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ガチャ1039回目:餌やり

「なあルミナス、モンスター同士で捕食した場合でも、倒した相手は煙になると思うんだが、そしたらちゃんと腹には溜まらなく無いか?」

『キュー? キュッキュキュキュ、キュキュキュー』

「……」


 うん。急に感情強火で語り出したから、何言ってるか分かんね。何となく内容は一貫してるっぽいんだけども……うーん。

 などと考えていると、アズ達がやってきた。


『数だけはいるから食べた気にはなるみたいよ。そんな中でたまーに切り身がドロップするみたいで、それ目当てで狩ってたみたいね』

「ほう」


 モンスター状態のルミナスの『運』は「なし」だった。その状態でもドロップしたという事は、「なし」は0と同じ扱いなんだろうか? それでも出るって事は、切り身のドロップ率は最低ラインが0ではなく実数として存在しているということになるな。補正なしで10%ドロップみたいな。


『それから、マスターに『テイム』される前は、さほど空腹感を感じた事はなかったそうね。だから食事のためというより、暇つぶしの度合いが大きかったみたい』

「そうなのか」


 まあでも、モル君も『テイム』前は食事の概念自体無かったっぽいし、そういうものなのかも。


「ん。ショウタが倒せば切り身が出るし、直接あげたら喜ぶと思う」

「そうね。ドロップアイテムならちゃんとお腹に溜まるでしょうし、満足感は得られると思うわ。……まあ、どれだけ食べるか知らないけど」

「イリスちゃんみたいに暴食はしないでしょうけど、ルミナスちゃんの身体は大きいですからねー」

『キュ? キュー♪』


 首を傾げるルミナスを嫁達がなでなでした。するとそれが嬉しかったのか1人1人に頬擦りをしていく。本当に人懐っこい奴だな。

 とりあえず、あのダツもどきを倒して切り身を取ってやるか。


「よっと」


 遠くを泳ぐ魚影に向けて、俺は強めのデコピンを放った。水を揺らして波を起こし、振動させる事で敵を釣り出そうと思ったのだ。

 するとその振動は思ったよりも大きく伝播し、前方に映っていた赤点の群れ全てがこちらへと進み始めた。

 多分、今ので400体以上釣れてるっぽいぞ。ルミナス以外誰も狩らないから限界まで増え続けたんだろうけど、ほんの一部でこれかぁ。ちょっと多すぎるな。


「ま、こんだけ纏まって向かってきてくれてるなら、迎撃も楽で良いな」


 まずは手前を泳いでる連中は、7体。これくらいなら手掴みにして纏めてへし折れば良いだろう。


「キャッチっと」


 そして順番に鯖折りしてキル。

 他の雑魚は遅れてはいるものの、突出した個体はいないみたいだな。

 なら……。


「レベル3マジックミサイル……10連!」


『ヒュッ……ドドドドドドド!!』


 襲い来る魚群のあちこちで爆発が発生し、ほとんどの雑魚は煙になって消えていく。爆発から逃れた雑魚は数十体近くいるようだが、あの程度、接近して集まったところをまたぶっ飛ばしてしまえばいい。


「レベル3マジックミサイル3連っと」


『ヒュッ……ドドド!』


 文字通りの雑魚が全て消し飛び、大量のドロップアイテムが散乱し煙が集まっていく。その煙は4箇所で集まっている様子からして、やはり400体以上いたのは間違いないようだ。


「ショウタ様、集め終わりましたわ」

『キュキュー♪』


 クリスが自前の水を使って、400越えの切り身の中からほんの一部……それでも50個くらいありそうな切り身を、俺の目の前まで運んできた。ルミナスはそれを見て大はしゃぎしている。

 一切れ300グラムくらいはあるだろうし、これだけでも15キロはくだらないだろうな。けど、普通のアザラシでも1日で5キロくらい平らげるらしいし、大丈夫だろ。


「……ふむ」


 レアは出るまでにちょっとかかるみたいだし、このまま餌やりしてみるか。


「ほら、あーん」

『キュー♪』


 とりあえず3切れを纏めて放り込んでみると、ルミナスは嬉しそうに咀嚼し始めた。


「……普通に可愛いし、動物園での餌やりみたいに一般人参加型にしたら人気出そうだな」

「ん。大人気間違いなし」

「けど、一般にするならこの子の阻害系スキルは無効化したほうが良いわね。全部Ⅴあるから、一般人じゃ目の前にいても知覚できない可能性があるわ」

「あー。確かに」

「それに、このまま公開するとレベル差でメロメロになる逸話通りになってしまいますから、『弱体化』も必須ですねー」

「公開するなら狐族のお店周辺でしょうか」

「風俗街と並んで、また人気スポットが誕生しますわね」

『キュ? キュキュ』


 ルミナスは、泳ぎは素早くとも食事はゆっくりと堪能する派なのか、そうこう会話する間でも2回しか口に運べなかった。まあ、その方が互いに長く楽しめるだろうし、良いんじゃないかな。


『マスター様、レアが湧きそうですよ』

「おっと。じゃあ続きはまたあとでな」

『キュー♪』


 満腹ではなくとも、久々の食事ということもあってルミナスは満足げに返事をした。

 さて、次のお相手はと。


*****

名前:ソードフィッシュ

レベル:98

腕力:1100

器用:900

頑丈:600

俊敏:1000

魔力:400

知力:300

運:なし


(ブースト)スキル】剛力Ⅱ、怪力Ⅱ、俊足Ⅱ、迅速Ⅱ

(パッシブ)スキル】水泳Lv8

(アーツ)スキル】チャージアタックⅢ

(マジック)スキル】水流操作Lv5


装備:なし

ドロップ:ソードフィッシュの切り身

魔石:大

*****


 やっぱ出たか、『ソードフィッシュ』。

 スタンピード以来だな。


『『『『……!!』』』』


 連中はこちらを感知すると同時に、スキルをフル活用して一瞬で最高速に到達。そのままの勢いのまま俺に突撃してきた。


「ご苦労さん」


 そんな連中の長い頭をすかさずキャッチし、暴る連中に膝蹴りを放つ。


『ボッ!』


 頭を押さえられていた影響か、連中は衝撃を逃す事はできず腹から千切れ、煙となって消えていった。


『キュー……』


 その光景を見てルミナスは悲しげな声を上げた。

 ……ああ、レアのドロップはレアⅡ以降を終わらせないと出ないから、ルミナスに食わせてもよかったかもな。反省反省。

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