現代人達は山に入る 5
夢を見ていた・・・。
爺ちゃんが生きていて・・・キツネさんが居て・・・ハムちゃんが居て・・・。
決して裕福ではないが、そこには確かに幸せな日常があった・・・。
「歩、早くメシを喰ってしまいな」
食事を終えた源次郎が歩を急かした。
何故か体が小学生に戻っていたが、歩は祖父の言葉通りに食事を急いだ。
家の囲炉裏を囲むように、正面に源次郎が座り、左右にはキツネさんとハムちゃんの姿があった。
二人の前にも膳が並べられ、キツネさんとハムちゃんも同じように食事をしていた。
ー 急いで食べないと・・・。
歩はカツカツと箸を口に運んだ。
しかし不思議なことに一向にお椀は空になる気配を見せない。
やがてキツネさんが食事を終え、次いでハムちゃんも食事を終えた。
そんな二人に視線をやりながら、源次郎が口を開いた。
「歩は食事が終わったら付いてきな」
「よっこらしょっと・・・」と源次郎は重い腰を上げた。
「もう少し待ってあげて貰えないでしょうか?」
「お爺たまご主人たまを待つのハム~」
キツネさんもハムちゃんも流暢に言葉を操り、歩の味方をしてくれた。
そんな二人に迷惑をかけられないと、歩は箸を口に運ぶ動きを速めた。
・・・が、やはりお椀の中のご飯は減る素振りすら見せない。
そんな孫の姿をジッと眺めていた源次郎であったが「もう時間だ・・・」と呟くと、腰の上で両手を組み玄関の方へと歩き始めた。
名残惜しそうに歩を見つめていたキツネさんとハムちゃんであったが、最後に未練の残った視線を歩にくれると、源次郎の後に続いた。
「みんな待ってッ!!僕も行くよッ!!置いていかないでッ!!!」
歩はお椀を投げ出すと、勢い良く立ち上がり駆け出した。
しかしすぐに態勢を崩し、前のめりに倒れ込んだ。
ー 身体が上手く動かない・・・ッ。
両足は重りを付けた様に鈍重で、倒れ込んだ身体を起こそうにも、水の中でもがいているかのように力が伝わらない。
三人の背中が遥か遠くへと離れていく。
歩は這うようにその後を追うが、距離は広まるばかりで一向に縮まらない。
「みんな待ってよッ!お願いだから僕も連れて行ってよッ!お願いだからッ!」
涙声で必死に叫ぶも、三人は止まらない。
歩はもがきながら体をよじり、ミミズが這うように進んだ。
いつの間にか目が眩む程の光が玄関を覆っていた。
逆光のためか、皆の体は黒いシルエットとなりその表情を覗い知ることは出来なかった。
何秒だったか、あるいはそれが何分だったのかも分からない。
・・・やがて三人の姿は光の中へと消えて行った。
☆彡☆彡☆彡
「はなたん、あたちは先にご主人たまに飼われていたから、あたちははなたんのお姉たまになるのハムよ~」
「ワオン?」
「あたちのことはお姉たまって呼んで欲ちいのハム~」
「ワンワンッ」
「あいあい良く出来まちたハム。お姉たまが良い子良い子ちてあげるのハム~」
「ワオンッワオンッ」
聞き慣れない少女の声と、ご機嫌なはなちゃんの声が夢うつつな歩の頭に響いた。
ー 夢を見ていたのか・・・。
歩は先程の夢を思い出していた。
思い出すと同時に、深い虚無感と絶望にも似た感情が頭の中を支配した。
まるで黒い絵の具でもぶちまけられたかのような、救い様の無い気持ちに、小さくため息がこぼれた。
別れの日からどれだけの時間が経っただろうか?
ハムちゃん達は何十回、何百回と夢に出てきては、朝焼けと共にどこかへと消え去ってしまう。
目覚めた後には、胸が張り裂けんばかりの強い喪失感が傷跡のように残るのだ。
吐き気を催す程の悲しみに、何度心が壊されそうになっただろう。
未だに気持ちの整理が付かない自分が嫌になることもあった。
はなちゃんとはなちゃんのお姉さんの会話は続いていた。
ー はなちゃんにお姉さんが居たのか・・・。
歩はまだ自分が夢の中に居るのだと思った。
ー はなちゃんのお姉さんならば、その体はさぞや白いに違いない・・・。
そんな他愛のないことを考えながらも、頭の中で少女の言葉を反芻してみる。
ー ・・・?あれ?先に僕に飼われていたってどういうことだろう?僕ははなちゃんのお姉さんを飼った覚えはないけど・・・。
これまで飼った動物といえば、ゴールデンハムスターのハムちゃんに、路地裏で段ボールに入れられて捨てられていたはなちゃんだけである。
確かにハムちゃんならばはなちゃんのお姉さんになるのだろうが、とうの昔に天国へと旅立っている。
ー 夢にしても・・・はなちゃんは一体誰とお喋りをしているんだろう・・・?
そんな好奇心が沸き上がり、ゆっくりと瞼を開けてみる。
目と鼻の先には寝転がるはなちゃんが居て、その頭の上には茶色と白とオレンジの混ざった可愛らしい小動物の姿があった。
トクン・・・と心臓が鼓動を打った。
見間違うことなどあるはずがない。
目を見開き小動物を凝視していると、こちらの視線に気付いたのか目が合った。
彼女はつぶらな両の瞳を細め、ピンク色の鼻をヒクヒクと動かしながら「わ~いッ!ご主人たまが起きたのハム~ッ!」と元気一杯の声を聞かせてくれた。
「ハ・・・ム・・・ちゃ・・・」
歩は無意識の内に頬をつねり上げていた。
人差し指と親指で右頬をねじると、確かな痛みが走り、これが現実なのだと教えてくれた。
「ハムちゃん・・・」
夢遊病者のようにおぼつかない手取りで、ハムちゃんのモコモコの体を包み込む。
「ご主人たま~ッ!!あ~んッ!!あ~んッッ!!!」
「ハムちゃんッ!!!」
ハムちゃんは大粒の涙を流しながら、歩の親指に抱き付いた。
小さな体を震わせ、二度と離れたくないとばかりに強く抱き付いた。
そんなハムちゃんの姿を見て、歩の頬にも涙がつたった。
「ハムちゃん・・・ハムちゃんなんだね・・・」
声が震えていた。
決して叶わぬと知りながら、何度も何度も乞い願った再開の時・・・。
親指から伝わる暖かな体温が、記憶の宝箱から思い出達を蘇らせ、まるで洪水のように思い出が頭の中を駆け巡る。
初めて出会ったあの日のこと・・・。
段ボールの家を二人で作ったこと・・・。
キツネさんとすぐに打ち解けて仲良くなったこと・・・。
夜遅くまで遊んでいて爺ちゃんに怒られたこと・・・。
庭にヒマワリの種を一緒に植えたこと・・・。
その一つ一つをすぐにでもハムちゃんに告げ、お互いに確認し合い、共有し合い、共感し合いたいと思った。
伝えたい言葉も沢山あった。
しかしそのいずれも自分の心境を表すには役割が不足し過ぎていて、もどかしさと歯痒さに遊ばれているようだった。
次の言葉が出ないのはハムちゃんも同じようで、親指に抱き付いたきり「えぐっ・・・えぐっ・・・」と嗚咽を漏らすばかりだった。
「ハムちゃん・・・元気だったかい・・・?」
「えぐっ・・・あい・・・」
震える声で尋ねると、ハムちゃんは首をブンブンと縦に振った。
嗚咽で上手く言葉が出ない代わりに仕草で補おうとする、いじらしくも健気な行動であった。
「ハムちゃん・・・お喋りが出来るようになったんだね・・・?」
「あい・・・。ご主人たまとずっとず~っとお喋りちたかったのハム・・・。伝えたいこともいっぱいいっぱいあったはずなのに・・・」
感極まったかのように、再びハムちゃんの瞳から大粒の涙が溢れ出す。
きっとハムちゃんの伝えたいことと自分の伝えたいことは一緒なのだろうと歩は思った。
歩が適切な言葉を探し出せずにいるように、ハムちゃんも歯痒さを感じているのだろう。
そしてそれ以上に再会の喜びで胸が一杯なのだろう。
歩はかつてしていたようにハムちゃんの体を優しく撫でた。
言葉に出来ぬ思いを伝えるかのように、優しく何度も撫でた。
ハムちゃんはくすぐったそうに、しかし幸せそうに目を細めると、モコモコの体を歩の掌に預けた。
「ワォン・・・」
歩の肩にはなちゃんの真っ白い手が置かれた。
彼女は何かをおねだりする時にお手をする癖があり、今回の場合でいえば「アタシも撫でて」であり、はなちゃんは耳を畳んで撫でられる準備万端であった。
歩はクスリと笑うと左手ではなちゃんの頭を撫でた。
「ワオ~~ンッ!」
ご機嫌そうにはなちゃんが一声吠えた。
歩とハムちゃんとはなちゃんの新たな生活が始まろうとしていた。
☆彡☆彡☆彡
「みんな幸姫たまの所にいるのハム~」
ハムちゃんが教えてくれたので、歩は皆の元へ向かうことにした。
どうやらハムちゃんはすでに幸姫に挨拶を済ませているらしい。
恐らくは大広間にいるだろうと予想を立て、渡り廊下を進んだ。
変わっている所といえば、歩は片手に勇太のズボンを携えていた。
寝坊したとはいえない時間だが、彼以外の犬友達はすでに目を覚ましているらしい。
その証拠に勇太の布団には何者かが這い出た痕跡が残されていたし、ついでになぜかズボンも残されていた。
ノックの後に遠慮がちに開けた女性部屋では、布団が綺麗に畳まれて隅に置かれていた。
ハムちゃんの話ではハムスター族が揃って犬神の里にやってきたそうだから、可愛い物が好きなヨーコと子供達は大喜びしているに違いない。
「キツ・・・ヤトたんとライたんが助けてくれたのハム~」
はなちゃんの頭の上に乗っかったハムちゃんが、興奮したように両手を広げる。
「ヤトさんと・・・ライが・・・?」
「ワオン・・・?」
歩とはなちゃんは思わず顔を見合わせた。
ハムちゃんから聞いた話によると、旅の道中で追跡する狼なる凶暴で凶悪な魔物に襲われたそうだ。
スイカのように大きな目玉に、耳まで裂けた口、ナイフのように大きな牙・・・話を聞いているだけで歩とはなちゃんは背筋が凍り付いてしまった。
だからこそ余計に、ヤトとライの出番は無いように思えてしまった。
普通、そういう魔物に立ち向かうのは鎧と兜で武装した兵士であって、ヤトとライではない。
歩達の中のヤトとは、品の良いお嬢様で、深窓の令嬢であり、ライとはそんな彼女を守る物静かでダンディーな狼っぽい犬であった。
「周りをいっぱいの追跡する狼に囲まれて、絶対絶命だったのハム~」
とハムちゃんは身振り手振りで教えてくれた。
必死に頭を働かせ、凶暴な追跡する狼の群れと対峙するヤトとライの姿を想像してみるが、あまりに現実離れした光景に、思考が停止してしまう。
対峙した両者は一枚の写真のように固まって、どちらかが動き出す素振りすら見せない。
そうこうしていると、ヤトとライがこちらを振り返りいつもの上品な感じで
「ウフフフフ・・・」「ワフフフフ・・・」
と笑った。
歩はそこで思考を放棄し、これ以上答えの出ない想像に頭を働かせることをやめた。
「ハムちゃん・・・ヤトさんとライは一体どうやって追跡する狼の群れからハムちゃん達を助け出したんだい?」
「ワオンワオン?」
「びゃっとやってポイッポイッだったのハム~」
どうやらヤトとライはびゃっとやってポイッポイッとハムちゃん達を助け出したらしい。
ハムちゃんはそれ以上詳しく話す気はないようで「ハミュ~♪ハミュ~♪」と鼻歌を唄っている。
ヤトとライに聞こうかとも考えたが、頭の中の二人のように「ウフフ・・・」「ワフフ・・・」と上品に笑われて終わりだろう。
歩はそこで考えを変えることにした。
大事なこととは今ここにハムちゃんが居ることであり、お上品な二人がハムちゃんを助け出したことであり、その方法を詮索することではないのだろう。
庭園に面した開放的な渡り廊下を歩いていると、前方にヤトとライの姿があった。
二人はこの場所で歩が起きてくるのを待っていてくれたようで、朗らかに表情を緩めると「おはようございます」「ワウワウ」と挨拶をしてくれた。
「ヤトさん・・・ライ・・・」
歩は挨拶をするよりも先に、深々と頭を下げていた。
「ハムちゃんを助け出してくれて本当にありがとうございます」
心からの言葉だった。
もしも追跡する狼の牙にかかってハムちゃんが命を落としてしまっていたら・・・。
きっと誰にも気づかれずに森に朽ちていたことだろう。
その想像をしただけで身震いしてしまう。
だからこそ、自然と歩の頭は下がった。心の底からヤトとライに感謝していた。
ヤトが戸惑ったように目を泳がせた。
ヤトが見たいものとは歩の笑顔であり、頭を下げる姿ではない。
しかしそれが歩の心からの誠意の態度だと分かると、胸に手を当て頬を赤らめ受け入れた。
そして
「頭を上げて下さい歩さん。私もライも出来ることをしただけです。だからどうか・・・」
と言った。
「ヤトさ・・・」
「ワオンッ!!」
歩が頭を上げるよりも早く、飛行機耳となったはなちゃんがヤトに突っ込んでいた。
はなちゃんがヤトの体に飛び付くと、その反動を利用したハムちゃんがヤトの肩に飛び乗り、腰まで伸びた美しい黄褐色の髪をロープ代わりに、頭の上を目指して登山を開始した。
「わわっ・・・ハムちゃんっ・・・」
慌てたのは歩である。
いくらヤトが温和で優しいといっても、ハムちゃんの行動はあまりに気安く、無礼でさえあった。
歩がハムちゃんを迎えるために手を伸ばすが、時はすでに遅く、ハムちゃんはまんまとヤトの頭の上に鎮座していた。
「すっ・・・すみませんヤトさん・・・」
「いえいえ・・・」
謝罪の言葉が不要なくらいヤトはいつも通りだった。
それどころか、上目遣いで頭の上のハムちゃんを見る表情はどこか嬉しそうでもあった。
「ご主人たまッ!あたちとヤトたんは仲良しなのハム~ッ!」
「えっ・・・!?そうなのっ・・・!?」
「そうなのハム~ッ!」
そういうとハムちゃんは、サーカスの軽業師の様に器用にヤトの眼前に身を乗り出した。
逆さ吊りの状態のハムちゃんとヤトの視線が合うと、二人は声を揃えて同じ方向に首を傾げ「「ね~」」とおどけてみせた。
歩は軽い衝撃を受けていた。
ヤトが子供の様な素振りを見せるのは初めてのことだったし、彼女にもこんな一面があるのかと新鮮な驚きで一杯だった。
ハムちゃんはいつの間にかその身をヤトの掌の上へと移していた。
モフモフの体をせわしなく動かしてはヤトに話しかけ、ヤトも笑顔で応じている。
ー 随分と仲が良いんだな・・・。
歩はそんなことを考えていた。
ハムちゃんの話では、二人が出会ったのは昨夜のことで、僅かな時間でここまで打ち解けるとはよほど馬が合ったに違いない。
いやそれ以上に、二人の様子を見ていると、旧知の間柄というか、長く知り合う者同士が発する気安さや馴れ馴れしさまで感じられてしまう。
歩もそのことにいささかならず疑問を持ったが、彼は
ー ヤトさんとハムちゃんが仲良しになってくれて本当に良かった・・・。
というなんとものどかな結論に帰着した。
思い浮かんだ疑問をヤトやハムちゃんに問うこともできただろうが、恐らく二人とも「ウフフフ」「ハムムムム」と笑って答えてくれないだろうという確信があったし、別にそれでも良いと思った。
腑に落ちない点をつまびらかに上げていって、検察官のように尋問するなど歩の性に合っていないし、するつもりもなかった。
何か秘密があるとして、それを自分に話さないのには理由があり、いずれ打ち明けてくれる時がくればそれで良いと思っていた。
だから歩は浮かんだ疑問を胸の内に秘めた。
「クゥ~ン・・・」
聞き慣れない泣き声が渡り廊下に響いた。
はなちゃんの声ではない。
現に彼女はヤトに飛び付いたまま、会話に加わるかのようにパタパタと尻尾を振っている。
まさかと思いライを見てみると、彼はじっとりとした視線でハムちゃんの行方を追っていた。
銀色の尻尾は遠慮がちに振られ、まるで遊びの輪に加わりたいがなかなか言い出せない子供のようであった。
ー ライもあんな声を出すんだ・・・。
歩は本日二度目の衝撃を受けていた。
ライが何歳になるのかは分からないが、彼はいつも落ち着いていて、甘えん坊のはなちゃんとは対照的な存在だった。
歩は物静かで威厳のあるライに一目置いていたのだが、今朝は違うらしい。
「あいあい。ライたんも一緒にお話しするのハム」
ハムちゃんはヤトの掌からジャンプし、ライの頭の上にポフリと着地した。
「ワオンワオン」
ライは白銀のお腹を見せると、ハムちゃんに撫でてと催促をする。
「ライたんは撫でられるのが好きなのハム~」
ハムちゃんは小さな体でライのお腹の上を所狭しと動き回る。
とても撫でているようには見えないが、ダンディーな犬は幸せそうに「ワフゥ・・・」と声を漏らしていた。
ー ライがお腹を見せるだなんて・・・。
ヤトとライに出会って四年が経つが、歩はライが感情を露わに誰かに甘えている姿を見た事がない。
逆をいえば、それこそがライのダンディーたる所以なのだが、今の彼にはその面影すらなく、知り合いにじゃれつく無邪気な仔犬のようであった。
ー ・・・?・・・ッ!?・・・あれッ!?ライってまさかッ!?
ライのお腹の上を動き回るハムちゃんを眺めていた歩だったが、ある場所で視線が釘付けになっていた。
本来ぶら下がっているはずの物がぶら下がっていなくて・・・つまり有り体にいってライは男の子ではなかった。
歩はこれまでずっとライを男の子だと思い込んでいた。
その勘違いがいつから始まったのかといえば、出会ったその時からなのだが、ライの放つ雰囲気や凛々しい顔つき、それに落ち着いた様子から男の子だと信じてやまなかった。
そういえばこの四年間、ライの性別に言及するやり取りを一度もしたことがない。
そのせいもあって歩の間違いが正されることはなかった。
「歩さん・・・どうしました?」
一人固まっている歩の顔をヤトが覗き込んだ。
「い・・・いえ・・・あの・・・ライって女の子だったんだなぁ~と・・・」
「まあッ!?」
「ワオンッ!?」
「ハムッ!?」
歩の発言に、ライを除いた女性陣から驚きの声が上がった。
「歩さん・・・まさかライを男の子だと思っていたのですか・・・?」
「ワンッ!ワンッ!」
「ご主人たまッ!こんなに可愛らしいライたんを男の子と間違えるなんて酷いのハム~ッ!」
「すっ・・・すみませんでした・・・」
歩は平に謝った。
それ以外に彼がすることはなかった。
四年間も性別を間違えていた自分に非がある話だし、何よりもライに申し訳なかった。
「ライ・・・ごめんよ・・・。本当にごめん・・・」
頭を下げる歩を、ライは薄目を開けて一瞥すると
「ワオンワオン。ワンワン。ワオ~ン」
と鳴いた。
「許して・・・もらえたのかな・・・?」
「あい。ライたんは『ウチのこと男子と間違えるなんてマジウケるんですけどぉ~(笑)。まあ今回は歩も謝ってるから許してあげるけどぉ~(寛容)?次に失礼なこと言ったらウチ噛んじゃうんだからッ!(戒め)』と言ってるのハム~」
「えっ・・・えええ・・・」
なんだかギャルっぽい口調のライなのであった。
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