ガチャ1163回目:第二チームの帰還
それから数日後の朝、世界にダンジョン攻略の通知が広がった。
【ダンジョンNo.1170のスタンピード設定が無効化されました】
その通知を受けてリビングで待機すること1時間。日本海側のダンジョン攻略に赴いていた嫁達11人が帰還した。
「「「「「「「「「「「ただいまー!」」」」」」」」」」」
『キュー♪』
「おー、おかえりー」
「おかえりなさい」
「皆、頑張ったわねー!」
『お、お邪魔してますっ!』
彼女達+ルミナスを出迎えたのは俺とアキとマキとリリアナの4人。他のメンバーは明日の準備だったり昼食の用意だったりと、さまざまな理由でこの場にはいなかったが、まあその内集まって来るだろう。
とりあえず頑張った嫁達に、1人1人順番に労っていこうとしたが、真っ先に甘えに来たのがルミナスだった。今回の冒険に通訳ができるペット組が誰一人としてついていかなかったというのもあるが、俺がいなかったのが寂しかったようだ。まあ、広い海を泳ぎ回れたのでトントンだったようだが。
そうして興奮するルミナスをなんとか宥め、改めて嫁達を順番にハグしていった。
「ねえねえお兄ちゃん、聞いたよ。私達と一緒に『八尺鏡野ダンジョン』に行ってくれるんだって?」
「お兄さんと冒険なんて中々ないから、楽しみにしてたんだよー?」
「出発はいつごろを予定してますか? メンバーは?」
「まあまあ落ち着け。まず次の冒険に出かける前に、そろそろお前達も記者会見を受けてみないか? 今回の制覇で攻略は5カ所目になるんだし、そろそろ前に出ても良いはずだろ。いつまでも俺の会見ついでにその活躍を語るのもなんだかなーって思ってたところだし」
そう伝えると、妹達6人は顔を見合わせた。
そう、彼女達は今まで俺の活躍に隠れるようにして記者会見はパスしていたのだ。最初の内は俺のおこぼれにあやかったという後ろめたさもあったみたいだが、半分以上のメンバーがメディア露出を恥ずかしがっていたのが大きい。俺が一緒なら平気だったそうだが、もう彼女達だけで国内のダンジョンを5つも制覇しているんだし、そろそろ露出しても良いんじゃないかなーとは思っていた。
ちなみにエス達は、向こうでの記者会見をしっかりと済ませていた。
「ど、どうするー?」
「ダンジョン攻略する事は問題ないですけど、お兄様のように記者会見をするのは、やっぱりまだ恥ずかしいというか……」
「某も、あのフラッシュだけはどうにも苦手で……」
「086支部でファンの方々に出待ちされていた事もありましたが、あれとは規模が違い過ぎますわ……」
「えー? 僕的にはそろそろ良いんじゃないかなと思うんだけどなー」
『我は問題ないが』
「イクサバはそうでしょうね~。あたしも慣れてるから平気だけど~☆」
このように、カスミ、ハル、ハヅキ、イリーナが消極的で、レンカ、イズミ、イクサバが肯定的だった。
「それに、そろそろお前達も産休に入る時期が近付いて来てるだろ。表舞台に立たないでフラっといなくなるのは周りを不安にさせるだけだし、タイミング的にもいい機会だと思うんだがな。アキ達が俺のダンジョン攻略に参戦しなくなったのも、ちょうど今のお前たちくらいの時期からだったしな」
「ショウタ君、それはちょっと違うよ? ほんとはあたし達もついていきたくはあったんだからね。けど、機動性重視の2連海底スタンピードだとか、隠密性重視のアズのダンジョン攻略とか、新婚旅行ついでのグアム島ダンジョンだとかが重なって、普通のダンジョン攻略に参加できる機会がなかっただけなんだから」
「『妖怪ダンジョン』に入る頃には6ヵ月とちょっと経過していましたし、あそこも普通のダンジョンではありませんでしたから」
「あー……。そういえばそうか」
彼女達のお腹に障りそうな冒険が目白押しだったから早い段階で参加を見送っていただけで、ほんとはもう少し長く一緒にいれたか。
「ご主人様が『機械ダンジョン』に入られる頃には、もうお腹も目立つようになっていましたし」
「戦力的にも、わたくし達がいなくても心配はいらなくなったというのも大きいですわね」
アイラとアヤネが超巨大な寸胴鍋を持ってやってきた。アヤネに至っては前が見ていないレベルだが、もはやいつもの光景すぎて皆慣れっこである。まあ、手の空いてる人間が率先して手を差し伸べはするのだが。
どうやら昼食の準備ができたらしい。
「さあさ、皆様ご飯の時間ですわよ。残りのお鍋も、運ぶので手伝ってくださいまし」
「はーい!」
「食器は任せて!」
「よそいますね~」
そうして家の中に散っていた他の子達も呼んで、リリアナを紹介しつつ我が家の賑やかな食事は始まった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「カスミちゃん。記者会見なのだけど、今日の夕方からで良いかしら?」
昼食後、帰還組がリリアナを可愛がっていると、サクヤさんがやって来てそんな事後報告をして来た。
「「「「えっ!?」」」」
「流石サクヤさんだねー」
「シゴデキ☆」
『流石は主君が認めた女傑であるな』
当のカスミ達は記者会見の参加について、まだ決めかねていたのに、決定事項であるかのように伝えられて目を白黒させていたが。
「あら……ようやく参加してくれるってアイラからメッセージを受け取ったのだけど、違ったかしら?」
「ア、アイラさーん!」
「ご主人様から直接言われたのですし、そろそろ腹をくくっても良いのではないですか?」
「むむ。……そ、そうかも」
あらら、カスミがあっさりと折れた。
「ご主人様」
ん? ああ、ここで畳み掛けろって?
「そうだな。他の皆も、納得して臨んでくれると嬉しい」
「お兄様……。はい、わかりました!」
「兄上がそう仰るのなら……」
「そうですわね、お兄様がそう望まれるのでしたら……」
うーん、心配になるくらいあっさり。さっきももう少し押してればイケたのか?
いや、アイラとサクヤさんのサポートがなければ難しかったか。
「とりあえず記者会見はそれでいいとして、問題の『八尺鏡野ダンジョン』だが……俺の予想通りだと第一層は平和みたいだし、子供達も連れて家族皆で行こうと思う。出発は明後日かな」
さて、カスミ達が攻略断念したダンジョン。どんな謎が待っているかな。
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