ガチャ974回目:管理者レベル13
アズ達が説明する事数分、彼女達の一部が納得できないと腹を立てていた。
「アスモデウス様がお望みになられていた殿方は、ユーモアがあって面白くて格好良よくて甲斐性のある自分より強い存在です! 貧弱そうな人間が主人だなんて、信じられません!」
「そうだそうだー!」
どうやら彼女達は、アズの城下町で働いていたサキュバス達なのだそうだ。それゆえ、一際忠誠心が強いんだろうけど……。なんだろ、敵対心をまるで感じないんだが??
それに、俺ってユーモア溢れてたか?
『ま、そうなるわよねー』
「なあアズ~」
『マスター、本気出してあげて。彼女達もそれを望んでいるみたいだし、結局のところ、あたしの国では強さこそが正義だったから』
「なるほど、じゃあ仕方ないか。……ハーフブースト、ハーフプレッシャー」
その瞬間、周囲は静まり返り、こちらを煽っていた者達も黙り込んだ。……いや、目をキラキラと輝かせているな。これが見たくてわざと煽っていたのかな?
『どう? これがあたしのマスターよ。これでも本気の半分も出してないんだからね!』
アズがドヤる。すると彼女達から歓声が上がった。
「キャー! すごいですアスモデウス様!」
「こんないい男に出逢えるなんて羨ましい~!」
『ふふん。それと、今のあたしはアズモデウスじゃないわ。マスターから貰ったアズって名前があるから、今日からそう呼ぶようになさい♪』
『はい、アズ様!!』
もう良いかな。ブーストと圧を切ると、ゲートから嫁達がやって来た。
「ん。分からせタイムは終わった?」
「そうみたいね。もう少し早めに来ておくべきだったかしら」
「その割には、ショウタ様に注目が集まっていませんわ」
「アズさん大人気ですねー」
「ショウタ様の凄さが分からないなんて、見る目がありませんね」
「テレサ、言うようになったわねー」
「きっと皆さん遠慮しているのではないでしょうか。アズさんのご主人様な訳ですし」
「ん。憧れの人のご主人様に手を出すなんて、恐れ多くてできないってこと?」
「そういうことですか……」
そういうことなのか?
『プルーン?』
『ゴーゴゴ?』
『キュキュイ』
『ポッポポ』
『♪♪』
イリスはイリスで、マイペースに美味しいものが無いか気になってる様子だ。自由だなぁ。
まあそれはそれとしてだ。
「リリス、おいで。コアルームに行く」
『はいっ、おにいさん!』
「アズも来るか?」
『んー……パス。この子達に色々聞いておきたいことがあるし、これからの事を伝えておきたいの』
お、アズが別行動を申し出るなんて珍しい。
けど、ちゃんと彼女達のことを考えた結果のようだし、良い事ではあるな。
「キュビラとタマモはどうする?」
『ご一緒します!』
『わっちも付いていくのじゃ!』
「よし、じゃあちょっと行ってくるな。管理者の鍵を使用する」
【所持者の意思を確認】
【管理者キー 起動】
【管理No.601】
【ダンジョンコアへ移動します】
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうしてやって来たコアルームでは、案の定出て来たのは手乗りサイズのサキュバスだった。今までのコアの中でも完全人型は2体目だな。小型アズと比べても遜色ないエロ可愛さをしてる。
『ようこそ、管理者様』
「ああ」
『私は当ダンジョンを管理する端末AI、ダンジョンコアです。……貴方様は中枢キーを1つ、居住キーを2つ、末端キーを10お持ちなのですね』
「特に増加はなしっと」
『わわ。おにいさん、たくさん持ってるんですね』
「凄いか?」
『凄いです!』
なんか言わせたみたいになっちゃったが、なんというかリリスには庇護欲が湧くんだよな。その延長線で、彼女は甘やかしたくなると同時に、尊敬されたいと感じてしまうというか、なんか不思議な感じだ。これも彼女の特性か、それともサキュバスが持つ能力の1つか。
個人的には前者であって欲しいところだが。
『えへへ』
そういや、リリスは心が読めちゃうんだったか。
『前者であってますよ、マスター様♡』
「そうなの? よかったー」
まあそれはさておきだ。先に用事を済ませておくか。
「ダンジョンコア、このダンジョンはスタンピード設定はあるか?」
『否定』
「モンスターは出るけど、スタンピードが存在しないパターンがあるのか」
まあ住人が暮らしていけるだけの機能さえあれば良いから、隠れ蓑としてモンスターがちょろちょろと出る機能が付いてるだけか。
「でも無いなら無いでも、外の人達は知らない訳だし、周知メッセージの時にあたかもあったかのような内容で流せば問題はないのか」
『くふっ、流石御主人なのじゃ』
『あの通知はマスター様が支配したと分からせる指標になっていますからね♡』
「んじゃダンジョンコア、この後666のダンジョンを支配した時に通知を流させるから、その際に連動して流れるメッセージを用意しておきたい。可能か?」
『許可。可能です』
そうして出て来たキーボードに手入力して、下準備はバッチリだ。
「これで良しと。んじゃ長くはできないけど、キュビラ、タマモ。手伝い宜しく」
『お任せください♡』
『はいなのじゃ!』
『??』
「リリス、お前は直接精気を喰った事がないそうだな。正式に俺のペットになった以上は、きちんと俺の味を覚えて貰うとしよう」
他のサキュバス達に示しがつかないだろうしな。
『ええっ!? ……よ、よろしくお願いします!!』
本物のサキュバスとはいえ、相手は未経験だ。アズほど絞られる事はないだろうけど、もしものために竜の血は用意しておくかな。
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