表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

隊員紹介

 カイムは、隊長室を退出すると、同じ階にある副隊長室へ向かった。

 誰もいない一番隊宿舎の廊下をカイムは一人歩いていた。カイムは隊長から言われた1番隊第一副司令班の札を探しながら、一部屋・一部屋確認しながら、歩いていた。少し宿舎内を歩くと、カイムは1番隊第1副司令班の札のかかった部屋を見つけた。


 カイムは扉の前に立ち、『一番隊第一副司令班』と札の掛った看板を見上げた。部屋があっていることを確認するとカイムは、扉を

「コンコン」と叩いた。

 少し間をおいて、「入りなさい。」と男の声が聞こえた。カイムは声を「失礼します。」と言ってから扉を開けて部屋の中に入った。扉から中を見ると七人の男女が部屋の右側に置かれた大きな机の回りに座っていた。机の左の壁には、黒板が掛けられていた。黒板に何も書かれていなかった。部屋にはカイムの入った扉以外に二つの扉が左右に付いていた。正面には窓が三つ開いており午後の光がはいてきていた。入口の左側の壁の扉には、『副司令官室』という札が掛っていた。右側の壁の扉には、『一番隊第一副司令班休憩室』という札が掛っていた。部屋の左側には、一人用の机が八個向かい合わせで置かれていた。


 大卓の一番奥に座っていた男が立ち上がった。立ち上がった彼の背は高く2mはあるように見えた。彼が一番隊第一副司令班の班長兼副隊長のクサイームであった。

「よく来たな、ウンエンス上級兵。私がお前の上司になるクサイームだ。階級は、一佐だ。」

 と副隊長は言った。

 彼は、遊撃騎士団時代青龍分団『鴎』部隊隊長をしていた。鴎は、要人警備を主任務としていた。そこでの彼のとうり名は『白き巨人』。白き鎧を着、戦場を駆け回る姿からそ呼ばれるようになっていた。



 まだ立っているカイムに向けて、クサイームは

「ウンエンス上級兵、そこに座りなさい。」

 と言った。


 クサイームは、机の右側手前の空いている席の内一番左をさした。カイムが示された席に座った。

「ここに座っている私を含めて七人が第一副司令班のメンバーだ。定員は八人なんだが、最近一人産休をとってな。定員に達していなかったんだ。一か月くらいは、単独任務や分班任務をやらすことはない。その一か月を隊員育成区間とする。その期間に各種指導をする。」

「しかし、それが終わったら他の隊員と区別はしないぞ。各種指導内容は、週頭に渡す。今週分はあとで渡す。自ら調べて集合場所に移動するように。皆、自己紹介をしてくれ。」

 と副隊長は言った。





 副隊長の右隣りに座っていた女が立ち上がった。髪は、赤髪で肩までのばしていた。目は、青かった。歳は40歳ぐらいに見えた。

「私は、『エリザー・マーナ・シェイレン』です。階級は、二左です。この班の副班長をやってます。解らないことがあったら私に聞いてね!」

 と言った。

 彼女は、騎士団時代、遊撃騎士団諜報部隊『隼』に所属していた。隼部隊は、朱雀分団に所属であった。とうり名は、『紅の隼』であった。シェイレン家は、王国内の隼部隊隊長を代々勤めていた。そして、彼女は今は、シェイレン家現当主であった。そして、エリザは座った。


 エリザが座ると、右隣りに座っていた男が立ち上がった。男は、金髪で青い目をしていた。カイムから見ると歳は50歳ぐらいに見えた。

「俺の名は、『イラン=デンダ・オリオン』だ。覚えておけよ新入り!」

「階級は、三佐だ。この班で爆破物担当をしている。爆発物の使い方を徹底的に教えるから覚悟しとけよ、新入り!」

 と言った。

 イラン=デンダ三佐は、王国遊撃騎士団破壊工作部門の『雲雀(ひばり)』班に所属していた。そこでは、彼は『精密爆発のオリオン』と呼ばれていた。彼の爆発は、数ミリの誤差なく爆破する様子からそう呼ばれていた。


 イランの右隣りの女が立ち上がった。彼女は、赤毛で緑の目をしていた。歳は30歳後半ぐらいに見えた。

「私は、『ユーマリナ・エザリニア』です。階級は、伍長よ。私は衛生担当だから、怪我などしたら私のところに来てね。」

 と言った。

 彼女は、王国遊撃騎士団で最年少の医者となった人間であった。


 副隊長の左隣りに座っていた男が立ち上がった。彼は、黒髪で黒い目をしていた。歳は、40歳後半に見えた。

「俺は、『ウーゼンガン』だ。階級は、伍長だ。分析担当をしているから、調査報告の仕方は、私に聞くように!」

 と言った。

 ウーゼンガン伍長は、玄武分団分析担当であった。彼は、『天才分析屋』と呼ばれていた。


 ウーゼンガンの左隣りに座った男が立ち上がった。

「俺は、『セバリン』だ。階級は、兵長だ。」

 と言った。


 セバリンの左隣りに座っていた女が立ち上がった。彼女は、金髪に青い目をしていた。歳は、カイムより3〜4歳歳を取って見えた。

「私は、『ミナリ=タマク・アレンマイン』です。階級は、兵長です。私は、あなたと同じ四騎士家『アレンマイン家』の出身なんですよ。ただし、分家なんですけどね。アレンマイン家は、剣技名門ですから、剣技をみっちり教えてあげますからね。よろしく、上級兵。」

 と言った。

 アレンマイン家は、青龍分団を指揮していた。アレンマイン兵長の母『リアルナー』は、遊撃騎士団『鳳凰』副隊長であった。そしてリアルナーは、遊撃騎士団最年少副隊長であった。今、彼女は一番隊五遊撃班長の一人をしていた。


 クサイーム副隊長が立上がり、

「これで、全員の自己紹介が終わったな!ウンエンス上級兵、何か言うことは。」

 と皆を見回してから、カイムの方を向いて言った。


 カイムは、クサイームを見て頷くと立ち上がった。そしてこの部屋にいる全員を一人一人見ながら、

「皆さん。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします。」

 と言い頭を下げた。


 カイムが座ると、

「今日は、施設の案内を受けてもらう。そうだな、アレンマイン兵長。ウンエンス上級兵を案内してくれ!」

 とクサイーム副隊長が言った。


「分かりました。クサイーム副隊長。ウンエンス上級兵、私に付いて来てください。」

 とミナリは言い、席を立った。

明日からは13時に一回投稿とします。

前回の終わりまでは、一日一回投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ