から爆発し、中に溜めこんでいたヘドロもろとも斬撃の残り火によって焼き尽くされて行った。そして世界も、少し明るさを取り戻した気がする。本当に誤差レベルで。
『キャン!』
コハクも嬉しそうだし、ほんのちょっとだけ毛並みが良くなった気もする。この階層では各クレーターにある石碑を順次ぶっ壊して行けばいいわけだな。
それにしても、先程の『火燕』。俺と相対していた時に使っていた技と同じ物とは思えない程、威力・速度共に別物と呼べる技だった。あの時と比べてイクサバのレベルは3倍近くあるし、その分ステータスは爆上がりしているのも要因の1つではあるだろうが、根本的な理由としてはやはり、獄炎蝶の力か。
「やるじゃないかイクサバ」
『ありがたき幸せ』
「んじゃ、この調子で各クレーターを潰していこうか。俺はこのルートで、カスミ達はこっちのルートを頼む。合流したらそのまま中央に向かおうか」
「「「「「「はーい!」」」」」」
「エスはどうする?」
「兄さんについてくよ」
「おっけー。んじゃ、行こうか」
そうして二手に分かれ、それぞれのやり方でクレーターを攻略していった。といっても、俺の場合は相変わらず1人で突っ込むんだけど。
「兄さんは、昨日の鬱憤を晴らすように暴れてるね」
「昨日はエスが全部取っちゃったもんね~」
「あれは兄さんにお願いされたから……。それに面倒な相手は極力避けるのも冒険の1つだよ。兄さんはあまり実践してこなかったみたいだけど」
『マスターの場合は、苦手でも克服できないか何度か試してから考えるからね』
『今回の場合は、モンスターがどうこうではなく、ギミックの問題で億劫になっただけですから』
『おにいさんにとって、昨日の件はすっごくストレス溜まったみたいですっ』
『ショータ、再戦できて楽しそうね♪』
そんな会話を聞きながら、俺のクレーター殲滅は順調に進んでいき、6つ目のクレーターを攻略し終えた段階でカスミ達と合流。そのまま中央へと向かうのだった。
★次回攻略先ダンジョンのアンケートの結果が出ました。★
★参加数があまりに少ないので、3の中から作者が選んで決めまーす★
https://x.com/hiyuu_niyna/status/2037728726499418333











