文字数大体1/6で分かる(?)『そしてまた月は満ちる』第二章
引き続き禰々島茶番
凌光:うっ……ううっ…………
青颯:うわ、何泣いてんの
凌光:これ、あんたも読みなよ…………すっごい感動した…………
青颯:まだスマホ返してなかったの
凌光:いいから見てよ
青颯:なに?『メッキの刃』?
凌光:うん。メッキ工場の人たちが、日本刀に勝るメッキの刀、「メッキ刀」を作ろうと奮闘する漫画だよ
青颯: どう考えたって無理でしょ
凌光:最初はそうやってみんなに笑われてるんだよ……。この漫画のいいところはメッキがただ勝つとこじゃなくて、一回「無理だ」って認めるとこなんだ。その、夢が破れるシーンがあまりにも良くて、人気が爆発したのさ
青颯:へえ
凌光:でね、「切れ味では、どうしても日本刀に勝ることなどできない。だが、美しさでは勝れる日が来るかもしれない」と立ち上がって、最高に美しいメッキ刀の完成を目指すんだ
青颯:ふーん。地味そうなのに、「売り切れ続出!」って見出しばっかりだ(結局青颯もスマホを触る)
凌光:そうさ。絶賛公開中の「メッキの刃 有限会社編」は、ありとあらゆる映画の記録を塗り替えてるんだ。見に行かないかい
青颯:ええと、有限会社編のあらすじ……
《「経営者たるもの、鬼にならねば始まらぬ。源六よ、お前も鬼になれ!」創業者、阿坂の度を過ぎた指導により、ついに自ら命を絶った社長の源六。阿坂の孫であり源六の子、金次郎は、社長自殺によりゆらぐ会社を立て直すため、若干十八歳で社長になることを決意する。しかし会社に残されたのは、「鬼」と称された祖父の経営方針により、疲弊しきった社員たちだけだった。八方ふさがりの状況で、金次郎の内に眠る“力”が目を覚ます。メッキ工場が有限会社から株式会社になるまでのアツい一年を描く、有限会社編。待望の映画化!》
ほんとに面白いのこれ?
凌光:面白いよ!鬼と呼ばれるじいちゃんの過去シーンがまた涙なしでは見られない……
晴瀬:こっちも面白いぜ!
青颯:目の下、クマくっきりじゃん
晴瀬:徹夜で読んじゃったからな!『そしてまた月は満ちる』!!!こっちにも鬼が出てくるぜ!
青颯:どこまで読んだの?
晴瀬:第一章だ!めちゃめちゃ読み込んだぜ!早く第二章読みたいんだ。教えてくれ!
青颯:その勢いだったら読めそうじゃない?
晴瀬:俺もそう思ったけど、無理だった!!!
凌光:清々しいね
青颯:それじゃあ、第二章のあらすじ、いってみよう
○第二章〇乙女
桜の咲き誇る山で目覚めたみちは、喜びのあまり山を駆け下る。しかし行く道の先に海を見つけ、恐怖を感じで引き返す。戻った山の上の小屋には、めめという名の女がいた。彼女は竜宮の使いだといい、みちを主の嫁にするべく、迎えにきたのだという。彼女がいうには、蓑笠を着た男に殺されたことが、竜宮に選ばれたということになるのだそうだった。めめに「三晩の後に竜宮へと案内するため、それまでこの里で楽しんでほしい」と伝えられるが、みちはあまり嬉しくなかった。
次の日、みちは夜明け前に目を覚ました。外に出て見ると、山頂には枝垂れ桜がある。そこまで登ると、遠くに海が見えた。再び恐怖を覚えて戻ろうとする彼女の目に、青年の姿が映る。会ったことなどないはずだったが、彼にたまらなく懐かしさを感じる。その時突然、空が真っ暗になる。呆然としていると闇は消え、朝日が昇る。青年の姿も同時に消えていた。
小屋に戻ると、めめが怖い顔をしていた。突然暗くなったのは、竜宮の力だと彼女は言う。山に「鬼」が立ち入った時に発動する、守りの力だった。「鬼」というのは、「沖術」という術を操る術士のことだという。めめは、山の外には出ないようみちに忠告し、守りの力を強化するべく竜宮へと帰っていった。
みちが小屋にいると、何度も暗闇が訪れる。めめのいう鬼とは、あの青年のことに違いなかった。恐ろしい存在だと言われても、彼に会いたくて仕方がない。それでも、本当に恐ろしい鬼だったらどうしようという葛藤に、山を下ることはできない。嘘のように咲き誇る桜を見ながら、竜宮には行きたくない、家に帰りたいと溜息を吐いた。
その夜、みちは他人の記憶を夢に見る。ケネカという女の夢で、巫女のようだった。真冬の満月の晩、愛しい男と心中しようとする。が、ケネカは男だけを殺し、自らは生き延びる。
あまりに生々しい夢から目覚めたみちは、精神が錯乱する中で山を駆け下る。気が付いたら、彼女は海にいた。太陽に輝く海を背景に、昨日見た青年と出会う。彼は名を晴瀬といい、明るい笑顔の裏に、時折暗い瞳を見せた。
彼と話をする内に、彼女は失っていた笑顔を取り戻す。打ち解けるにしたがい、みちは竜宮に嫁がなければならないが、行きたくないことを吐露する。晴瀬はそれなら行かなければいいと言う。二人は桜の里から出る方法を探し始める。
一日歩き回ったが、どこにも見当たらない。代わりに、桜の下にいる人影を見た。二人やめめの他にも、人がいるようだった。くたくたになった夕暮れ、みちは来た場所から帰れるのではないかと気づき、小屋に戻ればよいのではと提案する。しかし晴瀬は山に登れない。竜宮の力で、真っ暗になってしまうからだ。二人は再会を約束して別れ、みちは小屋に帰りつく。
みちは、自分が現れたであろう場所に立つ。すると、視界が歪み壁の向こうに穴が見える。帰れるかと思った矢先、めめが小屋にきて歪みは元に戻ってしまう。めめは怒った顔で「鬼に会っていたのか」と問い詰める。さらに、「あの鬼は殺しをしている」と言った。晴瀬が、人殺しだというのだ。みちはそんなわけがないと心の内で否定するが、何も言い返せない。明日は婚礼の日だとめめに早めに寝かされる。とうとう明日、竜宮に行かなければならない。目が冴えた布団の中で、きっと晴瀬が助けてくれると息を吐く。
みちは、夜明け前に起こされる。花嫁衣裳を着させられる中で、竜宮への拒絶が爆発する。みちはめめを振り払い、山を駆け下る。晴瀬を呼ばうと、彼はすぐに来てくれる。海まで二人は走ったが、追手の影はまだ見えていない。どこに隠れようかと迷っているところに、一人の娘が現れる。彼女は、桜の下にいたあの人影の正体だった。マキと名乗るその娘は、みちの妹の子だという。そんなわけがないとみちは言うが、マキは「ここは普通の世界とは違うのだから、時間の経ち方が違ってもおかしくない」と言い一歩も引かない。またマキは、みちが旱魃の際に隣村に売られたこと、そして自分はみちの妹に、みちと同じ人間になるように育てられてきたと話す。自分がみちとは違うことをハッキリさせたいから、みちの事を教えてほしいとマキは迫る。
そこに、大蛇が突進して来る。みちと晴瀬はなんとか逃れたが、マキは海の彼方に飛ばされる。蛇は竜宮の使者だと名乗り、晴瀬に離れるよう告げる。しかし彼は沖術により闇の刀を手にし、蛇の首を斬る。みちは彼といれば救われると確信し、晴瀬に抱き着く。
蛇が倒れていたはずの場所には、めめが立っていた。そして、みちに「その男は必ずあなたを不幸にする。あなたはいずれ、その男を殺してしまうから」と言う。なぜなら、みちは月の神に憑りつかれており、晴瀬は海の神に憑りつかれているからと彼女は説明する。月と海の神に憑りつかれた男女は、必ず女が男を殺すことになるというのだ。みちは、ケネカという女の夢を思い出し、もしかしたら本当かもしれないと身震いする。が、自分は晴瀬を殺さないとめめに言い切る。
そこに「甘いなあ」と一人の男が現れる。彼は春軌と名乗り、自分は晴瀬に殺されたのだという。さらに、だから怨霊となって彼の前に現れ、復讐をしているのだとのたまう。春軌に「人殺しであっても、晴瀬といたいのかい」と聞かれたみちは、それでも彼といたいと本心を口にする。しかし春軌の力で二人は引き離され、晴瀬は首を斬られてしまう。胴と首はまた繋がるから大丈夫という春軌の説明を聞き終える前に、みちは気を失う。
めめはみちを連れて竜宮に消え、春軌は晴瀬を連れてどこかへと消えた。
晴瀬:…………分かんねえ…………
青颯:改めてみると、やっぱ分かりにくいわこの話
晴瀬:いいや!この物語の魅力は、こんなあらすじじゃ分かんねえ!
青颯:あそうだった。テンプレ展開なんだった
晴瀬:情景描写と心情描写!これが物語を動かしてるから、あらすじだけ聞いても「なんか魅力が分かんねーな」になっちまうんだ。でも大体話の流れが分かったから、また読めるようになった気がするぞ!
凌光:じゃあ、今日も徹夜かね
晴瀬:おう!気合い入れて読むぜ!
凌光:私も徹夜で『メッキの刃』読み返そうかね
青颯:そこは「なんだか私も『そしてまた月は満ちる』を読みたくなってきたよ」でしょ
凌光:あ、そうだった。なんだか私も『メッキの刃』を……ああ、もうダメだ。私の頭はメッキの刃でいっぱいだよ
青颯:ええ……そんなに面白いなら、俺も読みたくなってきた
晴瀬:じゃあ俺も読みてえ!
青颯:晴瀬は『そしてまた月は満ちる』読みなよ
晴瀬:いや、そっちを読んでからも遅くねえかなって
青颯:ほんとに好きなの?
晴瀬:ちょっと好きになってきた!
凌光:しょうがない!ここは私も『そしてまた月は満ちる』を読んでやろうかね!第二章まであらすじ聞いたところだし
青颯:お情けで読まれる物語ってどうなの
凌光:細かいことは気にしなさんな!さあ、みんなで読書だ!
番外編がしばらく続きそうです。各章のあらすじ書くの、骨が折れる……。




