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幹部会

 昼食後、アクサンマ隊長に言われたとおりにカイムは、隊長室へやってきた。扉の前に立ったカイムは、一度深呼吸をした。そして、扉を「コンコン」と叩いた。すると中から、

「お入りなさい。」

 と部屋の中から男の声が聞こえた。


 カイムが、部屋に入ると隊長が、部屋の窓際に置かれた執務机から立ち上がった。彼は机を回り込むとこちらへ歩いてきて、

「ウザル=カイム、兵士票が出来たから渡そう。お前は、四騎士家の出身であり、さらに奇跡の天才『コロンナンス』の孫であるから最初から二等兵、一等兵を飛ばして上級兵(士官候補生待遇)の階級が与えられた。」

「一ヶ月間の訓練期間ののちに、兵長の階級が与えられるそうだ。ただし、この隊の入隊資格が兵長以上で、さらに階級のなかでも上席にいることが条件だからその条件を超えるように頑張りなさい。」

 とアクサンマ隊長が言い、兵士票をウザル=カイムに渡した。


 兵士票には、兵士番号『428254』・名前『ウザル=カイム・ウンエンス』・生年月日『Cfn231/10/12』・階級『上級兵|(士官候補生待遇)』・そして所属『1番隊第1副司令班』と書かれていた。また、顔写真が添付されていた。


「階級章と制服は、明日の朝部屋に届ける。部屋は、後で担当者に案内させる。タクサララ王女にお前をウンエンス家アセイ領別邸に案内するように頼まれている。別邸には、風の歌声の隊長級以上の佐官・提督・達などしか、中に入れない規定に王女がお決めになった。しかし、お前は『ウンエンス家』当主の直系であるお前には、別邸の所有権があるため特別入れると言うことになった。よって別邸内に、自由に入る権利が特例であたえられた。ただし、秘密会議等への参加は認められないそうだ。このアセイ領に来るのは始めてだろうから、私がお前を別邸へ今より案内する。お前の祖父はこの地で生まれ育ったそうだ。今から別邸へ行くぞ、ウンエンス上級兵。」

 とアクサンマ隊長が言った。

「はい。」

 とカイムが答えると、アクサンマはカイムが入ってきた扉ではなくカイムから見て左手の壁にある扉に向かって歩き出した。


 そしてアクサンマ達は、部屋を出て隣りの部屋に入った。部屋には、数名の兵士が控えていた。そこに居た兵士に、

「別邸に行って来る。」

 と言った。


「分かりました。行ってらしゃいませ!」

 と部屋にいた兵士『リュナン』は言った。


 兵士に送られて、アクサンマとカイムは部屋から廊下に出た。そして、アクサンマ隊長を先頭に一番隊宿舎の玄関に向かって歩き出した。




 一番隊宿舎を出たカイム達は、アセイ村の北方にやって来た。

 村の中を二人で歩いていると目の前に一つの建物が見えてきた。アクサンマ隊長が、口を開き、

「あの建物が、ウンエンス家アセイ領別邸です。王国が健在のころのこのアセイ領領主である、ウンエンス家をおとずれた客をもてなすために使われていた建物だ。」

 建物に近ずくと建物詳細が見えてきた中央に尖塔の立つ四階建ての中央部があり左右へ二階建ての部分を挟んで三階建ての建物が立つ本館と幾つかの別館がくっついていた。


 建物から少し離れた場所にある門の前に、二人の兵士が立っていた。兵士が

「アクサンマ隊長、タクサララ王女より話は聞いています。しかし、規則ですので兵士票をお見せください。」

 と言った。


「彼が、ウザル=カイム・ウンエンス上級兵だ。これからは、一人で来ても入れてやってくれ!」

 とアクサンマ隊長が言った。


「はい。分かっています。」

 と兵士が言った。二人の兵士票を受け取りすばやく確認し、ありがとうございましたといい兵士票を二人に返した。そして、門兵二人は人力で門を開けた。カイム達二人は開けられた門から別邸の敷地へと入った。アクサンマ隊長に案内されながらカイムは、アセイ領別邸本館へと足を運んだ。





 アセイ領別邸本館に入ったカイムとアクサンマは、隊長に案内されて本館の中を歩いていた。

 本館内には兵士たちもおらず閑散としていた。





 そして、アセイ領別邸本館にカイム達が訪れてから一時間後、二人は別邸から出て来た。


 アクサンマ隊長とカイムは、アセイ領別邸本館を出ると、一番隊宿舎に向けて二人で移動を開始した。

 そして、数十分後、二人は、別邸から一番隊宿舎へと帰って来た。宿舎に入るとアクサイム隊長がカイムに少し話があるといい隊長室へと向かった。アクセイム隊長が部屋の前に待っていたリュナン隊員に話しかけると、

「隊長、手紙が届きましたので机の上に置いてあります。」

 と報告をした。


 部屋の中に入ると隊長の机のメモが置かれていた。隊長は、メモを読むと、

「ウンエンス上級兵。今から、一番隊第一副司令班室にいるクサイーム副隊長の所に出頭し、彼より指示を受けなさい。私は今から出かけるから部屋までは一人で言ってくれ!話は私が帰ってきてからしよう。」

 とアクサンマ隊長が言った。

 言われたカイムは、

「イエサー!」

 と敬礼をし部屋の中から退出をした。

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