ガチャ1141回目:安全装置の確認
とりあえず攻略を進めるためには、この浮遊する足場を一歩ずつ踏み越えていくしかないわけだが……。ふむ。ちょっと踏み外した場合のことから考えていくか。
まず、いつも愛用している『空間魔法』は品格が『伝説』未満だから使用不可能。もう1度試してみたがやっぱり発動する気配すらなかった。
次に『虚空歩』。これは品格が『伝説』以上あるみたいで発動はしてくれるようだ。これで二段ジャンプは元より、踏み外した後の復帰にも役立てる。まずはひと安心ポイント1だな。
次に『高位伝説』の『エレメンタルマスター』だ。けど、単純に土を出現させたところでそれらは足場には適さない。行使した直後に土が空中に浮かんでいるのは副次的な効果に過ぎないのだ。物理的な衝撃の影響はモロに受けたりする。例えば、足場にしようと足を添えただけでそれらは簡単に重力に従って落ちていくので、攻撃の手段にしかなり得ないのだ。まあ、フリッツやエンキみたいな『土』のスキルと、それを十全に操れる知識や経験、もしくは能力を底上げしてくれる『土の親和結晶』があれば話は別なんだろうが……。そんな中、俺には先日手にした『水の親和結晶』がある。流石に存在強度も効果量も『水』を取得しているクリスには遠く及ばないが、それでも『水渡り』を活用すれば十分に足場になってくれることだろう。
一応『火渡り』もあるが、親和結晶が無い分炎の出力もそこまでではないし、安定した足場にはなり得ないだろうが……。まあ、無いよりはマシかもしれない。
最後に『次元跳躍』。これも当然発動するが、踏み込みが必要である分、転落中に使うとなると他の手段と併用する他ない。となると、『火渡り』や『水渡り』がここで活きる訳だな。
「とりあえず、広い足場があるうちに軽く練習しておくか」
広い浮島の中央に数メートルほどの土の塔を建て、そこから色んな踏み外しシチュエーションを想定して、それに付随する形で対応策を纏めておく。この際、何よりも重要なのは足の位置だ。これらの対策スキルはすべて、足を起点としたものであり、真っ逆さまの状態で使っても落下を加速させてしまうだけだ。
となると、まずはどんな状態でも上体を起こす必要がある訳で。『重力操作』『重力抵抗』『浮遊術』などの便利スキルは軒並み使用不可だから、ここで使用するべきは……。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……よし、こんなもんか」
現状できる手段が限られた中で試行錯誤するのも楽しいものだ。つい夢中になってしまった。
『もうおしまいなのじゃー?』
「兄さん、終わりで良いのかい?」
そのせいか、同行者2人が自分の作業を完璧に終えて、鑑賞を始めるくらいには時間が経過していた。
「あー、悪い。俺、どんくらいやってた?」
「30分もないくらいじゃない?」
『わっちが見始めてからは10分も経ってないのじゃ~』
まあタマモは、初めて使う『アトラスの縮図』に加え、得た情報を家にいる嫁達に連携するために肉球ハンドを必死に使って端末を操作してたりしてたからな。俺も試行錯誤の最中、直接視るのは避けたけど気配だけ見たらめっちゃ大変そうだったんだよな。絶対ネタバレ系のやり取りをしてるだろうから俺も手伝いはせずに自分の作業に没頭したんだが……無事に終わって何よりだ。
それに、普段からその手の作業は人型でやってるのに、いきなり獣の手で慣れない操作をさせられたら、時間が掛かるのも仕方がないだろう。
「タマモの方こそ、操作は問題なく行けたか?」
『アズに軽く聞いておいたから『アトラスの縮図』に関してはそこまで困らなかったのじゃ。一瞬きちんと機能していないのかと思って焦ったのじゃが……』
「ん?」
『ぬむっ!? な、なんでもないのじゃ!』
なんだなんだ? 絶対ネタバレだろうし深くは考えたくないんだが、滅茶苦茶気になる言い方をするじゃないか。
俺は断腸の思いでその思考を無理やり追い出し、話を戻す。
「この後も端末操作は必要になると思うけど、大丈夫そ?」
『頑張るのじゃ~。あと、この姿では『魔法の鞄』すら満足に持てぬから、アイラが首から下げられるように端末に紐と首輪を用意してくれたのじゃ。だから御主人、結んでほしいのじゃ』
「そういうことならお安い御用だ」
端末から伸びてるピンク色の首輪をタマモの首に通してやると、なんとも丁度良い感じに収まった。これはどう見てもペットの狐だな。普通の狐はこんなに尻尾が何本もモサモサしてないけど。
『くふ~! これで御主人の首元でも操作できるのじゃ』
「移動中は衝撃がくるから、大人しくしててくれよ? それと『魔法の鞄は』……」
「ああ、それなら僕が代わりに持ってるよ」
「助かる。俺はあんまりその手の物は持ち運びしないからなぁ」
「普段身に着けない物を装備したら、戦闘パフォーマンスに大きく影響が出るしね。兄さんは気にしなくていいよ。僕はシルヴィと二人旅をする時に、いくつか分けて持ってるからね」
「大変そうだが、楽しそうでもあるな」
「兄さんみたいに賑やかなのも悪くないとは思うけど、やっぱり僕はシルヴィ以外は考えられないからね」
「お熱い事で。んじゃ、早速渡っていくとしますか。タマモ、特に伝達事項は無いか?」
『次の島までの話なのじゃ? 特にないのじゃ~』
うーん、この言い回し。やっぱり一番奥の島に何かありそうだな。
ま、それは到着までの楽しみに取っておくとしますかね。
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