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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十章 束の間の休息

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ガチャ1117回目:ルミナス付き記者会見

 翌日。サクヤさんの手筈でいつも通り、記者会見の為の会場がセッティングされ、俺はその部屋を目指して真っ直ぐ歩いていた。そうして部屋の扉を開け中へ入っていくといつものように拍手で迎えられた。


『パチパチパチパチパチパチ!!』


「どうもどうも」


 いつもと同様に軽く流しながら、そのまま着座するのだが……記者達は明らかに浮き足立っていた。ここのところ俺は、記者会見のたびに誰かしら新メンバーを連れて来てるので彼らも新顔がいる事そのものには何も疑問に感じる事なく流せていたんだろうが……。今回は男女問わず心を惑わす天使のような存在がいるのだ。しかもそれは図体の問題で椅子に着座することは叶わなかったので、俺におぶさる形でここまで連れられて来たのだ。

 そんなルミナスは今、部屋いっぱいにあるカメラや記者さん達の存在が珍しいのか、興味深そうにキョロキョロしている。


『キュー?』

『ッ!?』


 そんなルミナスが一鳴きするだけで、記者さん達はノックアウト寸前だった。これ、最後まで保つかなぁ。

 一応通訳としてリリスを横に侍らせているが、ルミナスは基本的に素直で分かりやすいので、こういう場ではあまり必要ないかもしれないな。


「皆さん、座ってくださいねー」


 俺がそう声をかけると、いつもなら軍隊のようにキビキビと動く彼らだが、今回は半数以上の反応が遅れていた。まあ、ルミナスに視野と思考を奪われてるみたいだし、仕方ないが。

 そうして数秒かけてようやく我に返った面々が、慌てて座っていた。


「ア、アマチ様、本日はよろしくお願いします!」

『よろしくお願いします!』

「はいよろしくねー」

『キュー♪』

『ハァゥッ……!』


 うん、ダメかもしれんね。

 いつも音頭を取ってる女性記者さんですら俺ではなくルミナスの方に視線が吸い寄せられているのだ。今回の記者会見は、いつも以上にゆるい時間が流れそうだな。


「えー、ではご存知の通り今回俺たちは、ここにいるクリスの祖国であるロシア、その首都であるモスクワに現れた階層型スタンピードダンジョンの内の1つ、No.190の『深海ダンジョン』を攻略しました」

『パチパチパチパチ!』


 いつもならここで何かしらのアクションがあるんだけど、今回は反応が弱いな。拍手はしてくれてるんだけど感情が伴ってない。

 仕方ない、彼らにとっての本命から済ませてしまうか。


「んで……皆さん気になってると思いますけど、この子の名前はルミナス。先ほど出た『深海ダンジョン』の第三層で拾いました」

『キュー♪』

『おおお……!!』


 やっぱ食いついて来たな。急に前のめりになったぞ。


「こいつは討伐対象のモンスターではなく、ダンジョンのギミックに縛られる形で存在してました。広大な海を泳ぎ回って危険な目に遭っている人間がいたら迷わず助けてまわっていたくらい、人間大好きなやつなので害はなかったです。むしろ、ロシアでは神格化された挙句に崇められてたくらいなので、アイドルみたいなものでしたね」

『キュキュ~』

「こいつはダンジョン生成の際に向こうの世界から巻き込まれる形で連れてこられたみたいなんですけど、向こうでも童話の題材にされたりするくらい優しい存在として語り継がれてるみたいですね」

『キュキュキュ~!』


 まあ童話は童話でも、「本当は怖い童話」の方だけど。

 そんな元凶であるルミナスは、褒められまくったのが嬉しかったのか、恥ずかしそうにしていた。そして記者さん達は悶絶していた。とりあえず回復するまで待つか。ルミナスでも撫でていよう。


「よしよし」

『キュ~』


 そうしていると、いつもの代表記者さんがいち早く我に返り、手放しかけた音頭を取り直し始めた。


「で、ではアマチさま。こんなに愛くるしい存在を連れて行って、向こうの方々に恨まれたりはしなかったのでしょうか」

「そうですねぇ。本来ならトラブルになりかねない問題ではあったのですが、ダンジョンから出た際に別の問題が起きたため、許された感じですね」

「別のトラブル……ですか?」


 そうして俺はまず前提知識として、『強奪者』の存在を開示した。その話は寝耳に水だったらしく、流石にルミナスどころの話ではなくなったようで、彼らもすぐさま正気を取り戻して行った。


「そして、激戦の末勝利をした訳なんですが……。その戦いぶりを見て向こうの人達は感銘を受けたのかなんなのか分からないんですけど、ルミナスを連れて行く事に何ら問題はないと判断したらしく、トラブルにはなりませんでした。また、『強奪者』の話を聞いて大統領や協会のトップの方々もやって来て、正式に謝罪をして来たりとまあ色々と大変でしたね」


 その後も、『強奪者』戦についての聴取は続いた。


「その時の映像などはあるのでしょうか?」

「一応強敵との戦いですからね。あるにはあるんですが……相手はモンスターではなく人間でしょ? 中々ショッキングな内容なので、ここで流すのはちょっと躊躇われますね。ただ、何が起きたのか知りたい方もいるでしょうし、どこかで公開はすると思います。現在調整中ですね」

「ショッキングということですが、アマチ様はその……」

「ああ、殺してはいませんよ。悪人とはいえ人殺しはしたくないですし、貴重な情報源でもあります。無力化した上で捕まえました」


 結果論だけど。


「それは朗報ですね! ではその戦いで、どのような駆け引きが行われたのでしょうか」

「そうですね、まず奴の戦い方としてスキルを奪うところがスタートラインとなるため、こちらの『鑑定妨害』やその上位スキルである『鑑定偽装』を奪うところから始まります。そして対象の根幹となるスキルを見つけ出し、奪い取るのが奴にとっての勝利条件ですね。詳細こそ言えませんが、俺はそこに罠を仕掛けまして――」

「では、その6人は敵の手勢だったのですか?」

「どうやら、奴に雇われた闇バイトみたいな連中だったようですね。俺が支部長と握手をする瞬間、隙だらけとなる状況を狙われたみたいです」


 元々『鑑定』スキルを持っていなかった一般人に、スキルをちらつかせて手ごまにして、そこから強制力の働くアーティファクトか何かを使って作戦に組み込んだらしい。『鑑定』持ちってそれなりに重宝されるからこそ、信用問題もあって最初からスキルを持ってる人達には声を掛けず、一般人から募集を掛けたんだろうな。

 全く。手の込んだことをしやがる。

 そうして、『強奪者』戦の話の後、軽い告知を流した後で、最後にルミナスとの握手(おさわり)会を開催した。そしたら当然のごとく、長蛇の列ができてしまった。まあ、それくらいのサービスはしてやらないとな。

読者の皆様へ


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