十三限目 〜イカ部だけじゃない〜
何とか桔梗の機嫌を直すことに成功。そして俺たちは、再び校内を歩き始めた。
「ぶっちゃけ言うとさ〜、俺らみたいなことしてる奴らって、意外と他のところにもいるんだよなー」
「えっ!? こんな変な部活みたいなのが、他所にもあるんですか!?」
猫山先輩の言葉に、涼星は余程驚きを隠せなかったのか……思わず本音がダダ漏れてしまっている。
しかし、俺は他所様ひ風評被害を与えないためにも、猫山先輩の言葉に訂正を加える。
「違う、違う。安心しろ、涼星。変なのはウチの部の名前とあの二人の頭だけで、他所様は至ってまともだ」
「ちょっと、優心ー? その言い方って、ないんじゃなーい? ひっどーい」
猫山先輩の不満をガン無視して、俺は涼星に説明をする。
「さっきも説明した通り、ウチの学園以外にも『混沌の狭間』と呼ばれる場所はいくつか存在してるって説明したろ?」
「は、はい……」
「そんな危ない場所が何十……何百箇所も、誰にも管理されずに放置されていたら、それこそ大変だろ? だから俺たちみたいに、他人とは少し違う『力』を持った人間が、そういった場所を管理や監視、または封印したりしてるんだよ」
「『封印』ですか……?」
そう……俺たちイカ部のような活動をしているのは、ここだけの話ではない。さっき涼星への説明の例に上げた場所も、誰かの手によって管理されている。
いつから存在しているのか、正確には分からないが……それらを管理、指揮している人間がいる。
聞いた話によれば、元は『特殊な人間が生まれる家系』の家の者たち、三家が寄り集まった非合法な組合みたいなものだったらしい。
その三家を『御三家』と呼び、代々その家系の人々が中心となって、『混沌の狭間』の土地を管理していた。
……が、時代と共に『混沌の狭間』は増え続け、それと比例するかのように、後天的に『特殊な力を持った人間』も現れだしたらしい。
少子化や御家の衰退などで、管理しきれなくなったその御三家の人々は、そんな『力を持った人間』を集め、今の俺たちのように『混沌の狭間』の管理、または監視をさせるようになったのだとか。
「噂では、その御家は代々国の中枢を担う重鎮だーとか、昔から続く名家だーとか。それにそういった力を持って属してる奴って、俺らでも名前の聞いたことある企業のトップだったり、有名人だったり……色々とあるぜ?」
猫山先輩が淡々と話していく。
「ちなみに、俺らのこの時間。表向きは部活だが、御三家からの依頼の仕事として、ちゃんと給料も支給されてんだぜ?」
「えっ……!?」
「しかも、かなりの額」
猫山先輩が親指と人差し指を丸く合わせる。涼星の驚く反応を見ては、ニヤリと笑っている。
「まぁでも俺たちは学生だし、表向きが部活動ってことだから。俺たちに直接支給はされないんだ」
「そ、そうなんですか……」
涼星はどこかホッとしたような、少し残念なような表情を浮かべる。
それに、俺たちは仕事と言っても、基本的には小物レベルの悪い霊や妖怪を祓ったり、軽い見回り程度だ。時間が余ったら先程出会った又三郎や花子たちと遊んだりと……それこそ、部活動やボランティアレベルなのだ。
「まぁその分、ウチの部活の部費として支給されてるから。だから割と、備品とかも揃ってただろ?」
「た、確かに……」
俺たちには直接給料として支給されない代わりに、部費として御三家から支払われている。なので、他の部よりも金額は多いし、飲み物や茶菓子などの備品は勿論、桔梗のあの怪しい実験の器具や薬品などはそこから賄っている。
「さらについでの話だけどさ。ココの管理は表向きはウチの学園長で、その代理が我らが『イカ部』だけど……本当はさっき話してた御三家の一つが受け持ってんだぜ?」
「そうなんですか? それはどこのお家の方なんですか?」
涼星の疑問に、俺は複雑な気持ちで言葉を濁しながら答える。
「あーうん、まぁ……お前も知ってる人間だよ。でも、当主じゃないから大丈夫だとは思うけど……別に知らなくてもいいかな……ってか、知らない方が幸せかもな」
「えっ……?」
俺は先に歩いていった、猫山先輩と桔梗の後を追う。
俺の言葉に、涼星の疑問は深まるばかりだった。
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「でも意外です。伊椰子先生も副顧問だったなんて……」
「確かにそうだよなぁ……それに、この学園の元OB、OGだよ」
「そう、だったんですか……」
ちなみに、椰子先生の方が河樹より一学年上だったため、先輩と後輩の関係だったらしい。
「あとね、あとね。河樹と伊椰子先生って、実は幼なじみだったんだって。先輩後輩の関係で幼なじみって……まさしく、俺と優心みたいな関係だよね~♪」
そう、河樹と伊椰子先生は親同士も仲が良く、家も近かったことから、幼稚園からの幼なじみらしい。
どのような関係だったのかを聞いてみると、伊椰子先生曰く『ちょうど宇辻君たちのような関係だった』とのこと。
「伊椰子先生たちの関係を今の俺たちで例えるとさ、俺が伊椰子先生ポジだよね♪ ねぇ~、優心♪」
猫山先輩が一切の迷いのない、無邪気な笑顔で俺に同意を求めてくる。
おっと、それは初耳だな。一体、猫山先輩のどこに、伊椰子先生みたいな優しさと常識あると言うんだ?
「猫山先輩……それは……」
「それは無い……と、思います」
俺が否定しようとする前に、猫山先輩の言葉を否定したのは意外にも涼星だった。
「えぇー、どこがぁ!? ねぇ、優心!!」
「全体的にですよ!!」
俺と涼星の否定に、猫山先輩は頬を膨らませる。
そして腹いせと言わんばかりに涼星に襲いかかり、脇腹をこちょこちょとくすぐり始める。
猫山先輩に襲われた涼星が、泣きながら「宇辻先輩~!」と助けを求めるので、俺はため息をつきながら猫山先輩を涼星から引きはがすことにする。
「ほら、猫山先輩。涼星が嫌がってるから、やめてやってください」
「わーん、優心の意地悪~! ケチ! ヘタレ男子!!」
散々な言われように、俺は少し『ムッ』とする。
「あーもう、面倒くさいな!! ヘタレじゃねーよ! アンタのそういうところが、伊椰子先生とは似ても似つかないんですよ!!」
「まぁ! なんって口の利き方なの優心! 俺は優心を、そんな子に育てた覚えはないわ!!」
「俺はそもそも、先輩に育ててもらった覚えなんて、これっぽっちもないですけどねぇ!?」
顔を隠しながら、ワザとらしく泣くふりをする猫山先輩。俺は鶴の一声を求めて、妹の桔梗に助けを求める。
「桔梗、一応お前の兄貴だろ? 何とかしてく……れ……」
桔梗の方へ視線を向けると、桔梗の顔には、大きく『怒』と書かれた紙が貼られていた。
俺はゴクリと、唾を飲み込む。
お、お怒りが……ご丁寧に紙に書いて、顔に貼ってある……!!
「き、桔梗さん……?」
俺は恐る恐る……試しに紙をめくってみる。
覗き込んでみると、そこにはほっぺたを膨らました桔梗の顔があった。
俺は色々と、思考を巡らせて考えてみる。
まさかとは思うが、コレはもしかして……。
猫山先輩ではないが、試しに確認してみる。
「桔梗……お前もしかして、本当に拗ねてるのか?」
「だから拗ねてないと、言っているだろうが!!」
そう怒鳴ると、桔梗の右フックがきれいに俺の頬にヒットした。
「いったい!?」
「あ、ゴメン。つい」
予想外の桔梗からの右フックをもろに食らった俺は、軽くよろけて左頬を抑える。
「すまない優心。つい猫山先輩の感覚で、殴ってしまった。謝罪する」
「いや、別にいいけど……。それよりお前、仮にも実の兄貴に対して、いつもこんなに容赦なく殴ってたのか?」
「あの人は残念なくらい、心身共に丈夫だからな。仮に殺そうとしても、そう簡単には死なない」
「いや、まずその殺す前提で話すのをやめよう?」
俺は桔梗の物騒な物言いに、苦笑いする。
桔梗はしばし無言の後、無表情で「……善処はする」と、視線を逸らしながら言う。待て待て、その謎の間と、視線を逸らすあたりに、不安要素しかないぞ!?
「それに、優心は────だから……」
「……え? なんか言ったか?」
桔梗が何かを呟いた気がしたが、聞き取れずに聞き返す。
「何でもない。さっさと終わらせて部室に戻るぞ」
「あ、あぁ」
俺が頷くと、桔梗は少し先を歩き出す。そしていつまでも涼星に絡んでいる猫山先輩に、桔梗は無言で注射器を見せては、先輩を黙らせた。
気のせい、か……?
一瞬見えた桔梗の顔が、少しだけ悲しそうに見えたのは……?
「優心、優心」
猫山先輩が、俺の名を呼びながら背中を突っつく。
俺が振り返ると、猫山先輩は笑顔でこう言った。
「ドンマイ☆」
「何がかな!?」
ウインクをしながら右手の親指を立て、それはもう楽しそうに言ってくるではないか。コイツ……!
猫山先輩に、地味に殺意が沸いた瞬間だった。
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何故桔梗が何に怒っているのか分からずじまいだが、気にしていたらきりがないので、聞くのも考えるのも諦めた。
もし、仮にだ。猫山先輩のように桔梗にしつこく質問して、さらに桔梗の機嫌を損ねるというのは、俺としても今日の残りの活動時間を考えても、あまりよろしくないと判断したためだ。
まぁ、ずっとこのままだったら……。部活が終わってから、もう一度聞いてみようかな……。
現在、俺たちがいるのは三階の廊下。
全部で五階建ての校舎の、ちょうど半分だ。
「優心、優心!」
猫山先輩が何か、楽しそうに俺の名前を呼ぶ。どうせしょうもないことなのだろう。とりあえず無視してみる。
「優心、優心……? 聞こえてる~? おーい」
……別に、さっきの事を怒っている訳ではない。
「ねぇってばー。もしかしてさっきの事、怒ってる? ゆーうーしーん?」
無視だ無視。
「ねぇ優心? ゆーうしーん?」
無視無視。
「優心? ねぇー、優心……優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優芯優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心憂心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優伈優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優沁優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心瀀心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優鈊優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優孞優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心優心………………」
「無視無視、無視だむ……って、あぁもう! 五月蠅いな! と言うか、怖いわっ!! 人の名前をそんなまるで呪文のように、一言一句間違えず、同じ音程と速度で! 何度も何度も連呼しないでくださいよ!! 本っ当、怖いわ!!」
あまりのしつこさと、呪文のような……いや、お経のように名前を呼び続けられ、俺は無視することを諦める。
「まったく、一体何な……」
振り返った俺は驚いた。
……と言うか、固まった。
俺の視線の先……猫山先輩の指さす先には、もぞもぞと動く影の、小さな山が出来ている。
「……んんんん~っ!」
もぞもぞと動く影……そこには悪戯好きの雑鬼妖怪に埋もれ、片手だけがはみ出した状態の涼星がいた。
「わっ……わぁぁぁぁぁぁぁああっ!?」
俺は思わず叫びながら、慌てて涼星から雑鬼たちを引き剥がす作業を開始する。
「なっ! なぁ!? 面白いだろ!?」
「面白いどころじゃないですよ! 何で助けてやらないんですか!?」
俺の質問に、猫山先輩は興奮気味に答える。
「だって、優心に見せたかったから!」
「見せなくていい!!」
すまん涼星! 俺が無駄な意地なんかを張ったばかりに、お前をこんな目に……!
俺は心の内では土下座をしながら、速やかに涼星から雑鬼たちを引き剝がすのだった。
こんにちは、斐古です。
最後の涼星、雑鬼たちに襲われてて大変でしたね。
ちなみに、猫山先輩が優心の名を呼ぶところ、最後まで読みましたか?
途中間違い探しがあるので、お時間ある時にでも探してみてください。
間違いは全部で七つです。
見つけたら報告してみてください。
それでは。





