ガチャ1018回目:別の洞窟へ
辿り着いた答えに満足しつつ、宝箱を開けると、やはりそこにはメダルが入っていた。
名前:メダル【ガーデンイール】
品格:≪最高≫エピック
種類:トリガーアイテム
説明:コーラルガーデンイールを討伐した証。
★しかるべき場所に奉納することで道が開ける。
ふむ。そんじゃ、2つ目以降の宝箱をチェックするとしますかね。
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうして洞窟の地形データをマップに書き込みつつ進み続けること1時間。ようやく水に潜らずに行ける範囲は全て辿り着くことができ、手元には3つのメダルと、実験で出現させた宝箱があった。
俺やペット組、嫁の誰もが倒しても俺と同一の結果が齎される事は分かりきっていたため、クリスにお願いをしてアクセサリー類を全て外してもらった状態で『コーラルガーデンイール』を討伐してもらった。
結果で言えば当然ドロップは魔石くらいしかなく、手出ししていなかったため経験値も手に入らない。そして宝箱は出現したものの、最低クラスの宝箱が出現していた。
名前:青の宝箱【ガーデンイール】Lv1
品格:≪普通≫ノーマル
種別:モンスタードロップ
説明:190ダンジョンでのみ出現する特殊な宝箱。
★特に特筆すべきものは何も入っていない普遍的な宝箱。
品格も最低レベル、記載されてる内容も残念な事この上ない結果ではあったが、俺個人としては読み通りの結果に満足していた。
「ショウタ様に満足頂ける結果となって良かったですわ」
「まあ俺が無理やりやらせたから、結果が芳しく無くても、咎めたりはしなかったぞ?」
「それでもですわ。レアⅡを1体無駄にしてしまったようなものですから」
まあこの手の実験は今までした事なかったからな。今までは色々と勿体無いが勝って試せなかったけど、今ならスキルは潤沢にあるし、そもそもこいつのドロップがしょっぱいし。
結果として、ちゃんと100体目の雑魚と、レアⅠのドロップは全部出てくれたから満足行く結果に落ち着いたと思う。
「ん。ショウタご機嫌」
「ふふ、楽しそうですねー」
「にしても、せっかくレアⅡを出現させても、こんな残念な結果になることもあるなんて、酷い仕様ね」
「10年経過しそうなこの状況下でも、攻略が進んでいない訳ですね」
「んー、この状態でも俺が開けたらメダルが出たりするんだろうか?」
『特筆すべきものはないとわざわざ注釈がついている以上、期待薄でしょうね』
「やっぱし?」
『その中でも最上位が何かはわかりますし、とりあえず開けてみませんか?』
「そうだな、そうするか」
箱に触れると選択肢が出てきた。
【スキル】
【アイテム】
「お。じゃあスキルで」
そうして開けて出てきたのは2つのスキルオーブだった。
「『泡魔法Lv1』と『水魔法Lv1』ね」
「ん。最底辺の最高と思えば、十分当たり」
『はわー。おにいさんにかかれば、何でも分かっちゃうんですね♡』
「何でもは分からないさ。むしろ俺だけだと、最大値しか見えないんだよな」
後は『運』が初期値の嫁に確認してもらうしかないわけで、それも最底辺かどうかはブレがあるから、目的のものが出てくる期待値は結構低いんだよな。
さて、スキルオーブはしまっちゃってと。
「そんじゃ水が張ってる地下通路を通ろうかと思うんだが、その前にクリス。この階層で一度も他の人と出会ってないのって、もしかして狩場に適した場所が他にあったりするのか?」
「その通りですわ。ガーデンイールも弱くはありますが一般的には狩りやすい対象ではないので、基本的に無視されるモンスターなのです」
「なるほど」
水中通路が他の洞窟に繋がっている場所は全部で4つ。その4つも、向こう側を全て見渡したわけじゃないから大体の位置関係しか割り出せなかったんだが、3つは明らかに同じ洞窟に続いているんだが、1つだけ全く違う方向に繋がってたんだよな。
もしかしたらその1つが第三層への道か、もしくはメダルを嵌め込むポイントか。そのどちらでもないのか。
気になるところではあるが……『解析の魔眼』で見たところメダルとは別口な気がするんだよな。……うん、気にはなるが後回しでいいだろう。
「んじゃ、その別のモンスターの顔を拝みに行くか」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そして水中通路を通り別の洞窟へと辿り着くと、『鷹の目』では分からなかった情報が飛び込んできた。こっちの洞窟は、高さはそのままだが横の広さが2倍以上ある。モンスターの種類が違うから、環境も異なるようだな。
そうしてしばらくその洞窟を進んでいると、そのモンスターとご対面できた。
*****
名前:ケイブフロッグ
レベル:30
腕力:160
器用:200
頑丈:100
俊敏:120
魔力:30
知力:30
運:なし
【Aスキル】チャージアタック
★【Eスキル】ぬめりアーマー
装備:なし
ドロップ:ケイブフロッグの肉
魔石:小
*****
「カエルかー」
『ゲコッ』
見た目は一般的な緑色のアマガエルだった。大きさは高さが50センチくらい、長さも1メートルほどあるモンスターサイズだったが。
そして連中は洞窟の至る所に出現していたが、全て単独であり群れてはいないようだった。そしておもむろに近づいても敵意を向けてくる事はなく、完全に素通りしていた。
「ほぉ、敵対はしていないのか」
「はい。友好的とはニュアンスが異なりますが、一定数狩らない限りはずっとこんな調子なので安全なエリアなんです」
「一定数狩るとどうなるの?」
「優先的に襲ってくるようになります。ただ、知覚範囲は狭いようなので、敵対していても洞窟の端を通れば気付かれない事も多々あるようですわ」
「ほーん」
まあ、今から敵対する事になるんだけどな。この平和感、『ハートダンジョン』第一層の綿毛虫を思い出すな。
けど、あいつらと違って繰り返し倒せば恨みが溜まっていくと。さーて、何体倒せば敵対されるのかなー。
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