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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十一章 雲海の先へ

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ガチャ1153回目:世間知らず

「リリアナも言ってたろ。何でもくれるって」

『えっと、その……』


 実際のところ、言ってはいない。けど、望みを言えばリリアナに用意できるものは渡すと言っていたのだ。そして俺はその言葉を鵜呑みにし、用意できるものなら何でもくれるという形で理解したのだ。

 なので俺は嘘をついてない。


『過去にも、試練を乗り越えた挑戦者が、わたし達を希望した事例はあるわ』

「ほう」


 勇者は過去にもいたんだなー。きっとそいつらは、それがどんなお宝よりも眩しく映った事だろう。


『本来なら突っぱねても良いんだけど、特例にある試練を乗り越えれば、その願いも叶えられるわ!』

「なんとなく予想はつくけど、教えてくれるか?」

『わたしを倒すことよ!』


 やっぱりそのパターンか。


「傷つけたくはないからできれば戦いたくはないんだが……不戦勝とかはないの?」

『ないわよ! 人間さん、わたしの事弱いとか思ってる? 失礼しちゃうわね』

「弱いとは思ってないさ。俺と比べなければの話だけど」


 ゆっくりと立ち上がると、リリアナは警戒したのか一息に玉座までバックステップした。そして入場した時同様、そこに腰掛ける。

 お話は終わったから、ボスモードに入る為に座りなおしたのか?


『ま、まあ? 確かにあの短剣捌きは素晴らしい技量だったわよ?』


 ……いやでも、あの玉座はさっき『幻想(ファンタズマ)』級のアーティファクトがあるって話だったよな。リリアナにとってもそれは奥の手に当たるものだろうし、それを使って対抗するつもりか?

 けど心なしか声が上ずってるし、緊張はしてそうだが。


「あれを見ても俺と戦うつもりか? やめといた方が良いと思うけど……」

『むむむ……。確かにこのまま戦えばわたしは負けちゃうかもしれないわ。けど、これがある以上、わたしの勝利は揺るがないわ!』


 リリアナはひじ掛けについていた2つの宝石のうち、1つを抜き放ち、見せびらかすように持ち上げた。あの宝石がアーティファクトだったのか。普通に玉座にフィットしてたから、装飾品だと思ってたな。

 しっかし、無防備だなぁ。そんなに見せびらかしたりしたら、ずるい奴が相手だと、普通に破壊されちゃうぞ?

 エスとかやっちゃいそうじゃん?


「ちゃんと相手を選んでやるよ?」


 エスに視線を投げてみれば、そんな返答が返って来た。やる時はやるんだな。

 とりあえず、あの宝石の性能でも視てみるか。


 名称:真祖の血玉

 品格:≪遺産≫レガシー

 種類:アーティファクト

 説明:古の吸血鬼である真祖の血が集まる事で誕生した血玉。宝石としても価値があるとされるが、吸血鬼にとっては力を増幅させる秘宝となる。このアイテムが近くにあるだけで、付近の吸血鬼の潜在能力が覚醒し、レベルとステータスが1.5倍となり、血を捧げる事で本来の性能が発揮され、その効果が2倍になる。

 ★起動後、効果時間2時間

 ★起動後、再使用時間24時間


 妖狐のパワーアップアイテムである『魔狐の宝玉』の吸血鬼版といったところか。だが、性能としては起動しないと本領を発揮できない上に、再使用までの時間が長すぎるのがネックだな。正に決戦用のアーティファクトだが……おかしいな?


『ふふん、どーお? このアーティファクトの強さが理解できたかしら?』

「まあ確かに強くはなれるんだろうけど、おかしくない? 何もしてなくても1.5倍となるはずなのに、リリアナは今その効果受けれてないよな?」

『えっ!?』


 リリアナは言われてはじめて気づいたようで、血玉を凝視している。そして磨いたりコンコン叩いたり反応を伺っているが、変化はない。


『なんでなんで~!?』

「……しっかしほんと、隙だらけだなぁ」

『昔からあやつはポンコツなのじゃ~……』


 タマモがぼそっと辛辣な言葉を吐いた。その言葉は彼女には届かなかったようで、今度は血玉に自らの血を垂らしたりしていたが……やっぱりステータスに変化はなかった。


「あれが機能していない理由はわからんが、あの調子だと今回俺が来てなかったとしても、ここはその内誰かに攻略されちゃってそうではあるよな」

『否定できんのじゃ。けど、御主人に見つかった方が何百倍も幸せなのじゃ』

「まあ、引き取る気満々ではあるがな」

『くふ♪』


 にしても、起動しない理由はなんだろうか?

 もう1個の宝玉が関係してるのかな?


 名称:封印の神域

 品格:≪幻想≫ファンタズマ

 種類:アーティファクト

 説明:吸血鬼達が持つ秘宝中の秘宝。起動すると、半径5キロメートル以内に特殊な神域を展開し、神域内では血族以外の存在に対し、『伝説(レジェンダリー)』未満のスキルを発動・維持を妨害するデバフを強制付与する。

 ★真祖の血族にしか扱えない。

 ★起動中、このアイテムは破壊不可能。

 ★起動中、このアイテムは動かす事ができない。

 ★起動中、干渉エリア内のアーティファクトは機能不全を起こす。

 ★効果を切ると、再発動に1時間のリチャージが必要。


「これじゃん」


 んで、★の内容は『真理の眼』がないと見れないから、効果を忘れたリリアナも混乱してると。こんな大事な機能忘れちゃ駄目だろ。

 しっかし、ダンジョン一層丸々封印じゃなくて、半径5キロ以内の封印効果か。普通にこれ、防御系のアーティファクトの中でも最高峰の存在だよな。まあ、吸血鬼以外には使えないから、鹵獲は不可能だが。

 ……使いようによっては使えるアイテムかもな? でも、スキル構成が軒並み『高位伝説(ハイ・レジェンダリー)』以上の四神には効かなさそうだけどな。


『なんで起動しないのよ~!』


 そしてリリアナは半泣きになりながら玉座の上でドタバタしていた。

読者の皆様へ


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― 新着の感想 ―
ポンコツ可愛いは最高最強です\(^-^)/
草。これはポンコツですわ
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